コブ滑りの伝道師トップDEMO/稲川光伸

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interview by Fusaki

スノーボードの幅広い技術を持ち、その技術を多くの人に伝えて行くデモンストレーター。その中にあってコブの滑りの楽しさをいち早く発見し、その魅力をたくさんのスノーボーダーに伝えて来たのは、今回登場する稲川光伸デモだ。dmkの春キャンプのコーチとしてもお馴染みの存在である。
長年トップ・デモとして活躍するために行っている練習方法、コブの魅力や滑走方法、さらにはこれからキャンプに参加する人たちへのメッセージもいただいた必見インタビューだ。

スノーボードには様々な種類のプロがいますが、稲川さんがデモになろうと思ったきっかけは何だったのですか?
スノーボード 1年目にワンメイク大会で優勝してから、プロを目指しトレーニングしてきました。しかし、2年目のシーズン半ばに軽くケガ我をしてしまい大会にも出場できなくなったので、何かできること、目標がないとつまらないな~と思っていました。それで専門誌を見ていたら「バッジテストに挑戦!」があり、「これなら今シーズンやれそうかな~と思って挑戦してみました。結果、とんとんと1級まで合格し、スクールでイントラをしながらA級までスムースに取れました。と気付いたらテク選に出場していて、「滑走技術」オタクになっていたのです。追求していった結果、DEMOになれました。

実際にデモになって楽しかったこと、また辛かったことは?
楽しかったことは、全国各地にスノーボード仲間が増えたこと。辛かったことは、テク選で上位をキープすることが、ちーと辛いかな・・・。

テク選も年々進化して行くと思うのですが、稲川さんが上位をキープするにあたり、心がけたこと。練習したことは何ですか?
毎年テク選対策には考えさせられますが、とにかく本番で「自分の滑り」を表現することだけに集中するように心がけています。誰かを意識するわけでもなく、とにかく自分の滑りしか考えていません。結果は成るように成りますので、良くても、悪くても、自分の滑りに集中します。種目の練習は、たくさん時間をかけてトレーニングしたいのですが、残念ながらそんな時間は全くなく、ほぼイメージトレーニングとゲレンデからゲレンデへの移動時間で仕上げていきます。だから、ちょっと大変なのですね・・・・

ここ数年で検定でもフリースタイル的な種目も増えて来ましたが、これからのデモの方向はどう行くと思いますか?
今まで「フリースタイル的」な傾向が強い種目設定になってきましたが、今シーズンの種目は展開系のものが復活してきました。フリースタイル要素から、より運動要素へと総合滑走能力が求められて来たのです。これからは、フリースタイル要素も取り入れ、 DEMOとしてふさわしい「総合滑走技術」が主流になっていくのではないのでしょうか。
原点でもある基礎種目がベースにあり、そこから色づけして新しいスタイルが生まれてくることでしょう。「飛び」「滑り」など、個々のライダーのスタイルが重要視される時代になってくることでしょう。

稲川さんと言うと、コブの楽しさをいち早く多くのスノーボーダーに伝えた人、という印象があるのですが、コブの魅力というのはどのへんにありますか?
「達成感」に尽きます。コブの表情は、どれをみても同じものなど存在せず、また常に変化しつつけています。一つのコブラインにおいて確実に雪面コンタクトをキープしながら攻略に挑まなければなりません。そんな気まぐれなコブの表情に対して、常に雪面との対話を求めていかなければ攻略はありえません。雪面に対してコミュニケーションをとり続けることが攻略への鍵となり、やがて「達成感」を生み出すのです。コブは、誰からも干渉されることなく、自分自身で挑戦できます。最終的に「攻略」は、「達成感」となり、そんな「至福」の瞬間が最大の魅力でしょう。

「フロントサイドをズラすのが難しい」くてコブを苦戦する人が多いと思いますが、そんな人にアドバイスを送るとしたら?
そうですね。コブラインでオーバースピードになりラインアウトしてしまう人の大半がフロントサイドのズレを作れない傾向にあります。バックサイドは胸の向きが自然にフォールラインを向くためズレを作りやすいのですが、フロントサイドは胸の向きが山側を向いてしまうため、ズレが発生しにくくなってしまいます。ズレをつくるには、体と脚とのひねり(逆ひねり)を大きく作らなければなりません。ですので、雑巾を絞るように腰を支点にして大きめの逆ローテーションを意識することが大切です、結果、胸の向きはフォールライン方向、後ろ足はフォールライン方向への押し出しのボディーポジションが作られます。

