日本のガールズ・シーンをリードする/田中 幸

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今回は、日本のガールズ・シーンをリードする田中 幸のインタビューだ。
転び続けても攻めるライディング、新しいファッションにチャレンジする姿勢、何より明るい性格でカワイイところなど、今、スノーボード界で最も注目のガールズ・ライダーと言っていいだろう。
そんな田中 幸に直球インタビュー。現在のガールズシーンや、ど根性派の背景にあるボート選手の話、さらには今後の活動予定など聞いてみた。意外に知られていなかった田中 幸を知ることができる貴重なインタビューだぞ。

Interview by Fusaki IIDA

自分には、今の日本のガールズ・シーンは、アイドル的な人気もあるようにも見えます。サチちゃんも可愛いし、そういう部分で見られることも多いのでは?だけど、実際いっしょに撮影してみて凄くプロフェッショナルなライディングをしていると思いました。日本のガールズ・シーンにどのように思いますか?

比較的に他の子がどうとかっていうよりも、自分のペースでスノーボードをしてるから今のガールズシーンがどう?というのは、私自身わからないけど。うまいコいっぱいいると思います。
昔に比べても女の子が出る機会が増えたと思う。
そのチャンスをどうつかむかっていうのは自分しだいだと思います。

今まで生活してきた環境やスノーボードをしてきた時間や経験は人それぞれ違うわけだから、スノーボードに対する価値観とかってまったく同じ人なんていないと思う。
だから私は一年を通してスノーボードをしてるけど、その時期に会った人や新しくその土地で知り合った人といっしょにいてチャンスを得ることが多いな。
日本のガールズシーンがアイドル的って方向になってしまっているのは・・・、う~ん。
そう感じられるのもショックだけど、やっぱり自分の滑りが輝いているのなら、そうは取られないと思うし、もっと滑りを磨かないと、ぜんぜんダメだ~、って常に思ってます。
日本にもたくさんうまいし刺激になる女の子たちがいるからこそ、私も同じ以上に努力して練習して、板にしっかり乗れるようになっていきたいと思っています。

幸ちゃんとは今年の冬のパウダーで、また春のパークでも撮影に機会に恵まれました。幸ちゃんの良いところは常に攻める姿勢を見せること。また、細かいことを気にしないことだと思いました。転倒シーンでも絵になるように思ったし。
幸ちゃん自身は自分の魅力をどう思いますか? またプロとしてどんな姿を披露し、どんなことを伝えていきたいと思っていますか。

ありがとうございます(笑)。
私は「ありのままの自分」を伝えることを大切にしてます。
撮影の時も「撮影だから頑張る!」ではなくて「撮影だから、いつも通り!」と思っています。
もちろん、残さなければならないトリックが決められている撮影はとことんできるまでやりますが、自分を泳がせてくれるフリーな撮影ではいつも通り楽しみながら滑ります。気分が上がってきて滑りの中の「遊び」がヒートアップして転んでしまったりもしますが、転ぶことはいいことだと思って練習もしているので気にしませんね(笑)
あまりにも転びすぎるとスイッチを切り替えます。
ただ、凄くイメージがあるのにできない!でも絶対今日、ココで残す!って自分の中でのサインがあればとことんやります(笑)
撮影で自分の滑りができない時やコケてしまう時もあります。
自分のいいところは そこで「凹む」とかではなくて、「気分を上げるために、次はこれしよう!」とかルーティーンを変えたりして気分をスイッチできるところかな。
練習では凹むことも凄くあるけど、撮影で出すことはダメだと自分で思ってます。
家に帰ってから凹んだりはしてますけどね(笑)。
プロとして、こうとかではなく田中サチはこういうスノーボーダーです!っていうのが伝わればいいな。

