カナダ滞在一年後初インタビュー/田中“IHIGO”総一郎

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初めて1号に会ったのは、シーズン前、ウィスラーにあるジムだ。今までずっと日本でやっていた印象だったライダーの1号が、ウィスラーで1シーズン篭ると聞いた時、何か大きな覚悟を持ってやって来たに違いないと思った。あれから1号はバックカントリーで多くの撮影の経験をし、きっと大きくなったに違いない。そして、夏。そんな1号と今回雑誌の仕事でいっしょにできる機会ができ、その中で僕は彼の魅力に導かれてインタビューすることになった。

フサキ(以下F):今まで日本やヨーロッパ、アメリカ、ニュージーランド、各山に篭った1号くんだけど、カナダに来ようと思った目的は?
1号(以下1):カナダのビデオのフッテージを見ていて、日本と違う環境があって、その場所に行ってみたかったから。30歳をえてからじゃいけないと思ったし、自分の感で行くなら今しかないと思い、来てしまったという感じです。

F:実際にカナダに来てどうだった?
1:全然環境が違いますね。日本は日本でいいんだけど、カナダのバックカントリーに関してはロケーションもいっぱいあるし、スノーモービルも普及してるし、スティープだし、山の形も違いますね。日本だと1つの山があるだけという感じだけど、こっちはロッキー山脈の険しい岩の形状が、様々な地形を生み出していて、クリフもたくさんある。

F:こっちでトップでやってるデバン(ウォルッシュ)とかといっしょに滑ったことはいい経験だった?
1:そうですね、いい刺激になった。生でいろいろなライダーも見ることができたし。
デバンたちがやってるロードギャップがあるんですけど、それより大きいギャップを挑戦するときデバンといっしょにいて、クリス・ブラウンとディオン(?下の名前)といて、デバンしか飛ばなかったけど、彼は結構緊張してて、3回トライしたうち最初の2回は失敗して、最後はメイクしてました。
僕は心の準備とかできてなかったので、ただ見てただけでした。いきなりでとべなかった。

F:バックカントリーの撮影をやるやらないの基準をどうやって決めているの?
1:フィーリングだと思います。できると思ったらできるし、無理だなあ、と思ったらかなり危ないし。それと、撮影するところが安全なところと確認できるところでするし、雪の状態がいいところでします。万が一転んでも最大限安全が確保されそうなところでします。

F:今年がウィスラーのバックカントリー初経験なんだけど、難しいと思うところはどこ?
1:最初に難しいと思ったのは、スノーモービルですね。特にパウダーの日ですね。パウダーの時は逆ハンドルを切らないといけないし、スピードが遅すぎると埋まってスタックしたり。掘り起こすのに30分くらいかかってそれを連続で5回ぐらい一日にやってしまったこともあります。

F:うそー、そんなにかかるの!そうなるとみんなに迷惑とかかかっちゃうの?
1:そうですね、置いて行かれることももあるし、誰かが助けてくれることもありますね。あんまりそんなことしてると連れってくれなくなっちゃうと思うんですよ(笑)。スノーモービルでみんなについていくスキルがないと撮影にいけないから、最初の方はスノーボードを持ってスノーモービルを練習をしにいったんですけど、あまりにも難しいことがわかって、板とかをもって行かずにスノーモービルを練習してましたね。みんな(注:布施忠やカメラマンのDICE-K MARUなど)うまいから、新しいところ撮影ポイントを探すためにどんどん奥に行くんです。それに付いて行くためには、スノーモービルの練習を先にしないといけない、と痛感したんです。

F:カナダに来る前の1号くんとカナダに来て1年後の1号くんとの違いは?
1:初めてスノーボードに筋肉が必要だってことがわかったかな。ランディングで耐える時の筋力も必要だけど、まずスノーモービルを準備するのに力がいりますね。重さが300キロぐらいあるんです。スノーモービルに関しては力ずくなんですよね、準備するのって。あと、スロープがスティープすぎるとスノーモービルじゃ登れないからポイントまで行くのにハイクするしかないんですよ。バックカントリーは飛ぶまでに体力使うところが多いですね。

F:女の子とかいけないね?
1:あんまりいないですね。いても誰かがケアするか、その子が凄い練習して慣れている人ですね。でもかなり、モービルうまい子も確かにいるし、スノーボードもってあがってる人もいます。

F:大変な世界だなあ。朝、4時に起きるっていってたけど、いつもどんなルーティーンなの?
1:朝の4時に起きて、ストレッチに1時間ぐらいやって目を覚まし、それから朝ご飯を食べて、7時ぐらいに家を出てますね。途中ガソリンスタンドに寄ってスノーモービルのガソリンを入れて、またランチも買って。山には早くて7時半ぐらいについて、それからそれからポイントにスノーモービルで1時間ぐらい登って、でも天気とかによっては何もできない日があって、そういう日はポイントを探すだけ探したり、スノーモービルで遊んだり。

F:今年はたくさんいい絵は撮れたかな?
1:マルさんとかがいたから、いい絵が撮れた方だと思います。単独だったら、あまり絵を残せなかったと思うし、マルさんと出会えて良かったり、またいろいろなことを学べて本当に良かった。

F:もともとよくマルくんのことは知ってたの?
1:いや、ほとんど知らなくって、お互い一回あったかなーって感じでした。たまたま元SNOWing誌のダイゴくんと夏遊んでいて、もしカナダに行く気だったら紹介してあげるってことで、マルさんを紹介してもらったんですよ。

