ワンメイク・キング/ケビン・サンサローン(3)

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Interview & Text by Fusaki Iida

スノーボーダーとして元気がないあなた
最近、「チャレンジ」や「楽しむ」こと忘れていませんか?
そんなあなたにぜひ読んでほしい
「ワンメイク・キング」ケビン・サンサローンのインタビュー

 

3年前のXゲームでのビッグ・エア。見事、ピーター・ラインを破って優勝したケビン・サンサローン。一見、最近出て来たライダーのように思われるが、彼のプロ歴がひじょうに長い。そんなケビン・サンサローンが本誌のために、プロとして生き方、またスノーボーダーとしてのアドバイスをしてくれた。読むとなんだか知らないけど、スノーボーダーに必要なエネルギーが生まれてくる! そんな必見インタビューだ。

??いよいよシーズン到来だけど、今期はどんな活動をしていく予定?
ケビン・サンサローン(以下ケビン)/大会に関しては、Xゲームやシムスのワールド・チャンピオンシップなどの大きい大会に絞って参加しようと思っている。後は、ビデオでよりインパクトを与える映像を残すために、撮影の方も大事にしていきたいね。昨年は大会やビデオ撮影でとにかく忙しかったから、今年はもっとホームであるウィスラーにいれたらと思っているんだ。なんてたってウィスラーは、スノーボーダーにとって世界中でもっとも素晴らしい場所だからね。

??今年は日本に来る予定はないの?
ケビン/日本へのトリップは自分の中でも最高の位置を占めているんだ。だから、今年も絶対に行きたい。スロープ・スタイル大会やSBJ(スノーボード展示会)。今年もビデオ撮影のメンバーといっしょに、日本の素晴らしい山を滑るのを楽しみにしているよ。とにかく日本へのトリップは、本当にベストなんだ。グッドな人々、パウダー、展示会への参加、最高な大会。僕のスノーボード・ライフは日本抜きには考えられないよ。ところで、今年の展示会っていつなの?

??確か2月20日から22日じゃなかったかな。
ケビン/そうか。ぜひ、来年もスケジュール合わせて行くよ。昨年はサイン会やった
時にもの凄い列ができて、大盛況だったよ。僕以外にもオプション・ティームの仲間
が参加してさ。

??何かサインする時ってメッセージ書いてあげるの?
ケビン/Have a great season! (良いシーズンを!)、See you on the hill!(山の上でまた会おう!)とか。特に何を書いていいかわからないから困ってしまうよ。だけど、みんながもらってよかったなあ、と思ってもらえるようきちんと丁寧に書いているよ。誰とは言わないけど、よく汚い言葉を書くライダーもいるでしょ? 日本人英語わからないから、イタズラしてしまえ!って感じで「大きなマ○コとか」とんでもないこと書いているよね。僕はさすがにそういったことはできないよ。

??結構、日本人の若者も半分冗談と受け取って、喜んでいる感じもあるよね。外人なんかがあんなサイン見たら怒ってしまうのだろうけど。ところで、日本の山ではどこが好きなの?
ケビン/難しい質問だなあ。やっぱり北海道かなあ。だけど、昨年スロープ・スタイルした白馬も捨て難いよね。ところで、北海道と白馬ってどっちが東京に近いんだっけ?

??えっ、ケビンはメチャクチャ土地感ないんだなあ(笑)。北海道は北島だから、凄い遠いんだよ。だけど、北海道は飛行機使って、白馬だと車とかだから、以外と時間的には同じぐらいになるかも。
ケビン/そう言えば、白馬行った時には、夜、車に揺られながら行って結構な時間かかったような気がしたなあ。グーグー寝てしまったからよくわからないけど(笑)。

(インタビュー中ここでケビンはシーザーのドリンクをウエイトレスに頼む)

??ケビンはシーザーが好きなんだね。
うん、だけどこのセロリは好きじゃないんだ。(ウエイトレスに)今度はセロリ入れないでいいよ。このシーザーってアルコール入っていなんだ。

??えっ、そうなんだ。やっぱり大会とか出るからアルコール飲まないように気にしているの?
ケビン/うん、それはあるね。でも、友達とかの誕生日とか何かのお祝いごとがある時は、若い時のように結構、飲んでしまうけどね。ただ、二日酔いになるのが、とっても嫌なんだ。

??そう言えば、ケビンは日本食レストランによく行くらしいけど、どんなものが一番好き?
ケビン/カナダで食べられるスシとか好きだけど、日本に行ったら麺類が好きだね。

??なかなかシブイとこ突くなあ(笑)。だけど、いつも必ず枝豆をオーダーするよね。
ケビン/もちろん。そして、必ず温かいままで出してもらうんだ。それはもう枝豆のキホン(笑)!