なるほど、プロスノーボーダー田中幸うんぬんではなく、等身大の田中幸をプロの世界で見せていくということですね。

私はガムシャラに、勢い、度胸だけでスノーボード界に飛び込みました。
「攻め続けること」が私の中で大切で、自分自身の魅せれる一つだと思ってます。
とにかく楽しくて突っ込んでいきます。嬉しい自分、痛がってる自分、でも楽しくてまたトライする自分を伝えて「スノーボード好きやな~楽しそうやな~」って思わせる滑りがしたいです!
撮影以外で滑る時もプロだから格好つけるんじゃなくて、プロだけど幸ちゃんはめっちゃコケてるけど、プロでもコケるんやぁ~、それでうまくなっていくんや~、って等身大で見てほしいです。
それで次の年には映像や写真として練習していた技を完成させてカッコよく世に出す!
「あんなにコケてたのに できるようになったんや!やればできるんやな!」みたいな(笑)。
 常に攻める心を持つこと、新しいチャレンジをすること、それが私の「プロ意識」です。

ありのままを見せているからこっちも撮影して気持ちいいし、何か凄いポジティブなエネルギーを感じます。強い人って弱いところを恐れずに見せれる人だと思うし。
もう1つ気付いたのだけど、幸ちゃんってアスリートだよね? ゴメン、プロに対して失礼な質問かもしれないけど、プロでもあまりアスリートじゃないような方もいるから。しかし、幸ちゃんからは凄い体育会系のエネルギーを感じました。やる時は最後までガンガンやるし、決してネガティブなことも言わないし。元々ボートをやっていたということだけど、その影響も強いのですか?

ボートとの出会いは昔から両親が日本代表選手で結婚していて、父は今でも現役、選手&監督でいます。
そんな流れで中学校くらいから姉と2人で週末になったらボートの練習にいくという休日を過ごし、八幡商業高校でボート推薦で入学。
一年生の頃から他の一年生より経験があるってことで先輩のクルーに混じってCOX(舵手)の役をしました。
高校時代は選抜大会3連続優勝。インターハイ優勝。国体2回出場で準優勝を2度経験したけど、すべて舵手として。
やりがいはあったけど、本当はCOX(舵手)でなく漕ぎ手として日本一になって姉に勝つのが目標だったから、どこかで優勝しても喜びきれない自分がいました。
高校からのボートでの成績が認められて舵手として実業団チームからのオファーが来て、地元の滋賀銀行でボートを続けて漕手として活躍することを試みました。舵手としての選抜選手で選ばれて4年連続国体出場。でも、最高でも準優勝。国体では優勝という夢は果たせなかったけど、なんと去年、国体選手として選抜選手の話をもらい国体に舵手として出場。念願の優勝の夢が叶ったんです!
体育会系になったのは間違いなくボートがあったからです。

これほどまでにボート一家なのいスノーボードに打ち込んだ理由は何だったのだろう?ボート一家で育ち、スノーボードをやって両親の反対とかは?

スノーボードに向かったのは、漕手になれなかった思いが、個人競技への憧れに変わったのだと思います。

両親は昔からメッチャ厳しくて、門限もあったし中途半端をしたらすぐに家族会議でご飯食べた後とかに「幸、ちょっと後で話しある。来い。」 
みたいな感じで。今でも思い出すとゾッとします(笑) 恐ろしく怖かった。

両親を納得させるまでに時間はかかったけど、今やっと応援してくれるようになったかな。 
スノーボードってやっぱり、世間の目からいうとまだまだ「チャラチャラしてる」って思ってる人も多いと思います。 
でも実際は真面目な人が多いことも自分自身この世界に入ってわかったし、知ってほしいし、そんな役にも自分があると思います。

スノーボードを始めた頃、醍醐ボーダーズアリーナーに通い、そこにチームがあり、そこに入るために一生懸命に練習したということだけど、その時のことをくわしく教えてください。

