ノリノリのカンジ先生に絶好調の秘訣を聞く/田島寛之(2)

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長年スノーボードをやっていると、なかなか大きな飛躍を望むことができないが、努力家のカンジは、今年もライダーとして急成長している。さらに専門誌での大きな扱いでの登場に加え、ビデオ出演などここ1年は飛躍的な年となった。そんなノリノリ男のカンジに迫り、絶好調の秘訣を伺ったぞ。

フサキ(以下F):最近、雑誌掲載を始め、なんだか遂にノリに乗って来た感じだけど、今の気持ちは?
カンジ(以下K):ありがとうございます。フサキさんと、コーヒー屋で今後の僕についての方向性についてのミーティングしてくれたこと覚えてますか? あの時から考えると、ここまでほぼ最短距離で来れたと思います。自分も最大限に頑張りましたが、周りの人に助けられたからここまで来れたと思います。フサキさんには本当にいつも助けてもらいっぱなしだし。今年、ヨシっていうビデオカメラマンといっしょに日本で撮影する機会が多かったのですが、とても厳しくって、その中で成長できたと思うし、たくさん勉強もさせてもらいました。もちろんメインスポンサーのHAMMERのおかげで今の僕があると思います。他にも今回720のシークエンスを撮影してくれたSnowBoarder誌の岩田さん、SMJの松本さん、CCC Desighnの佐藤さんには本当に感謝してます。まだまだですが、少しは恩返しができたかな、とほっとしています。
雑誌にエアーの写真が掲載されたことは素直に嬉しかったです。何度も読み返してしまいました。きっと凄いことのような気はしていますが、もう少し時間が経つとさらに実感が湧いてくるのかなって感じです。ただ、今がスタートラインだと思ってます。まだまだ、うまくならなきゃならないし、やっぱり、HAMMERで自分が開発に関わっているAMBISHシリーズの板がもっと売れるように頑張りたいですね。本当乗りやすいので、みんなに乗ってほしいですね。

F:AMBISHシリーズの特徴は?
K:まず、HAMMER唯一の特徴でもあるSK8コア(木を水平に積み重ねてあります)が木本来のしなりと、反発を最大限に発揮させてくれます。オーリーするとわかりますが、気持ち良く反発してくれます。フレックス、トーションは日本人の平均的な体型に焦点を絞って、乗りやすさ、扱いやすさをテーマにしました。その中でも高速安定性を損なわないように設計してあり、特にストーレート・エアーや、高速フリーランで威力を発揮してくれます。対象はスーパー・オールラウンドです。この板でパウダーからジビングまで全て問題なく楽しめます。
また、自分で板に力を加えた分だけ反応してくれるのでどんどん板の扱いがうまくなります。カービングの壁、ジャンプの壁にぶつかって伸び悩んでいる人に上達のきっかけをあたえてくれると思います。

F:なるほど、いい板だね。ところで、ずっとスノーボードの歴史を見て来たけど、今の時代は遅咲きのライダーというのはあまりいないと思う。その点、どう考えている?
K:そうですね。今は15歳前後で世界の舞台に出て来る時代ですし、若い子たちがほんとにうまいですよね。僕は28歳だから、彼等の約2倍だから、ほんと遅咲きって感じですね。
でも僕は19歳でスノーボードに出会って、本格的に山に篭り始めたのは22歳の頃なので、スタートラインが遅かったのが大きく関係していると思います。別に、イケイケなワケけでもないし、大会をまわったこともないし、メディアへのつながりもなかったと思います。ただ純粋にうまくなることを追求してきましたから。

F:世間並に考えれば、そろそろ将来のことをきちんと考えて行かないといけないという年齢だけど、今後カンジはスノーボード界、またスノーボードとは関係なく将来のこととかは、どう考えているの?
K:やっぱりそうきますか?こういう質問多いんですよね、最近。友達や親戚と話すとよく聞かれるんですけど、いつも次の目標を達成することしか考えてないって答えちゃいます。基本的には、本当にそうだし、いつも目標たてて、それ超えたらまたすぐ次の目標って感じだから、息つく暇がないことが多いです。でも、ふと時間があくと、いろいろ考えます。でもやっぱりこの業界で関わって行く事を前提にしています。そうするために頑張っているような気もしますし。今はそれを抜きに将来の事考えられないですね。もし目標をあきらめなきゃいけない時がきたら、その時の自分がまた新しく目標を見つけるまでとことん悩むと思います。
でも今もしスノーボードしてなかったら、きっとカナダに移民するために専門学校通って必死に勉強しながら、それでもやっぱり先が見えなくて悩んでいたと思います。色々な国にいったけど、やっぱりカナダはいいんですよ。フサキさんがうらやましいですもん。カナダにいると伸び伸びと人間らしくいられるんです。やっぱり将来はカナダに住みたいなあって思います。

F:ともかく与えられたチャンスをどんどんモノにして行くしかないだろうね。無責任な発言かもしれないけど、オレのカンだとカンジなら食って行けると思う。なんかカンジにはそういうエネルギーというかオーラを感じるから。
K:はい、今の僕にできるのは、まさにそういうことだと思っています。千里の道も一歩からって感じで、一歩一歩確実に、前進あるのみですね。とにかく今後、人間的にもっともっと成長して周りから認めてもらえる存在になって行こうと思います。今はやっぱり次の一年を人生最高の一年にすることしか考えてませんね。頑張ります!

