新スノーボード・ショップRONINオーナー/左氏 義和(2)

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元ミナミSPAZIO店の店長、そしてSMJ(SMITHやマツモトワックスなどの日本代理店)を3年勤めた後、悲願の船出、スノーボード・ショップ riding mania RONIN を立ち上げた左氏義和。ウインター・ビジネス不況時代に何を思いショップを立ち上げたのか。聞くところによれば、ハード(ボード&ブーツ)やウエアは置かないアクセサリー主体だと言う。これは世界でも初の試みだろう。また他にはない魅力ある商品も置くとか。ともかく、その真相に迫ってみた。

フサキ(以下F):兄貴ショップのオープンおめでとう! だけど、なんでこの不況と言われている時期にショップを始めたの?
左氏(以下S): 先の先の先は考えられないタイプだし、 自分で決めたタイミングがベストタイミングだと思うんだけど。 誰にもわからないじゃん先のことは。 元々、自分で店を持ちたかったんだ。 ミナミで販売員やってた時からいつかは小さくても自分の店を持ちたかったんだ。 これは販売員になって、その喜びを感じた人じゃないとわからないかな。次の年にまた買い物に来てくれたりすると販売員冥利に尽きるね。 たぶんショップで働いてる人は漠然とだけど思っているんじゃないかな。
やっぱり自分の力をどこかで形にしたかったんだよね。誰にも気兼ねすることなく好きなことはできる、だけど責任も自分で取る。そろそろ、そうしたいと思ったんだよね。

F:だけど、ここ靖国通りからちょっと隠れているところで、人が来るのか心配だな。
S:やっぱり靖国通りの表通りの方が良いのは当然だけどなかなか難しかったし、自分で買い物する時なんか裏通りは何かあるんじゃないかって気になるでしょ。 今はここで良かった と 本当に思う。 あまり高いレント代を払って無理をしたくないし、考えていることは山ほどあるから。この初年度を乗り越えて来冬に進めればきっとまた新しいこと、楽しいことができるハズ。

F:一人でお店を切り盛りしているけど、大丈夫?
S:自分の考えを理解できる人、その人の考えを自分が理解できればもちろんいっしょにやりたいよ。今すぐにも。もし給料払えなければ夜でも、朝でもどこかに出稼ぎに行くし。ただ、今はまだそういった人に巡り合っていない。だけどいろいろ手伝ってくれる人もいるから、本当に感謝。

F:ところで、お店をやることで反対とかなかった?
S:いろいろあったよ。 経済も上がってきたぐらいなことニュースで言ってるけど一般の人たちはまったく変わらないし、変わらないどころか今まで以上に厳しくなってきてるからこんな時期じゃなくてもとか。神田はショップが多くて大型店もいっぱいある中で何か差別化がないと無理だとか。でも自分のバックボーンや考えを理解して、 応援してくれた人もいっぱいいる。 心配してくれてるんだよね。 みんな自分のこと一度言ったら聞かないこと知ってるんだね。きっと。

F:ところでここ家賃メチャクチャ高いでしょ? 神田でやる意味は??
S:神田明神の神輿を堂々と担ぎたいから。RONIN って半被に入れちゃうよ(笑)。いっしょに担ぎたい人は遠慮なく言ってください。来年は本祭りのハズだよ。 自分がどうしようもない若い頃、社会人として育ててくれた街だし。 どうしてかな、神田以外に考えられなかったな。激戦区で勝負って感じかな。だって神田って街はすごいんだよ。自分が店長やってたお店であの(エリック)クラプトンが2年連続で来店してウエア買ってくれたし、浜崎あゆみが高校生の時に3回も取材受けたんだぜ。この話し何回も聞かせた人、すみません。また自慢しちゃいました。
話は変わっちゃうけど プレオープン(10月28日)の次の日にちょっとしたパーティーをしたんだ。オープンするにあたって関わってくれた方々に感謝とご挨拶を兼ねて軽くビールでも飲みにきませんかってな感じでお店にご招待したんだけど、忙しい時期に関わらず延べ60人強の関係者が集まってくれたのは感謝というか涙ものだった。 ライオもオープン日には出国してるからって前日に寄ってくれて嬉しかった。 彼はとても律儀な性格なナイスガイだと改めて思ったよ。本当にたくさんの方が来てくれて、感謝。フサキの帰国に合わせられなっかたのは残念だったけど。


(左、ひじょうに評判が高い手編みニットは、この世に2つとなり手作り商品)
(右、デザイナーが持ち寄ったベースボール・キャップもここでしか買えない品物)

