ウィスラーのご意見番姉さんはカメラマン/ユウホ・セキハラ(2)

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元オプションのライダーと活躍し、現在はカメラマンとして活動をするユウホ・セキハラがゲスト。彼女は日本&カナダとのライダーたちの親交がひじょうに深いので、日本人とカナダ人ライダーたちの違いなどを聞いてみた。  

フサキ(以下F):まず、ユウホの簡単な自己紹介をしてほしいのだけど。
ユウホ(以下Y):プロを卒業して、今は周りの友達で頑張っているプロがいるから応援している。例えば、キャンプのコーチとして紹介したり、撮影して雑誌へ紹介したり。またツアーのオペレートなんかもやっている。

F:ユウホはいろいろなカナダと日本のスノーボード・シーン、そしてプロたちを見て来ているよね。そこで、日本のスノーボーダーに対して、カナダのいい部分をアドバイスしてほしい。
Y:日本のスノーボード、そして文化のことだけど、例えば「頑張って!」としか言わないんだよね。「楽しんで!」と言うことがない。英語だったら、「goingmountain(山に行くよ)」と言ったら「work hard(頑張って)」とは言わないんだよね。「have a fun(楽しんで)」と言う。それが大きな違い!

F:それが大きな違い? なぜ?
Y:日本人ももちろん楽しもうとしているけど、なんか、この試合でいい成績出して、こうしてああしてプロになって、とか凄く仕事っぽいんだよね。もちろん、目標があって、それに向かって頑張ることは大切。だけど、その目標に向かっている間
に、楽しみはあるのかしら、と思っちゃう。言葉では「楽しんでいる」と言っていなくても、スノーボードは楽しいから、もちろん楽しんでいると思う。だけど、カナダ人とはアプローチが違うね。

F:うーん、なるほど。それは言えてるね。
Y:だから、ハーフパイプを100回ハイクする日本人に対して、カナダ人はラップしてちょっとパウダー入ったりパークに入ったりとかしているんだよね。カナダ人はカッコいいスノーボーディングしているけど、日本人の場合は、なんでもドリルにしちゃうよね。なんか、違うスノーボーディングでスキーの考え方みたい。練習、練習、練習って。

F:だけど、うまくなるためには練習は必要だよね。
Y:必要だね。だから、これするとこうなれる、という部分は大切だからカナダ人も逆にそういうところは見習ってほしい。カナダ人は「easy going」で、その日の気分でスノーボードをするけど、時には練習という日もちゃんと決めてやったら、もっと凄くなるんじゃない。大会においては。

F:日本って後、ちょっとストイックになることあるよね。なんと言うのだろう、一生懸命過ぎてシリアスになってしまうような。それだと詰まってしまうんだよな。
Y:どこが楽しくてやっているんだろう、と思う。例えば、ガスっている日にパイプをちょこっと見に行くと、日本人しかハイクしていないんだよね。最悪のカリカリのコンディションで、よくやっていると思う。それってある意味凄いとは思うけど。逆にカナダ人は自分を甘やかすよね。

F:だけど、自分に甘やかしたカナダ人たちは、うまいのたくさんいるよね。
Y:うまいけど、例えば誰がうまい?

F:USオープン優勝したギオン・モリセットとか。
Y:うちらの西のウィスラーのスノーボーディングとケベックから来ている東のスノーボーディングは違うんだよね。ケベックのはアイスバーンばかりでフリーランとか楽しくないから、パイプばっかりで日本人みたいなスノーボーディングをしている。あの子は凄いよ。オリジナル・シンに乗っていた95年頃から写真撮っていたけど、クルクル回って「僕の写真撮ったか?」って超嬉しそうに聞いてきて、なんかとてもウザかったんだよね。スタイルもないからカッコよくない、だけどただクルクル回って声をかけてくるガキでさ。だけど、なんか熱いものを感じて、この子は行くかなって気がしていたけど、みんなは気にしていなかったの。で、毎日、毎日、頑張って出て来た子がだから、いきなりボーンとは出てないよ。

F:ユウホは世界のトップ女子プロとメッチャ仲がいいけど、この彼女は凄いというのはあげるとしたら誰?
Y:シャノン・ダンかな。ヒザの手術を何度もしてさらに結婚もして、ずっと長い間トップに居続ける。名前も凄く売れていて、自分がしたいことをやって楽しんでいて。

F:ユウホの親友の名があがっていないけど?
Y:えっ、誰?