F:ところで1号くんのスタンスはあまり振ってないけど、どんなふうに決めたスタンスなの? 確か忠くん(布施)も似たようなスタンスだったけど、バックカントリーとかで威力発揮するスタンスなのかな?
1:前はもっと両方角度を付けていたけど、徐々に減ってきて今のスタンスになってます。ダックスタンスになる前は、前を27度とか振っていて、それのなごりでダックになっても前を結構振っていたと思います。でも、動きが制限されてる気がしたりしたので徐々に狭めて今のスタンスです。後は、スイッチもレギュラーも同じように乗りたかったので同じ角度にしています。

F:自分の性格を分析するとどう?
1:基本的には適当です。

F:ハハ(笑)。だけど肝は座っているタイプだよね?
1:いや、そんなことないです。それを隠しているだけかも。

F:1号くんは昔からBURTONにいるけど、今では忠くん(布施)、中井くん(孝治)という強力なライダーが入って来た。どんな気持ち?
1:チーム的にはいいと思います。そこでちゃんと自分を残せれば、自分の道も残るし、だからいいんじゃないんですかね。

F:ナイス!憤ってないね。全然、プレッシャーはなし?
1:やることやんないとってのはいっしょだし、それでダメだったらダメでしょうがないですね。実力の世界ですからね。

F:今回BURTONがFORUMを買収した件に関しては、どう考えている?
1:よくわ分からないけど、すごいいろんな事がかわっていくとおもうし、何かの分岐点だと思う。予想することはできないけど、もの凄い大きな意味を持つと思う。

F:ライダーとして1号くん魅力はなんだと思う?
1:まったくわかんないですね。

F:来年は何したい?
1:スノーモービルがうまくいくまでに2月までかかったので、来年はシーズン初めからできるよにしたいですね。3月ぐらいからバックカントリーは、海外のフィルムチームがいっぱい来て混むんですよ。近場のやつをシーズン初めに撮って、3月くらいには奥の方にも行けるようになりたいですね。最初の頃はポイントが全然わかんなかったし、知識がまったくない状態だったので、今年は出だしからいい絵を残して行きたいです。

F:1号くんというとUKVっていうイメージがあるんだよね。今はどうゆうスタンスを取ってるの?
1:あのビデオは、他のビデオとは違うところを目指そうそしてあったから。
ちょっとスノーボードっぽくなかったところとか、カッコいいって思うものを純粋に作ろうってところがすきで一緒にやってました。でも、良くないところもいっぱいあったんですけど。

F:例えば?
1:カメラマンがあまりいなくって、あまり映像が良くなかったりとか、いろんな問題あったんですけど、結構あれは違う目標もあって、活動としてやっていこう考えもあって。ビデオクルーだけど、ビデオ・メインじゃなくてもいいし。
シムシティっていうゲーム(町を作るゲーム)みたいに自分たちでなんでも作れるようになったらいいなと。ビデオをつくるんだったら作るし、デザインするひととががいるし、自分たちでなんでもできるコミュニケーションをしっかり作ろうと。

F:それはUKVってゆうテーマ?
1:活動としてやる時に、ただビデオを作るっていったら簡単だけど、それは将来残るかどうかはわかんないから、もっと自分たちで何でも作れるようにするためのコミュニケーションをつくろうよ、て感じです。で、ビデオでデザインする人がいっぱいいたりとか、編集がうまい人がいたりとか、あと、音楽をやる人をまわりに集めたりとか、それで、今年はビデオでは活動してないんですけど、いろんなイベントとかをやったりしたりとか。

F:今年は1年間スタンスを置くようなことをいってたけど、UKVはスノーボードのビデオにこだわらずいろんなことをやっていくの?ビデオは出さない?
1:まだわかんないですね。

F:それじゃあ、1号くんの最新の滑りはどんなビデオで見れるの?
1:ファーストチルドレンにでる予定です。

F:今までファーストチルドレンとの接点はあったの?
1:なかったですね。今は、いろいろなビデオがでて、大きいのが分裂して小さいのがたくさんで来ている。自分も小さいところでやってたんですけど、スノーボードをみんなに伝えるんだったらもっと大きいところに出して行きたいってのがあって。

F:いろいろなビデオがたくさんでてきてるよね。
1:もともといた人が他のビデオに移ったりとか、みんな、いろいろ自分たちで作りたくて、どんどん分裂して増えていったんですよね。それはそれでいいと思うんですけどね。自分は、今回カナダに来ることもあったので、滑りに集中しようと思ってます。

F:それってカッコいい覚悟だね。今、自分で必要なのは滑りの向上ということだから。
1:何十年もできるってもんでないから、今できることをやっていきたいなあ、と。

F:1号のゴールはどこ?
1:今、いろいろ考えたりしたとかしているんですけど、イメージするだけに留まっていて、まだわかんないです。

F:1号くんの夢は?
1:遊んで暮らす!(笑)

●インタビュー後記
自分のカンを大切にして生きる。1号と話していると、そんな感じがした。1号は自分がどうあるべきかある種の閃きがあると、あまり(?)何も考えていないように行動しているようだ。だけど、その自分自身の気持ち対する素直な行動が、現在カナダでバックカントリーを攻めることのできるライダーとなった要因だろう。この夏もコンディション調整のため山に頻繁に来ていた1号。これから迎える冬に彼自身の決意を感じて、これからどのようにライダーとして羽ばたいて行くのか、ひじょうに楽しみである。

1号プロフィール
SPONSORS: BURTON、anon、SAGLIFE、BRICKS、UKV、PHAP
スタンス角度:前足6度、後ろ足マイナス6度
スタンス幅:53cm
(以下、ウエブサイト・アドレス)
http://www.ichigo15.com

 

 

 

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