アパレル最高クール・ブランドへHOME/スティーブ・ハリス

LINEで送る
Pocket

最近、ウィスラー周辺でよく印象深いロゴを見かける。
それが今回登場するスティーブが立ち上げたブランドHOMEだ。
スティーブはバートン、ボルコム、ニクソンなど様々なブランドで大活躍した業界人である。
そんな彼に親交の深いカンジ先生(本ハウツーBBSでもお馴染みのライダー)にインタビューしてもらった。

カンジ(以下K): どうしてHOMEって言うブランド名がついたの?
スティーブ(以下S):1997年頃に、スイス人のジャックとエディという2人の友達が始めたんだ。彼らはあるスイスのスノーボード、スケートボードのショップで自分たちのブランドを始めたかったんだ。そのショップは友達みんなにHOMEと呼ばれていて、扱われている商品は本当に品質の良いブランドだけに厳選されていた。この店に出品するためにTシャツやパーカーが作られた。これがHOMEの始まりになる。 始めは投資額も作る数も少なく、自分たちでロゴをTシャツやパーカーにスクリーン(プリント)して友達に売ったりもしていた。
ジャックはこの後にグラフィック・デザイナーになるために、ヨーロッパで最高クラスの大学に進学した。
エディとの出会いは、彼がウィスラーに旅行に来ている時に、ブラッコムのグレイシアで会ったんだ。エディが家に遊びに来た時に、彼が着ていたパーカーのロゴがカッコ良くて興味本位で聞いたら、そういう経緯を話してくれて、なんか凄くいいなって思ったんだ。で、エディが帰国する前に家にまた来てその時着ていた服を僕にくれたんだ。何も考えずにそのパーカーを着ていたら、回りのみんなが、僕がバートンで働いてるいのはみんな知っていたから、バートンの来期か何かだと思って色々聞かれたんだ。みんなそういうことには興味があるからね。で、バートンじゃないよって答えたけど、こういうことがあって少しHOMEブランドの立ち上げを考えたんだ。

K:ロゴのイメージはどこから来たの?
S:僕はVOLCOMのマーケティングに約8年間協力してきた。彼らまだとても小さな規模の頃からね。今のVOLCOMEはもう十分成功していると言えるよね。VOLCOM STONEのロゴや名前からは何か力強くて特別な意味が感じられる。NIXONにもマーケティングで協力していたけど、あのロゴは砂時計を表していてとてもわかりやすいよね。HOMEは家を表している。多くのブランドはロゴと内容が一致してないと思わない? そうそうア?ネットもマーケティングの面で協力していたんだけど。友達とそのおやじがア?ネットをやめてELECTRICを立ち上げたから、今度はELESTRICに協力した。彼らにはア?ネットを立ち上げたときから今に至るまで何か始める時はいつも呼ばれて、そのつど協力を惜しまなかったね。だからみんなも僕が何かを始めようとすると、僕がみんなにしてきたように今度はみんなが協力してくれる。みんな本当にいい友達なんだ。この先もこういう関係を続けて行きたいな。僕は彼らに見返りとしてお金をもらったことはないんだよ。それはお金よりももっとソウルな感じでしてたんだ。僕はただ、イメージするのが好きで、みんなを助ける時間と労力もあるし。
とにかく、こういった時間を過ごして来て、今、HOMEは自分にとって新しいことで、自然な進歩なんだ。つまり、今まではこれらの自分以外の誰かや、会社ためにやっていたけど、今は何かを自分自身のためにやってみようと思ったんだ。

K:どのようにしてHOMEのビジネスは進んでいったの?
ジャックが卒業して、HOMEが再スタートした。約5年間このプロジェクトは眠っていたことになる。製品に関して言えば、僕が思い付いたら紙にデザインして、それをジャックがコンピューター上でデザインして、エディはビジネス全般を面倒みてくれる。
1つ言えるのは、ほとんどを自分のやりたいようにやっているね。この(カタログを指差して)デザインも好きだし、自分もこれが欲しいって思う。もし、誰もこれを欲しがらなくって買ってくれないとしても、それはそれで構わない。いずれにしろ、僕の欲しい物は手に入るわけだからね。

K:TEAM RIDERはどうやって決まったの?
S:みんな友達なんだよ。みんながそれぞれウィスラーに来た時からね。トレバー(アンドリュー)は、始めの何シーズンかは僕の家に住んでいた。無名だった頃から、今に至るまでずっと知っている。で勿論今も友達だし。ビクトリア(ジェルース)は
今もウィスラーに住んでいて、友達で、よく連絡取り合っている。マイキー(レンツ)は、ウィスラーにやって来たときはまだ子供で、彼がスノーボードを始めた頃から知っている。僕がバートンのデモで山にいた時彼を初めて見たんだけど、彼の才能にピーンと来てすぐにその場で板とか、デモ用のギアを彼にあげたんだ。家に帰るとすぐにバートンに電話して事情を説明した。彼を捕まえておく必要があるよってね。まだ13歳だったのに、信じられないくらいうまかった。本当に誰よりもよかったんだ。ブラウナ?(クリス・ブラウン)とは、同じ大会にでたこともあったよ。
みんなのことはいつも気にかけているよ。彼らに何か見返りを望んだりはしないけど、今度のことのように僕が始めようとすれば、協力をしてくれる。これは彼らにとってもごく自然であたり前のことなんだよ。
※他にはDCP、MEGAN PISCHKE もチームライダー