F:USオープンを優勝した凄い親友がいるでしょ。
Y:ナターシャか! ナターシャは凄いと思うけど、あまりにも身近な存在で。彼女は凄い決めつけ精神が強いんだよね。頑張り屋さんで自分に凄く厳しい。これ、きちんとランディングしないと帰らない、とか。

F:日本人っぽいじゃない?
Y:そう、かなり怖いよ(笑)。何度もトライしてうまくランディングが決まらないところに、私が来て1発で決めてしまったら、かなりキレる! だけど、ナターシャはそこであきらめて「帰るわ」という人だったら、ここまで来ていないよね。彼女はヤバイくらいスロープ・スタイルがうまかったの。95年の時、大きなビッグ・エアーの大会があった時に、ショーティーズの最初の頃の年でデバン・ウォルッシュとか層々たるメンバーが来ていて、ナターシャは超カッコいいフロンサイド540°リーン・エアーしたんだよね。デバンは360°でギリギリ着地みたいな感じなのに。ナターシャは完璧にフラットまでデカく飛んじゃって、本当凄い話題になった。だけど、98年の時に大会に出なくちゃいけないみたいになって、オリンピックもハーフパイプあるからって、ハーフパイプの方向に行っちゃったんだよね。今は今でカッコいいけど、ちょっと違うスタイルになったんだよね。それは、女の子になったのかもしれない。今はお化粧とかもするようになって。前なんか化粧とかドレスとかありえなかったけど、今はかわいくなっちゃったじゃん。

F:それがスタイルにも影響しちゃったのかなあ。
Y:だと思うんだよね。それに大きなケガも影響していると思う。でも、前は凄かったんだよね。だから、ナターシャは決めたことを実現させるという力とその集中力があるね。

F:みっちゃん(橋本通代)のことも聞きたいな。
Y:通代のこと。彼女もナターシャといっしょ。あの二人は悔しがるんだよね。これをメイクしなくちゃいけないとか、もっと飛びたいとか。みんなと同じじゃ気がすまないんだよね。だけど、通代は不思議な人間だよね。

F:えっ、何で?
Y:うーん、なんか不思議な人間だから、ここまで来れたと思う。両方ともハマッたら凄いんだよね。

F:他には?
Y:ビクトリアが凄い! フィルマー(ビデオや映画を作る人)から認められて、ずっとビッグ・マウンテンの撮影をしている。ハーフパイプは誰でも有名になれる。だけど、ビッグ・マウンテンのライダーはなかなか慣れないんだよね。あの撮影って凄くお金かかるんだよね。ヘリコプターを使ったりとかさ。その舞台で活躍を続けるというのは凄いことだよ。その女の子(ビクトリアのこと)のために、凄いお金かけているんだからね。ビクトリアはハーフパイプも行けて、ストレートもできている。シャノンにしても有名だから「バックカントリー行こう」と言えるけど、だけどバックカントリーならビクトリアって感じだよね。それを10年近くも続けていて凄い。ハーフパイプなら名前5人とか言えるじゃん。だけど、バックカントリーならビクトリアしかいない。本当に彼女は男のフィールドにブレイク・スルーした。

F:いいこと言うなあ。じゃあ、次はユウホの企んでいることを聞こう?
Y:企んでいるって? 悩みのこと。

F:違う違う(笑)。将来に対して、こんなことやろうってこと。ジョシのこととか。
Y:あっ、ジョシね。だけど、今、ニキータって凄く頑張っているところが出て、ナターシャとか恵子とかミナ・ヘッソとかライダーになっていて、もっと凄いレベルでやるようになったからね。同じ時期に話しがあったんだけど。今でも趣味とかのレベルならいいのだけど。まっ、誰か飯を食う足しになってくれればというレベルで始めようかな。カッコいい女の子ってスノーボードに限らずデザインをすることにカッコいいとかスケートでカッコいいとかあるから、それぞれの分野でカッコいい女の子が集まればおもしろいと思ってる。

F:じゃあ、有名とかそういうのは関係ないんだね。
Y:プロとかじゃなくて、ウチの会社はみんなができる可能性がある。様々な分野のカッコいい女の子が集まって、いいモノを作っていきたいね。前のアイデアの時は大きい会社だったから、有名なライダーを入れようと思っていたけど、今はショップとかにたくさん売るものは考えていないから。「このステッカー貼ってください」という感じで女の子の間で広まって、インターネットとかそういったところで販売していこうと思っている。

F:いろいろ考えているなあ。最後に夢を教えて。
Y:自分の大きな土地があって、フルーツの木があって、犬が2、3匹いて、わんぱくな子供たちがいて、超カッコいい旦那がいること。

インタビュー後記:
まだ23歳という年齢ながら、ひじょうに洞察力のあるしっかりとしたユウホ。いつもみんなと元気に和む姿を見ていると、いつしかウィスラーに女王になる日も近いような気がした。これからも大きな心を持って、日本とカナダの架け橋として頑張ってほしい。

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