SNOWBOARDER誌メイン・カメラマンの仕事ぶりを拝見/ 岩田 克巳

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今回のお客様は、雑誌SNOWBOARDERを創刊当時からメイン・カメラマンとして活躍する岩田氏。岩田氏は現在トップエンドの社長として、カメラマンのみならずディレクティングの方でも活動し、それこそ編集長のように幅広く雑誌作りに献立している方だ。今季絶好調の売り上げの真相に迫ってみた。

フサキ(以下F):雑誌の売り上げがかなり好調なようですが、勝因は何ですか?
岩田克己(以下I):他の雑誌ってイメージが多いよね。だけど、うちは一番スノーボーダーが多いと言われる初中級者にターゲットを絞って作ったことが要因の1つだと思う。みんなうまくなりたいと思っているから、技術モノをメインに作っているんだ。スタイルとかスノーイングとかあるけど、うちは後発だったでしょ。だから、もっと違うことしなくちゃダメだったと思って、おもしろい雑誌作りを考えているんだよ。

F:なるほど。世論がこの世を動かす要因の1つと言われますが、まさにそこを狙ったということですね。ところで、「おもしろい雑誌作り」のため気を付けていることは何ですか?
I:まずは一流のライダーを登場させること。昨年の例で言えば、Xゲームの金メダリストのケビン・サンサローンやライオだね。彼らのようなトップ・ライダーが初中級のためのコテコテのハウツーをやるというのがポイントだね。彼らの生の言葉を伝えることによって、スノーボード業界全体に良い影響を与えていきたいと思っているよ。

F:そもそも岩田さんがスノーボード雑誌に関わったといういきさつは?
I:雑誌スノーボーダーの前身のボド・レップが確か5年前かな。その頃からずっとやってきて、スノーボーダーになって3年目。前にスキー雑誌(ブルー・ガイド・スキー)をやっていた流れで来たのが要因。

F:スキーの世界からスノーボードの世界に入った訳ですが、最初はどんな気持ちでしたか?
I:別に仕事だったからなんにも思わなかったけど、ひとつ感じたことは、スノーボーダーも含めて、スノーボード業界の人の年齢が若かったということくらいかな。だけど自分自身、年齢とかにこだわるほうじゃないので、すぐにこの世界に入れたね。それに、かわいい女の子が多くって、けっこう楽しめそうな世界だと思った。冗談だよ。(と言いながら笑っている姿は半分は本音と推測)

F:岩田さんのバックグランドをカンタンに教えてください。
I:明治大学を卒業をした時、いくつかいい就職先が内定していたのだけど、このままサラリーマンやるのが何となく嫌だったんだよね。それで、スキー・グラフィック(スキー雑誌)を見ていたら、カメラマン募集というのがあったんだ。それで杉山スクールにお世話になって2年修行。その後フリーになったんだ。

F:大学でカメラの経験は?
I:まったくなかった。だけど、先輩から「何にも知らない方がいい。その方が純粋な目を持てるから」と言われたよ。

F:しかし、2年でフリーになってよく食べていけましたね。
I:いやあ、そんなうまくいかないよ。夏は日雇いの土方とかやりながら、夢に向かって頑張っていたよ。

F:岩田さんでもそんな時代があったんですね。その後はどんなところでカメラマンをやっていたのですか?
I:スキー・グラフィック、ヤマケイもやったね。双葉社のブラボーも立ち上げの時に参加したよ。もちろんブルー・ガイドも。ちょうどその時、同じ年のシノト(現ブルーガイド・スキー編集長)も入社して来たんだよ。

F:岩田さんって凄く古いですよね。そう言えばブラボーの大和田さん(現ブラボー・スキー副編集長)とかも知っているって言っていましたよね。
I:うん、よく知っているよ。その時は、まだスキーもまともにできなかったけど、今はエクストリーム雑誌とか作ったり、いろいろ頑張っているね。

F:じゃあ、その後はずっとこの業界一筋ですか?
I:腰を痛めてしまって、一時期この業界から足を洗ったんだ。それで、FOCUSとか、週刊現代のグラビアとかやって、その後はゴルフ関係の仕事を2年やって、それからまたこの業界に復活したんだよ。シノトが手伝ってくれってことで。トップエンドは11年前に作って、今に至っている。

F:凄い経歴の持ち主ですね。おもしろい発想は、いろいろな経験から生まれるのですね。ところで、岩田さんはいつも撮影の時、ライダーと仲いいですけど、まあ僕(フサキ)以外に仲のいいライダーというと?
I:トシくん(松浦利彦)、ライオ、綿谷くん、最近ではフクちゃん(福山正和)とも気があったね。外人だとケビン・ヤングとか、ケビン・サンサローンとか、いろいろだね。

F:岩田さんよりも一回りも若いライダーたちと交流する秘訣は何ですか?
I:オレ年齢がみんなよりも上だけど、自分から積極的に降りていくってことかな。若くなろうって訳じゃないけど、そうやって合わせていかないと。

F:岩田さんを見ていると、とても自然にみんなと楽しくやっているように思えます。ケビン・ヤングとかとも英語うまくないのに、みょうに乗りが合って楽しそうですよね。
I:やっぱりスポーツっていうのは心と心のつながりで会話するところが多いんじゃないかな。かっこいいことを話しても全然面白くないし、勢いで話したほうがみんな乗ってくれるし、話している自分自身も楽しいよ。年齢とか性別なんて関係ないと思うよ。

F:最後になりますが、今後雑誌作りへの豊富と、スノーボード以外でもいいから夢を教えてください。
I:3年前は2冊。一昨年は3冊、そして昨年は4冊になった。だから、今年は5冊出せるよう頑張りたいと思っている。それに伴い内容も濃くしていかないと、と思っているよ。夢としては、宝くじが当たって、オーストラリアに家を買うこと。それで、ゴルフを練習してシニアのプロになるんだ。あっ、後、自分でイベントとかやってみたいね。儲けとか関係なく。どんな種目でどんな大会になるかはわからないけど、ビッグ・イベントをやってみたい。こういうのは、どうだろう。白馬のデカいスキーのジャンプ台で、プロもアマも招待とかも関係なく、誰でもいいから参加できるワン・メイク大会。優勝賞金2000万円!とかやったら、盛り上がるだろうなあ。今度なんかの大会で見かけたら声をかけてくださいね。なにか得することがあるかも。

●編集後記
岩田さんは僕より一回りも年上だが、夢を語る時には子供のように目が生き生きとしていた。そんな岩田さんの目に世界のライダーたちも引かれるのだろう。スノー・カメラマンとしては早く引退して、山には若手のカメラマンに任せたいという岩田さんだが、これからも山の上で暖かく見守ってくれる岩田さんであってほしいと願う。

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