??日本に来て、これはさすがにビックリしたという食べ物はない?
ケビン/魚の生き作りを食べるとか前もった知識があったから、それほどでもないけど。ホテルのバフェで朝から、いろいろなもん食べるのはビックリしたなあ。普通、僕たちカナダ人だと、朝はシリオに牛乳というのが一般的だから。ところが、日本人と来たら、朝から魚だのなんだかよくわからないものをたくさん食べるんだからね。

??日本人の女の子はどう思う?
ケビン/うーん、特に日本人だからというのはないなあ。何人かの日本人女性も知っているけど。キーホール(注:本誌のインタビュー記事で活躍する女性フリーライター)には、いろいろ世話になったなあ。彼女は以前メーカーに勤めていたから、通訳を含めいろいろ面倒になったし。彼女が最初に知り合った日本人女性で、いろいろ面倒見てもらってとても感謝しているよ。キーホールは、とてもクールだね。まあ、とにかく特に好みの女の子というのはないよ。いろいろなタイプの子が好きだよ。日本人の子はだいたいのケースでシャイだから、なかなかコミュニケーションが難しい
けどね。

??今、彼女はいるの?
ケビン/残念ながら2年間なし! 多少は頑張ってみつけようとは努力しているけどね(笑)。

??ケビンにとって日本の雑誌に出ることは、どういう意味を持つの?
ケビン/とてもクールなことだよ。何より、日本が大好きだし、自分とは違う文化の国で僕が登場するなんて、とても素晴らしいことだよね。それに僕のスポンサーにとっても、日本のマーケットというのは大事な意味を持っているから。プロとしても日本での活動はとても大事だと思っている。

??ところで、今はどんなトリックをやっているの?
ケビン/今年の夏はハンドレールばっかり。冬になったらスノーモービル使って、大きなジャンプ台を作るよ。そこでは、いろいろなトリックをやる。スピンとかスイッチからのトリックからとにかくいろいろなんでもやる。特にハマッているという技はなし。

??ケビンがハンドレールを始めると、全然終わらないよね。撮影していて、次のやってくれないから困るんだけど(笑)。
ケビン/もちろん! 完璧にできるまで次に行っちゃいけないんだよ(笑)。

??できるまで。ネバー・ギブアップの精神だね。
ケビン/その通り。2日前にバンクーバーの町でどっからか持って来た雪でハンドレールをやったんだ。それは、最初の階段の9段キンク(斜めに落ちていて)で、そこから数メートル平ら、さらに9段キンクしているという難しいもの。何度も転んで全身傷だらけになったけど、それでもできるまでやるんだ。とにかくメイクするまでやったよ。

??しかし、なんでそんな痛い思いしてまでレールやらなきゃいけないの?
ケビン/だって、その映像を見た人が、「凄い!」と思ってくれるだろ。それが大切なんだよ。こういったチャレンジは大好きだよ。

??そもそもレールの楽しさって何だろ?
ケビン/難しいことへのチャレンジ。それが楽しいね。その他の理由として、例えば僕がスケートボードでレールにトライした時、とても難しくてできなようなトリックがあるだろ。だけど、スノーボードならその難しいトリックを可能にしてくれるんだ。つまり、僕がやりたくてもできなかったスケートのレール技が、スノーボードならできる、というとこが大きな魅力の一つだね。

??ケビンはマウンテン・バイクの方としても、有名なプロだけどそちらの方は最近どう?
ケビン/ここ2、3年間バイクのプロとして、撮影や大会に参加したけど、昨年、足首をケガしてしまって。それからは、もう無理しないようにしてエンジョイするだけにしている。だって、僕の本職はプロ・スノーボーダーだろ。だから、そちらの方面で自分をプッシュして、みんなから喜ばれるパフォーマンスをしたいんだ。

