狙うは海外デビュー/渡邉雄太

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今年の夏、華やかなサマーキャンプとは違った環境で、ブラッコム氷河のウインドリップで黙々とジャンプ作りをしている男がいた。自分は世界の大物ライダーとの撮影でエキサイティングであったが、一方でこうした彼の直向な姿勢にも魅力を感じていた。彼は初めて出会ったのもブラッコム氷河であったが、あの時も黙々とパイプをハイクしていたことを思い出す。考えてみれば、いつもこんな感じだ。流行などに左右されずに、自分の信じた道を淡々と進むのである。そうして昨シーズンは、遂に芽が出始めた。トランズ誌のチェックアウトに出て、INanamawok filming productionの撮影でパートも残したのだ。今、世界にも狙いを定めて海外デビューへ向かって活動している。今回は、そんな渡邉雄太の魅力に迫ってみよう。


Interview & Photo by Fusaki Iida

今年の夏、ウィンドーリップではどんなことをしていたの?

天気が悪くガスで滑れない状況の日が多かったので、そういう日はひたすらブロックを積んでキッカーを作っていました。晴れた日にそれを飛んで遊んでいたという感じです。本当はいろいろな地形で遊びたかったのですが、結局ウィンドーリップに2つ違うタイプのキッカーを作って遊んでいました。でも晴れると直ぐ雪が解けてしまうのでかなり効率は悪かったです(笑)

トランズ誌のCHECK OUTに登場!

あいかわらず地道な活動ですね(笑)。そこがユウタくんの魅力だし、頭が下がる思いです。ところで、振り返ってどんなシーズンでしたか?
 
今シーズンの活動は日本のFCやカナダのSANDBOXとの撮影を行えたことが一番の成果でした。
それから藤井雄治、大原拓実といっしょに行ったSTEWARTでのトリップで夢のアラスカへの一歩を踏み出しました。
そしてトランズ誌のチェックアウトで自分がピックアップされたことが次へのステップにつながったと思います。
最終的に残った映像には全然満足していないので、来年チャレンジしたいことがたくさんあります。

カナダのSANDBOXとの撮影は、電話しても参加できない日もあったり、いろいろ難しかったようですが。日本のフィルムクルーとの撮影の違いはありますか?

日本のフィルミングクルーの中でもいろいろな撮影スタイルがあると思うので、なんとも言えませんが、SANDBOXでの撮影はディレクターがライダーのためにしっかりと環境を整えてくれるので、自分は撮影に集中することができました。撮影はフィルマーの人数や撮影する内容に合わせて前日や当日の連絡でメンバーの中からライダーを集めています。自分のような2軍、3軍ライダーは毎朝こっちから連絡してチャンスをつかまないといけません。 
 
ユウタくんといっしょにモービルでバックカントリーに行った時、スノーモービルの大変さを感じることができました(注:くわしくは特集ページで)。
「ああ、こういう世界で頑張って来たんだなあ」という尊敬の念を抱いたのだけど、海外ではこれがあたり前でしょ? なんか日本のスノーボードの撮影シーンとのギャップも感じる部分もあります。もちろんスノーボードはバックカントリーだけじゃないんだけど、ユウタくんは、日本と海外の違いのようなものどう考えていますか?
 
 
意識的な違いを感じます。海外のプロダクションの多くは小さなところでも世界的に販売しているところがほとんどです。もちろん無名のプロダクションは地元以外ではあまり売れていないと思うんですけど、それでも自分たちが作るものを広く発信していくことはスキルアップするために大事なことだと思います。クリエイティブなものを作り、広く発信していくという意識の差が日本と世界のレベルの差だと思います。

ユウタくんはまだアマチュアで収入の面とか大変だと思うのだけど、どのようにやりくりしてライディング活動を続けていきますか?
また、ユウタくんのようにこれからプロを目指すライダーたちにアドバイスはありますか?

 

ナチュラルを滑らせたら天下一品。

アドバイスができるほどのライダーではありませんので、何もありません。ただ、僕がプロになりたいと思ったのは憧れるライダーがいたからなので、自分たちも人に魅力を感じてもらえるような世界観を持ったライダーを目指したいですね。金銭的なやりくりに関してはトップシークレットです。実はやりくりできていないことがほとんどなんですけど・・・。シーズン終盤のガス代を全部カードで支払って、日本に帰ってからその返済に追われたりとか・・・全然ダメダメですね(笑)。でも今の自分の活動スタイルを変えようとは思いません。スノー
モービルでの活動でスノーボードの魅力を深めることができたからです。これからやりたいこともたくさんあります。

ゲレンデの撮影、モービルでの撮影。一般の方には、その違いが理解し難いところもあると思います。改めてユウタくんの舞台となっているバックカントリーの魅力を教えてほしいのでが。

バックカントリーでの撮影の一番の魅力は、同時に一番困難な理由にもなると思うんですけど、それは、すべて自分でイメージして表現するということだと思います。もちろんバックカントリーでも撮影の方法によってはセットアップされたロケーションやポイントで撮影することはあります。でも一番楽しいのは自分たちで山の斜面を見てそこで何をやるか想像し、トライすることだと思います。
例えば「ブーーン!!」ってモービルで走っていて、開けたポイントが出てきて「お、なんかありそうだぞ!」ってなって「あったーーアレやりたい、絶対やりたい」ってなって軽く誰が何をやるのか揉めたりとかもして、じゃーーやろうって言うことになるんです。そっからの動きは早いですよ。バンバンバーーーンてやってメイクできたら直ぐ違うポイントを探しに行きます。そんな感じです。
どうでしょうか、なんとなくイメージつかめますかねー?
バックカントリーでの撮影は自分と山と仲間の声を聞きながらやるっていう感じだと思います。山をちゃんと知らないと良い撮影はできないと思いますね。

最後に今後の豊富や夢をお願いします。

僕の夢の一つはプロのビデオプロダクションのライダーとして撮影活動をすることです。これはスノーボードを始めた頃からの夢でもありますが、ここ数年の活動で出会ったプロ意識の高い人たち(ライダー、フィルマー、カメラマン)の影響を受け、さらにその夢を実現したいと思うようになりました。
それからもう一つ、自分の中で持ち続けている夢はアラスカの山の斜面を滑ることです。少しずつ山の知識を深めて時期が来たらトライしたいと思っています。

渡邉雄太
Yuta Watanabe

Sponsor: RIDE, HAGLOFS, HESTRA, BONGARTMAN, SPINY
スタンス幅:58センチ
スタンス角度:前プラス18度 後ろ0度

以下、渡邉雄太webサイト
http://uta.yukigesho.com/

 

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