F:それでは、ぜひこの場でその他のスペシャル・サンクスを!
S: NIウォッチ&rcボードを扱っているY社社長のSさん・SRさん・Nさん・Yくん・外人さん、原宿T社T社長・Kマネージャー・Yさん、トップゴーグルメーカーO社のTさん、VOアパレル社社長Sくん・?くん、プロテクター職人Sさん、ワックスBのBさん、同商圏mi社元取締役H部長、mi社SP店Yさん・Mちゃん・Sくん・Yちゃん、K店Fさん、1店Kきー・Rちゃん、DクラブMちょ・Aちゃん、無理なお願いをきいてくれた什器提供S社K専務・EさんすばらしいロゴをつくってくれたTさん、Bクラブのみんな、AJr、K屋Uくん、鎌倉M社社長Aさん、写真ありがとうT、手編み部隊隊長Mちゃん・Hちゃん・セミプロEちゃん、ワックス博士Aさん、名刺もろもろすみませんT社長、元同僚今F社Mくん、スノーボード雑誌SSのSちゃん、焼き鳥Sきー、NeのAB・彼女のTちゃん、ラフ社O社長・Nさん・Mさん、お花ありがとうF社様、Mさん、S社Sくん、 A&Fさん、SM社の皆さん、 内装工事本当にありがとう幼馴染のAくん、 保険屋KR、 寒い受付どうも憧れAiちゃん、チューンナップ屋?さん、いつも心の支えFSK、何から何までそしてこれからもよろしくお願いしますSボス。 応援してくれてるメーカーさんをはじめ、ガキのころからの友人までもっともっといっぱいの方々にご協力いただきこれからも遠慮なくお世話になります。ありがとう。

F:オープンした後の営業はどうでした?
S:ある意味予想通りでやばいと思ったけど、ダメな時は何をやってもダメだから。オープンの準備も全然納得できてなかったからちょうど良かったかも。まあ、いまだにまだ納得いく店にはなっていないけど、ともかく1つ1つ喜ばれるお店を目指して行くよ。 だけど、 最近は結構リピート客もいたりして 、喜んでくれるお客さんもいるんだなこれが。「神田にはない感じのお店ですね。」とか、「友達に紹介します」なんて言ってくれるお客さんも少なくないよ。

F:ショップ運営が成功するために何を考えているの?
S:成功って何だろう?自分が好きなビジネスで食っていけることなの?だとしたら、自分でそしてこのお店のできる限りで、ユーザーのニーズにこたえることかな。いつも思うけど流行るモノとかみんなが必要としているものはユーザーからの情報が一番。もちろん提案することも必要だけど。そこで今回試みたのはまず、スノーボーダーによる丹精込めた手編みニット。もうさらにやっているお店もあるけどRININではこんなもを作ってほしいとオファーするのではなく、製作者のセンスに任して自分でかぶりたいもの、好きな色で作ってもらっている。当然いろんなものができて個性も出る。それがいいんだよね。売れる形はこれだからそれを作ってじゃ手編みの意味がないでしょ。

F:なるほど。アクセサリー類が主体というのは?
S:アクセサリーのオンリーショップってのも差別化なんだけど、自分は不器用で要領も悪いから板も、ウエアもやって、さらにアクセサリー もやってお客さんを喜ばす なんてできない。あと昔、がむしゃらに板とかブーツを売ってた時は、ただの板っきれや長靴に毛が生えた酷いモノもあったけど、今はクオリティは問題ないだろうし、販売員もユーザーもわかってい るだろうから 疎かにしがちなアクセサリーを真剣に提供してみようかなと思ったんだよね。板も、ウエアも気に入ったものを買ったけど最後にゴーグルを買うときはお金に限界がある、ってことみんな経験あるよね。そんな時、そこそこカッコいいから聞いたことないブランドだけど安いからこれでいいやってなっちゃうんだよね。でもゴーグルもグローブも立派なギアなんだ。ゴーグルの形をしてるだけで視界が悪くて、当然曇りやすいそんなの売っちゃうからスノーボードがつまらなくなっちゃうんだよ。そんな最後に失敗しない、そしてこれだったら身に付けても恥ずかしくないものを提供したいね。


(左、モデル数も豊富なCCC Desighn & Hazakプロテクターを最もよく理解して商品説明ができる店)
(右、チューンナップ用品もかなり豊富だし、プロのサービスマンもフォローアップで来るほど熱の入れよう)