F:最近、カンジが目指しているライディングやチャレンジしていることは?
K:今までもこれからも、うまくなるためには周りに負けない努力しかないと思っています。自分にシビアになれるのが僕の才能だと思うので、これからも自分に厳しく、誰にも負けない努力をし続けます。
最近は自分の中にスピードメーターを作ることを意識しています。アプローチの斜度、雪質、リップと着地点の落差、キッカーのサイズを見て1発目から距離をあわせられるようにというのと、バックカントリーでクリフを飛ぶときに少しでもスピードと飛距離を計算して安全な着地点に着地できるように、と2つの目的でやっています。
もちろん経験を重ねて、少しづつメーターを精密にして行くしかないと思ってます。あとは、世界のビッグネームの共通点である、キャブ900の完成を目指してます。まだまだですけど。確実に近づいてます。

F:今年の春見ていて、720の完成度が上がっているように見受けられたけど、その要因は?
K:ありがとうございます。たぶん今年の冬の撮影を通して、全体的に集中力の高め方がうまくなったことが大きいと思います。あとは抜けは前からほとんど変わってないと思いますが、回数をこなして行くと空中で余裕がでてくるので、スタイルにまで意識が行き届くようになってきたと思ってます。イメトレでも、抜けよりも、空中姿勢のほうを意識してますし。あとは得意な技なので自信を持ってトライできるようになったこともあると思います。できるようになった技はどんどん練習してさらに完成度を上げて行く必要がある、と思います。だから他の技も回数をこなして全部を得意技にしたいです。

F:ところで、いつもdmkのみんなはカンジ先生のハウツー・コメント期待してしまうのだけど、何か上達に大切なことをアドバイスをお願いします。
K:僕も教えながら、みなさんの反応をみて勉強させてもらってます。こういった経験を元に雑誌でのハウツー企画に役立てたい、と思っていますので。
(注:カンジ先生のスピン系ハウツーは、SnowBoader誌から登場決定! この冬も9月から毎月6日に発売される)
今はオフなので、今できることで直接冬に効果が出るようなことがいいですよね。まず、ギアの面で言うとカスタムインソールを作ることでブーツを履いたときの感覚が全く変わります。
あとは足首の柔軟、スネ、ふくらはぎのトレーニングでボードをヒザから下で微妙にコントロールできるようになります。お風呂やプールなどで足首をぐるぐるとゆっくり回すと効果的です。うまくいっていれば、すねが筋肉痛になるはずです。それと板もかたい板よりも少しやわらかめの板に乗って、板をねじってすべる事を覚えるとすべり、飛びともに変わってきます。カービングがある程度できるようになったら、ずっとテールプレスしながらリラックスして滑る練習をしてみて下さい。いつでも、パウダーランしてるように滑るって感じです。でも力まないで。慣れてきたら、プレスに強弱をつけたり、プレスを開放して反発させたりと、いろいろと試してください。どんどん滑りの幅が広がると思います。
(注:板のねじりを使うことで、有効な回転技ができるハウツーは、浪人2のカンジ先生のコーナーでも紹介)

F:カンジと話をしていると、さすがに他のライダーをよく見ていると思うのだけど、最近、熱いライダーって誰だと思う?
K:女の子ではやっぱり天池(いずみ)さん、男が立場なくなるくらいうまいです。男はデビッド・べネディックですね。昔のピーターラインのような存在になりそうな気がします。生で滑りを見た中では、日本人なら、中井(孝治)くんですね。スタイル、メイク率共に日本人のトップだと思います。しかも若いし。

F:これからフランスに行くということだけど、向こうに行ったらどんなことをしたい?
K:まず、フランスパンをいっぱい食べて、チーズフォンデュも食べたいです。おいしいワインも飲みたいです。あっ、もちろん仕事で行くのできっちり仕事した後にですよ。
あとは3月に会ったティーム・マネージャーや、ライダーたちとまた会えるのが楽しみです。ヨーロッパの文化、フランスの建物とかに興味があるので何かしら影響うけて、また新しい価値観が生まれてくれたら良いですね。

F:下世話な話題だけど、カンジは男前でナイスガイなのに、何で彼女はいないの?
K:ははは、別にナイスガイじゃないですよ。むしろ3枚目で通ってますよ。みんなといる時は結構バカにされてばっかりですし。でもそういう方が気楽で、ちょっと演じてる部分もありますね。で、彼女は1年に一回くらいできるんですよ。でもあんまし続かないんです。離れてる時間が長くってだめになったり、忙しくって相手の我がまま聞いてあげられなかったり、時には優し過ぎて、ふられたり。いつも本当の意味で心を許すまではいたりませんね。結構、信頼するまでに時間がかかるので、好きになるのにも時間がかかります。でも恋愛して終わる度に色々考えて人間として成長できるので、こりずに前に進みますよ。

F:今シーズンの目標を。
K:去年でれなかったニッポンオープン等のビッグエアのイベントに出る事と、出るからには勝ちに行きます。バックカントリでも映像や写真を残すことです。あとは、HAMMERのイメージをよくする事です。

F:最後にdmkのみんなに一言お願い。
K:今年はdmkキャンプに参加できて本とに楽しかったです。日本に帰ったら陸トレに参加したいと思います。よろしくお願いします。もしよかったら、SnowBoader誌VOL.1(カタログ号)で僕を見て下さい。

●インタビュー後記
スノーボードを始めたのは遅かったけど、確実に成長しているカンジ。ライダーとしての実力アップ、その他、メーカーの仕事、さらには雑誌でのハウツーの仕事、浪人でのハウツー仕事など多方面でその才能を見せて行く。新しいことをやるには、とかくストレスが貯まったり、壁にぶつかりそうなものだけど、そういったネガティブな印象はまったくなく、カンジから漂う風は常に華やかだ。このインタビューを通して改めてそういったカンジのプラス思考が見え、これから先もこの業界で活躍して行く予感がビシビシ伝わった。頑張れカンジ!

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