K:これほどのライダー確保は金銭的にも大変なのでは?
今はまだ基盤をしっかり整えているところだから、彼らに金銭的な協力はできないけど、大事なのは自分たちで何かをやって、それが形になっているということ。それで他の人が僕たちの作った物を見て、いいなって思ってくれたら最高だよ。でも基本的には自分たちは自分たちの欲しいと思うものを作っているだけなんだ。他のみんなが欲しがるものを作りたいとは思わない。この姿勢は変えない。流行に従ったりもしない。会社を大きくもしたくない。

K:制作の上で注意していることは?
S: 衣服の細部に渡って細心の注意を払っている。他の多くのブランドがかける時間よりもずっと時間をかけて一つのものを仕上げるんだ。これは製品が本当に完璧で100%納得できる物になるまで誰にもそれを見せたくないからなんだ。
僕は普通に生活して自分の服を作り続けて思い浮かんでくるアイデアをデザインにしてそれをみんなが気に入って身に付けてくれているなら、それ以上は何も望まない。お金のことはどうでもいいんだ。

K:もうカナダでは売られているの?
S:カナダではだいたい8から10のショップで売られている。スイスではもっと多いよ。
今は1年以上先のことに取りかかっていて、つまり2004年の秋冬モデルのことなんだけど、今年のクリスマスまでにカタログを仕上げなきゃならないんだ。
次への一つのステップとして、ゲーム感覚で、今季のカタログの中にいくつか来期のジャケットを写真で載せている。でもそれに関しては何も伝えてない。それらは、基本的にハイエンドなストリート・ウエア。でもアウターウエアじゃないよ。アウター・ウエアの要素を取り入れて、スタイル重視で、ストリート向けに仕上がっている。山で気のきいたお洒落をする時に着られるように。
ゴッチを知っているだろ?彼が最初にウィスラーに来た時から、今も友達でとてもいいやつだから余ったモノがあればいつも彼に(日本に)送っているよ。

K:スティーブにとってのゴールは何?
S:小さいままで留まりっこないことはわかっている。たぶん大きくなってしまうだろう。でも自分たちのために自分たちのほしいモノを作る姿勢は変えない。みんながそれを気に入ってくれたら、また作る。多くの大きいメーカーがやるように流行を追いかけはしない。彼らはその時だけはやって売れればそれでいいんだろうけど、モノはずっと後まで残ってしまうんだ。こうやって作られたモノは1年、2年後には、みんなに格好悪いって思われて、誰も欲しがらなくなる。HOMEは彼らとは違う。時間が経っても格好悪くならないように、デザインが極端になったり、こりすぎたりしないように、時間をかける。彼らの3倍は時間と労力をかけているよ。デザインは4年サイクルで考えていて、4年経ったらまた最初に戻れるように数もあまり多く作らない。この4年の中で前後に進めるようにしたい。

K:こんなに素晴らしいデザインだと大手とか真似してくるだろうね。
S:きっと、そうなるだろうね。広告をして宣伝してたくさんモノを売ることも大事だけど、僕はみんながみんな自分と同じジーンズや帽子を身に付けているのだけは嫌なんだ。とにかく、会社が大きくなるとしてもしっかりと自分たちを見失っちゃだめだ。

K:本当にユニークで斬新なデザインだと思うんだけど、アイデアはどこから生まれて来るの?
S: どこから生まれてくるかはわからない。ただ、自分が何かを見て、きれいだな、とか、いいなって思って、誰もそれをやってないと、自分がそれを欲しくなる。なにか感覚的に気に入ったものからかなあ、何かこう、SOULからだね。決してはやりとか金とかじゃない。

K:日本に来る予定は?
S: 8月に中国の工場に行って、製品の最終チェックをしなきゃいけないから、その帰りに行けるといいな。前から行ってみたいと思っていたから。北米とは違うファッションセンスをもっている国だし。

K:日本に来たらぜひ家に泊まって、おいしい日本の家庭料理を食べて行ってよ。
S:うん、日本食は最高にうまいからね。楽しみにしているよ。

● ぼくから見たSTEVE。
まず周りのみんなにすごく好かれていると思う。いっしょにウィスラー・ビレッジを歩いたりしていると必ず友達に声かけられるし。スノーボード関係の店に行けば彼を知らない人はいない。でも逆に、全く知らない、初めてあった人に対しても凄く優しい。僕もなんでこの人はこんなに親切にしてくれるんだろう?って最初の頃、思っていた。同じように思っている人が僕の回りにも何人かいたし。いつもジョークを言っておどけたり笑わせたりしていて、常に笑顔、とても明るい人っていうのは会う度に感じる。何か独特の雰囲気があって話を聞いているだけで彼の世界に吸い込まれて行くように感じることもある。でも自分ではシャイだと言うから、おもしろい。
チャーハンを一度日本人の友達にごちそうしてもらって、その味が忘れられなくて、作り方を聞いて何度も何度も作ったらしいけど、そのときの味は出せないって、よく言っている。でもそれは調味料とか日本酒がないとできないんだよって教えたら、ショック受けてた。でも彼が作ったモノを友達はおいしいって言って食べていたらしい。
家の中には彼が作ったユーモアな小物から、扉まですごく味のあるモノばかり。
本当にウィスラーと自分の家が大好きなんだなって思う。日本に来ていろんなモノを見て感動する彼を見てみたい。

LINEで送る
Pocket