若きスノーボード・フィルマー/内海直紀

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五輪効果もあって、今、急速にスノーボーダーになりたい人が増えている。
今、五輪出場を夢見たキッズたちが、インドアなどの施設スクールに通うようになり、スクールはこのオフでも大きなふ賑わいとのことだ。

そんな中、ある一人の若者はまだ21歳という若さで引退を決め込み、表舞台から裏舞台へ。80万円もの大金をつぎ込みカメラ機材を揃えて、フィルマーとなった。しかも、すでに世界的な有名なクルー、今、一番熱いと言われているデジャヴ・クルーのセカンドフィルマーとして、参加したということだ。

夢を持ち海外へ飛び込んだのもつかの間、すでに引退を決め込み若いフィルマーへ。
いったい、そんな早いサイクルの中、なぜこれほどまでに急展開な出来事があったのだろう。

彼の名前は、内海直紀。
その真相を探すべく、若きフィルマーにインタビューしてみた。

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Interview: Fusaki Iida

まだ21歳だいうのに!普通なら、その年齢でバリバリにライダーとか目指す時期だよね。いったい何でフィルマーにになったの?

最初は僕もライダーになりたくてスノーボードをしてきました。スノーボード歴11年、大会にも出てJSBAのプロ資格も取得しました。そして次の目標は世界だ!と思っていたところ、首の骨折という大怪我をしてしまったんです。

ショックだね。それはどんなトリックでやってしまったの?

ダブルコークです。
今後、自分がライダーとしてやっていく上で、必要なトリック。避けては通れないトリックと考えていたんです。
そこでキングスに通い詰め練習しました。そして、遂にニュージーランドでトライしして成功しました。

凄い。オフとオンシーズン、一生懸命に練習してメイクできるようになったんだね。

はい。
それで、シーズンに入り、大きな大会が迫っていたので練習をしていたんです。だけど、焦ってしまいました。天気が悪くてコンディションの悪い日にトライしてしまって・・・。
結果、自分が思っていた以上に板が走っていなくてスピンの軸もくずれてテーブルに首から落ちました。
最初は、まさか折れているとは思いませんでしたが。
診断は、第七頸椎、頸椎凹突起、第一、第二胸椎を圧迫骨折でした。
思ったより痛くなかったですけど(笑)。
ただその後、スキー場の方や家族にもの凄く迷惑をかけてしまいました。

まさにこれからという時にショック、大きかったのでは?

はい。半身不随などの最悪なケースは避けられたものの半年間ほぼ寝たきりの生活が続きました。
でもスノーボードのことは大好きで寝ている間もスノーボードのムービーばかり見ていました。そしたらすっごくワクワクした気持ちになって、大好きなスノーボードを滑り以外の方法で表現し伝えたいという想いが。そして、単純にカッコいい映像を自分も作ってみたいと思ったのがきっかけでフィルマーになったんです。

フィルマーになりたいと思ったのはいいけど、どんな機材を買えばいいのか。
また、買う費用だって大変だよね。そのへんは、どうしたの?

初めは一眼レフカメラから徐々に買いそろえました。
でもやって行くうちにたくさんの先輩フィルマーの方々に一眼だと限界があると言われたんです。一眼だとどうしてもフォーカスがあまいようです。
そこで、SONYのNEX-FS700JKのビデオカメラを買いました。どうせやるならしっかりやりたい!と思ったんです。

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それだけの機材、使い方、撮影方法など大変だったと思うけど、どのようにして学んでいったの?

初めは我流でスノーボードのムービーを見まくって見よう見まねでやっていました。
そして、ムービーの中で見つけた試してみたい撮影方法を友達、ライダーの中井敬也に練習台になってもらいながら徐々にレベルアップしていきました。
攻めた撮り方をし過ぎて全く映ってなかったり、フォーカスがあってなかったりと失敗もいっぱいありましたが。

よく、そんな状況で今季、DEJA VU(デジャヴ)の撮影に参加できたね。不安だったのでは?