あとコブの滑走で注意すべき点は?
コブの技術は特殊な技術ですので、コブ専用の基礎技術をマスターすることが上達の早道です。
起伏の連続ですので、吸収動作を必ず行うこと。なによりも、目線を落とさず、先のコブ2つ、3つ先を見ることです。 その他のくわしい内容ですが、実は企業秘密なのでキャンプでしか入手できないのですが・・・、 今回はこそっと少しだけお教えいたします。
まず、コブ斜面のラインを考えると、横方向への進行というよりは、フォールラインにそって進行するという性質を持っているということです。だから横のスペースにターンするという発想ではなく、フォールラインそって落ちていくという発想に変えなければなりません。そこで、重要なのが「ターンしない先落とし」をマスターすることです。これは、おそらくこれまでにやったことがない感覚の技術で、多少難しさはありますが、必ずマスターしたい技術です。コブ攻略の明暗を分けるといっても過言ではありません。
続いて、ボディ・ポジションをコブ専用のものにフォーミングしていかなければなりません。コブ斜面では、無駄な動きが攻略の妨げになるので、よりシンプルに、より効率的な構え、動きが必要となるのです。これは、意識さえすれば簡単にマスターできると思います。次の段階から先にもまだまだありますが、そこはキャンプで指導させていただきます。お楽しみに!
このような基本となる技術を整地でトレーニング。それからコブに入っていくのです。元祖コブキャンプでの実績がみなさんの上達を約束いたします!

コブがうまい方はスノーボーディングがうまい方だと思うのですが、稲川さんの普段の滑りでは、パイプやパークなどで楽しむことが多いのですか?
はい!普段でもパークやパイプにはいりますよ!レールや BOXでこすったりもしています。パークやパイプは楽しいですよね~。YKKスノーパークがお気に入りです。擦り過ぎで、エッジがやばい・・・。

これからスノーボード業界の中でどんな活動をして行きたいですか?
スクールとキャンプを通じてスノーボードの普及活動は当然のことなのですが、みなさんとコミュニケーションをとりながら、スノーボードの本当の楽しみ方を伝えて、生涯スポーツとしての位置づけを提案していきたいと思っています。もちろん、「コブ」は、相変わらずのスタイルで、伝えまくりたいと思います。特に、「まだまだシーズンは長いです!初夏まで滑ろう! Super Bumps in月山!」は、我々のスタイルの象徴なのでさらに充実させていきたいと思っています。

自身のスノーボーダーとしての目標は?
みなさまからの要望に応えられるように技術レベルは、確実に毎年グレードアップさせていきます。また、常に話題性をもったスノーボーダーが目標。でも、最終的には、全ての仲間たちといっしょに純粋に楽しめるスノーボーダーになりたいな。

ところで、dmkクラブのメンバーってどんなイメージですか?
とにかくアクティブで、好奇心旺盛!って感じですね。 見ていると、純粋にスノーボードが好きで、うまくなりたい!楽しい!と感情が伝わってきます。素晴らしい仲間たちですね!

今シーズン、コブラーキャンプに参加するみんなにメッセージを!
とにかく、コブに入りましょう! みんな始めは、誰でも七転八起。 きっかけは、好奇心からです! 心配ありません!最後まできっちり導きますので任せてください!

最後に稲川さんの夢を教えてください。
夢は、ずっとスノーボードに携わっていきながら、仲間たちと楽しく過ごして生きたいです。


稲川光伸プロフィール

1973年10月22日生まれ
新潟県出身
スタンス情報:レギュラー、前24°後0°、セットバック19mm

SPONSORS:OGASAKA、DEE LUXE、FLUX BINDINGS、SOS、WACOL CW-X、Snoman、HESTRA、WEPS、HWK、Conquest、CONVERT、全日本ウインタースポーツ専門学校、国際美容外科、ナースログ、アイ工房、ホールドアウト、カロリーメイト、キットカット、ほてる千家

ホームゲレンデ:赤倉温泉スキー場、月山スキー場

ポジション
JSBA 4、5、6期デモンストレーター(3期連続)
Office inagawa代表
JSBA公認 Growing Project 赤倉温泉スノーボードスクール代表
JWSC 全日本ウインタースポーツ専門学校 講師
JSBA A級インストラクター
JSBA A級 検定員

出版物: 成美堂出版「DVDでみるみる上達スノーボードテクニック」 著者 稲川光伸

 

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