F:確かにゴーグル以外でもプロテクターとかヘルメット、チューンナップなどもしかり。意外に大切なことも見逃しがちですね。自分なんかは、ソックスなんかもとても大切と考えているけど、その点、ここにはそういったことをすべてフォローしている。
S:ありがとう。CCCのプロテクターはもともとフサキが紹介してくれたんだけど佐藤職人の作品だけに自信を持ってお勧めできますよ。だけど、まだまだそういったフォローアップの完璧な体制はできていないけど、「小物ギアの大切さを伝える」あたりまえのことを目指すショップ作りに励んでいる毎日なんだ。 自慢じゃないけど、これだけ長くこの業界にいるとたくさんのメーカーさんやライダーたちと知り合えた。これはオレの財産なんだけど、そこからのいろんな情報をお客さんに提供していきたい。この店のモットーはこれだね。そんな感じだから買い物しなくても気軽に話しかけてください。決して押し売りはしませんから(笑) 。ともかく、自分のスノーボード人生すべてのネットワークを使っていろんなものを探してくるのでもう少し時間をください。 それと会員を随時募集しています。もちろん無料。今は5%offになる特典だけなんだけど、特別な割引商品以外はすべて割引します。これから特典を増やしていくけど例えばワクシングができる場所を提供するとか、キャンプやツアーをするとかメンバーさんだけのセールとか考えています。 もう一言。手編みニットはまだまだ買取しますのでちょっとだけ腕に自身がある人は連絡ください。一生懸命作ったビーニーを大切に売りますから山篭りのための貯蓄に協力させてください。

F:オレも兄貴のために、というかユーザーのためにも、カナダからまだ日本で入っていない商品を紹介しますよ。アパレル系とか含めて、他にはまだ入っていないものをね。あと、ハウツージブDVD浪人3もよろしくね(笑)。
S:ああ、任せておいて、同じ名前だしちゃんと売るよ(笑)。とにかくファッションはギアと同じくらい大切だからね。今日一日を気持ち良く過ごすのは、超お気に入りのパーカーやTシャツだったりするわけだから。ともかく、HOMEとかNOMISとか、カナダで話題のブランドの方の斡旋頼むよ。オレもみんなをうならさせるようなもの見つけ出すしセレクトするから。

F:はい。それでは、最後にインタビュー恒例のこれからの目標や夢を聞かせてください。
S:最後にちょっとかっこよく、 コテコテのフサキ風になっちゃうけど。 スノーボードに対する思いは人それぞれだと思う。さっきも似たようなこと言ったけど今の自分があるのはスノーボードそしてスポーツ業界に育ててもらったようなもの。そんなところで幅広く活躍したいんだ。 恩返しもかねて。 せっかく神田に店をもてたんだから支店も出したい。 スノーボードに出会って15年以上経った。今まではどちらかというとプレイヤーではなかったから、このお店を何とか軌道に乗せて、次はもっと現場に近づきスキー場に進出したい。そこでもっともっとスノーボーダーに接したい。スキー場を運営するのも不可能ではないよね。 最後の最後に新潟を何とか応援しよう。こういった災害をニュースで見るといつもボランティアをしていない自分がいる。今回も地震があった頃オープンでてんてこ舞いしていたんだけど、いろんな形での応援のしかたはあると思う。 このお店にも新潟のメーカーが作ったSIGR‐8(シグレイト)というグローブがあって、これが特許を取った優れもの。神田の街でも当店とあと一店舗のみの扱いらしい。良い物だけに 一生懸命接客して少しでも多く買ってもらって、自分が好きな新潟のスキー場を紹介して、今考えてることはたいしたことないけどいい案考えます。そのときは応援してください。

RIDING MANIA RONINのインフォメーション
千代田区神田小川町3-11-2 インペリアル御茶ノ水 B-101
TEL: 03-3518-6602
FAX: 03-5281-2788
※場所がわからなかったら、お気軽に電話でお問い合わせください。ちなみに場所は靖国通りからスターバックスとミナミ本店の道を入ったところ。ミナミ本店裏の角にあります。

●インタビュー後期
ここ最近、もの凄い勢いで世の中が変革していることを感じる。アメリカではネット住人が音楽をダウンロードすることにより、大手レコード会社をつぶしてしまった。そして、今度は大手ビデオ・レンタル店もつぶそうとしている。スノーボード業界もいつか、大きな波がやって来るに違いない。それこそ他の業界同様にみんながわらない内にあっとい間に大きな波が!
そんな時にショップのあり方はどうなるのか? つまり生き残るショップとは?? そんな思いもありながら、今回のインタビューに挑んだ。そして、僕はここで改めて大切なことを確認できた。
まずオーナーは正しい情報を発信できる勉強家であること。自分を奢らずに謙虚に新しい情報をつかんで行く情熱を持つこと。スノーボードのことを広く、そして深く理解していること。またそのお客さんのことも十分に理解するよう勤め、適切な商品を紹介できる能力があること。さらには何がカッコ良くて何が人々を気持ち良くさせるのか理解できる感性を持っていること。一見あたり前のようなことをしっかりやっていることが、未来に生き残れるショップなのだと思う。
兄貴(左氏義和)が言った「不器用だからアクセサリーは・・・」という思いには、この分野では誰にも負けないプロフェッショナルな仕事ができる、という強い気持ちがあるのではないか。そして、未来のスノーボード・ショップの1つの形がここにあるような気がするのだ。

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