??スノーボード人生において、影響を与えたライダーって誰?
ケビン/有名どころでは、ケイル・スティーブン、ヨニ・マニネンとか。その他若手のライダーとか、とにかくたくさんいるよ。特に有名ライダーとかじゃないけど、僕の周りには素晴らしいライダーたちがたくさんいるんだ。普段は別の仕事していて、山に行くととても凄いライディングをする連中。彼らは別に撮影とかの仕事に興味ないから、他の仕事をしながら純粋のスノーボードを楽しんでいる。そういうのもとてもクールだと思うな。すべての友達が僕にいい影響を及ぼしているね。気に入ったライダーとしては、チャド・オードストラム、ユーシー・オキサネン。彼らはすべて素晴らしいライダーで、ナイス・ガイだよ。

??見る方で、好きなスポーツってある?
ケビン/特にないかな。カナダではホッケー好きも多いけど、僕はそれほど見たいとは思わない。とにかく見るより、やる方が好きなんだ。特に見る方で、おもしろくないのはスノーボードやスケートの大会。だって、自分が出たくなってウズウズしたくなるだけなんだから。今だって、自分がエントリーしていない大会の場所にいた時は、スネークして勝手に入っちゃうんだから(笑)。

??おっ、それは主催者、逆に喜んだりして(笑)。ところで、オリンピックに関しては、どう思う?
ケビン/僕には今のところ縁がないものだから。だけど、ワンメイクやスロープ・スタイルが種目になるようだったら、ぜひ出たいよね。今までXゲームの金メダルとかいだたいたこともあるけど、オリンピックの金となるとまた違ったとてもつもないパワーがあるからね。

??今までに大きなケガをしたことってある?
ケビン/凄い大昔に肋骨を折ったことがある。肋骨が折れて、背中の方まで来てしまったんだ。それは結構ビッグ・ワンだったね。後は、昨年やったマウンテンバイクのケガ。

??ワンメイク・ジャンプのアドバイスをしてほしいのだけど。
ケヒン/とにかく最初は小さいのからやること。何度もやってカンファタブル(居心地がいい)になったら、次の大きさのモノをやっていくこと。

??これからオプションとは、どう関わっていくの?
ケビン/オプションとは一生付き合っていきたい。イメージだけに捕らわれずに、とてもいいボードを作ってくれるだろ。その確かなエネルギーが、今日みんなから喜ばれるボードを作ってくれていると思うんだ。それにライダーからの意見もきちんと聞いてくれて、その意見を聞いて素晴らしいボード・デザイナーがいい仕事してくれるからね。

??ところで、今までにいろいろな人をインタビューしたけど、中には乱暴者もいて、きちんと相手のことを理解しないで自分勝手に話す人もいたんだ。だけどケビンってひじょうに思いやりがあるよね。そんなナイス・パーソンのケビンって宗教か何かやっているの?
ケビン/いや、今はやっていないよ。だけど、子供の時にはよく教会に行っていて、その頃は牧師さんになりたいと思っていたんだ。11歳の時だね。

??本当!?
ケビン/今ではとても考えられないことだけど(笑)。スケートやったりマウンテンバイクやったり、常に暴れているわけだからね。だけど、それはただスポーツなわけだから。一見、牧師さんとは離れてしまったけど、やっていることはそんなに離れているとは思わないよ。時々、パーティでハメを外すことだってあるけど、だけど人に迷惑をかけないとか、あたり前のようなモラルは子供の頃に学んだんじゃないかな。

??そういうケビンの心をサポートしてくれやのは誰?
ケビン/友達。それと、やはり両親の力が大きい。彼らが温かい目で僕を見守ってくれたから、今の自分があるんだ。人との接し方、リスペクト(尊兄)の大切さ、正しい食事についてとか、いろいろなことを学んだ。両親には、本当に感謝しているよ。

??兄弟は?
ケビン/お兄さんが一人。警察官でランボーのようなことをやっているよ。

??最後に読者へのメッセージをお願い
ケビン/スノーボードを楽しんでほしい。例えばプロになった時とか、その仕事を楽しめることってとても大切だと思うんだ。プロになることがいいってことじゃないよ。僕の周りにもたくさんプロでない素晴らしいライダーたちがいるけど、やはりスノーボードを楽しむことってキホンだと思うんだ。それと、いつも温かい目で応援してくれて、ありがとう。今度の冬も必ず日本に行くよ。そして、今度はぜひこのスノーボーダー誌でカッコいいハウツーやるからよろしくね。

●このインタビューはSnowBoader誌01-02Vol.5号にて掲載されました。

 

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