当時、室内ゲレンデには女の子はいなかったけど、醍醐ボーダーズアリーナに一人で通い始めました。
醍醐を拠点に平日の夜に集まるJIBチーム「醍醐流手摺派」に憧れて一員になることを目標に練習しました。
ゲレンデに「醍醐流が来てる!」 って時にBOXで醍醐流の人に声をかけてもらい「ボードスライドとL-Rが今日できるようになったら入れてあげる」と言われ、一日中BOXをハイクしまくっていました。でも結局納得のいくものが見せられず声もかからなかった。
ダメだったのかと落ち込んで帰り支度をしていると駐車場で醍醐流の人が、「はい」 って、醍醐流手摺派のステッカーを渡してくれた!!
「技は完璧とは言えんけど頑張ってる姿を見たし、これから絶対うまくなると思った」
って言ってくれて涙がでるほど嬉しかったです。
初めて認められた気がしました。
そこから醍醐流の人たちと大会に出たり、イベントをしたり。
今もその瞬間や醍醐流との出会いが大切で何事もやろうと思う気持ちが大切でやればできる!っていうことことを教えられたきがする。

ところで縁ありNOMISのライダーになりましたが、NOMISのライダーになってどんな気持ちですか?

NOMISは本当にオシャレで、私の周りにまず変化がおきました!
NOMISがついたことで「いいなぁ~」とか「スゴクオシャレやなぁ~」とか「えっ!ソレNOMISなん!?」とか(笑)
レディースモデルもカワイイいものがたくさんあるのに、まだ知られてなくて、そのへんをしっかり、自分も伝えていければって思います。
今までのNOMISの良さを生かしながら、私たち日本人としての感性をプラスできればまた新しいものができると思うので嬉しいです。
NOMISチームといっしょにセッションしたり交流することによって、新しいアイデアが生まれると思い期待しています。

いよいよこれからサマーキャンプ・シーズンに突入で、ウィスラーのキャンプ・オブ・チャンピオンがあります。2セッション参加するということですが、この夏を含めた今後の活動予定や豊富を教えてください。

初めてのカナダのサマー・キャンプ、とても楽しみにしています。
キャンプ・オブ・チャンピオンズに参加後、すぐにアメリカ・フッドでのハイカキャンプにも4セッションにゲストコーチとして、5セッションではキャンパーとして参加する予定です。

8月日本に帰国してからは冬のための本格的なトレーニングを意識していこうと思っています。

まだくわしく内容は言えないのですが、今年の冬は少しフィールドを変えて、広げて、動いていこうと思っています。
今までのパークスタイルから抜け出した山を滑れるように、しっかりと滑り込む年になると思います。

それは楽しみ!また今までと違った田中幸が見れそうですね。
最後に今、このインタビューを読んでいるメッセージを。

スノーボード、本当に楽しいです。
一人でも多くの人に楽しさを伝えたし「やればできる楽しさ」「夢中になって好きだからこそ悩む楽しさ」を感じてほしいです。
打ち込めるものって人生で本当にいつあるかもわからないし、私はスノーボードに出会って「コレだっ!」と思いました。
だから、どんな環境の中でもおもいっきりスノーボードのためなら犠牲にしたものもあったし、ケガもしたし・・・
それでも今、こうしてまた前に進む自分がいるのは、スノーボードを通して自分の「強さ」と「弱さ」と「周りの人たちの大切さ」気づくことができているからだと思います。
自分の道を自分らしく楽しくてハッピーな毎日を自分スタイルで楽しんでくださいね。
どこかで会ったら声かけてください!

田中 幸
Sachi TANAKA
滋賀県湖南市出身
Sponsors: Sabrina、SCAPE、Oakley、DC、CELTEK、FLUX、NOMIS、Grag、Kanaria i、atla、ROWARD、Naturally、AIRHOLE、戦国WAX、アクロス重信、ムラサキスポーツ、総合学園ヒューマンアカデミー

公式webサイト:http://tanakasachi.seesaa.net/

使用ギア
Board: SABRINA Luminas
Binding: FLUX Super Titan
Booth: DC
Wear: SCAPE
Glove: CELETEK
Goggle: OAKLEY ストックホルム

バインディング設定
スタンス幅 53cm、前足12度、後足-12度

 

 

 

 

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