DEJA VUの撮影に参加させてもらった時はどう撮影するか自分自信で考えるしかなく、その時はソニーのカメラを手に入れてまだ3日目。撮影方法は我流、しかも初めてのストリート、そして相手は世界一のクルー。

自分がこんな凄い人の撮影をしていいのかという気持ちと不安でいっぱいでしたが、せっかくもらったチャンス!撮影以外にも、スムーズにコミュニケーションが進むような通訳、アイテムをセットアップするための何時間にもおよぶ雪かきを毎日、など自分に出来る事は精一杯やりました。
10日間の撮影で何か直接教えてもらう事は特にありませんでしたが、いろんな事を見て学ばせてもらいました!
その後、日本のビデオチーム、HYWOOD、TOMBOYの先輩フィルマーの方々から本格的に撮影方法を教えていただき、やっとスタートラインに立てたかなと感じました。
そして2回目にDEJA_VUが来日した時には1回目の時よりもカメラの扱いも、撮影の流れも理解できていて、ライダーのウィル・ラヴィーン(Will Lavigne)から「Thank you for good shot」!と言われたときは本当に嬉しかったです!
まだまだフィルマーとして駆け出したばかりですが、先シーズンは僕にとってすごい濃いシーズンになり、たくさんの方にお世話になり成長させてもらいました!


やはり目の前のチャンスあったら、不安あっても飛び込むしかないもんね。

オレもやったことがない職種をやって来てから、その気持ちよーくわかります(笑)。

ところで、そもそもDEJA VUクルーとどのような経緯で撮影することができたの?

DEJA_VUは高橋レオさんに紹介してもらいました。レオさんとは今年の1月にアメリカのデンバーで初めてストリートの撮影をしてそこで繋がりました。
DEJA_VUクルーが来るけど参加する?と誘ってもらってDEJA_VUクルーとの撮影で一眼レフ一つではマズい!と思い迷っていたビデオカメラを買いました。思い切った買い物だったけど買うきっかけになって今から思うと良かったと思います。

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大きな買い物だっただけに、DEJA VUクルー撮影が良いきっかけになったようだね。
実際、彼らと撮影してだった?
緊張もしたかと思うけど、何か撮影のスタイルとか、勉強になったことは?

最近、奇麗で芸術的なスノーボードムービーが多くなってきてる中でDEJA_VUはスケートムービーの様な躍動感ある映像が特徴的で技で魅せる!というスタイルです。
ライダーの映像を残すこと対してのこだわりが凄く強くて、一つ間違えたら大怪我をするような場所でメイクしても100%のクオリティーが出るまで何回も何回もトライするんです。はたから見てたら何がだめなのか分からない程度の手の微妙な位置やプレスしたりないだとか。もういいでしょ!ってぐらいこだわります(笑)。
ライダーの高すぎるぐらいの意識の高さがDEJA_VUを世界一のクルーにしたんだと思い知りました。

今でもライダーって言ってもおかしくないレベルのナオキが言うんだから、相当のこだわりを想像できるよ。このこだわりの強さが、彼らのスノーボード・カルチャーを押し上げていることになっているんだね。
ところで、フィルマーの生活ルーティーンって、どういう感じ?
冬場は忙しいだろうけど、オフシーズンはどう過ごしているの?

シーズンが終わると撮った映像を整理して各プロダクションに送ります。プロダクションを持っているフィルマーの方はそこから音探し、編集に追われるみたいです。
これから、僕は夏場もカメラに携わる仕事がしたくて今年はブライダル・カメラマンをする予定です。
スノーボードとかけ離れたジャンルだけにブライダルの撮影でしか学べない事を来年のシーズンに取り入れていきたいですね。

撮影者として、他のジャンルも行うことは大切なことだと思うよ。他ジャンルで得た感性がスノーボード撮影に良い影響も及ぼすと思います。
将来的には、どんな撮影をしていきたいですか?

もっともっといろんなジャンル、特にXスポーツの撮影をこなしていきます!
でも景色、動物、街の様子、人々などなど、どんなジャンルでもいいんです。
新しいジャンルで新しい発見、経験をつんで来年の冬に繋がるような活動をしていきます!

●これまでに内海直紀が撮影した作品

 

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