スノーボード・ウェアの選び方は機能面以上にファッション面を考慮!あなたの「着たい!」気持ちを優先しよう

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スノーボードのウェアを選ぶことは、様々なスノボ関連グッズ選びの中でも、最も楽しいことではないでしょうか?
何しろ雪上に出て最も目立つのがウェアです!普段、着慣れないウェアを身にまとうことで、まるで違った人格が現れるような気分にもなります。
おそらく、スノーボードをはじめてする初心者は、ウェアを着ただけでもテンションが上がることでしょう!きっと「早くゲレンデに行きたい!!」という気持ちになると思います。

しかし、実際にスノボ・ウェアを購入する時には、本当にたくさんの種類があって迷ってしまいます。
いったい何を基準にして選べばいいのでしょうか?
ネットで検索しても、様々な考え方があり、悩みはなかなか解決しません…。

そこで、30年以上スノーボードをやって来て、これまでショップ店員やスノボ・インストラクターも経験して来た私が、ウェアの選び方をわかりやすくアドバイスしましょう。ちなみに私はこれまでに、ウェア・ブランドWestbeach、また同じくカナダ発のEndeavor Snowboardsのウェアの代理店での仕事もしています。また当サイトの母体となるDMK SNOWBOARD CLUBを通して、多くの一般スノーボード愛好家さんと接し、どのようなウエアを求められて来たか、ということもリサーチして来ました。
そのへんの知識も踏まえて、できる限りわかりやすくお伝えしましょう。


ウェア選びで大切なことは、着た時にあなたの気分が上昇するかどうか。

これまで多くの人たちがウェア選びで伝えられた来た耐水圧、透湿性という機能面が、実際のスノーボード・シーンで及ぼす影響力まで説明します。なぜ、私が機能面よりも、あなたの「着たい!」という気持ちを優先にする、ファッション面から考慮するべきか、お伝えしましょう。

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ウェアはあなたの「着たい!」気持ちを優先 機能面ではなくファッション面から考えるべき理由

結論から言うと、スノーボードのウェアはあなたが「着たい!」という気持ちを優先させて、ファッション面から選ぶと良いでしょう。もし、そのウェアの機能面が劣るような安いものでも大丈夫だと思います。

「えっ、防水性は高い方がいいよね?」「耐水圧、透湿性は高い数値があるといいと聞いたけど、どうなの?」

はい、その質問に関する答えをこれから説明していきます。

まず、スノボ・ウェアに必要とされる耐水圧透湿性は、2023年、現在、販売されている製品すべて雪上で必要とされる数値をクリアしています!

耐水圧10,000mmに満たないウェアは、良くないと聞くけど、耐水圧10,000mm未満のウェアって見たことありますか?
透湿性は、5,000gないと辛いと言うけど、実際にそんなウェア売られていますか?

試しに今、ネットで「スノーボード ウェア」を検索してくれれば、一目瞭然!もう、そんなウェア世の中で売られていないのです。
例外的に、アウターウェアの中に着る、あるいは温かい春に外側に着ることもできるソフトシェル・ジャケットに関しては、この数値に届かないことが多いです。しかし、あくまでも普通に売られているアウターウェアは、今やどんなに安いネット・ブランドでも最低限の機能数値はクリアしているのです。

それなら、なぜメーカーは高い耐水圧、透湿性の数値を誇るのでしょうか?

それは、高い数値は販売促進につながるからです。
例えば、カメラの画素数にしても、高い数字の方がクオリティが高く感じるし、良い製品だと思いませんか?
だけど、実際に撮影してみれば、多くの人はiPhoneのようなカメラ機能で満足します。わざわざ一眼レフのような良いカメラでなくても、スマートフォンの画質で十分と考えるもの。
カメラに限らず、どんな分野のどんな製品でも、もはやユーザーの求める機能の遥か先のクオリティーを求める傾向があるのです。なぜなら、そうして機能面での優れた点を伝えることができなければ、モノは売れないとメーカーは考えるからです。

スノーボードのウェアだって同じです。バックカントリーのような過酷な状況に行く人ならともかく、数十分以内にいつでもレストハウスに休憩できるスキー場内で滑る分には、それほど高い機能ウェアはいらないのです。

だから、私はGORE-TEX(ゴアテックス)にしても、その他、優れた生地のウェアは、多くの一般的にユーザーが求める以上の商品だと思います。

実際にGORE-TEXのウェアは、防水性も高く優れた商品です。
また、GORE-TEX採用したメーカーは、信頼もあり優れたウェアを作る意欲あるカンパニーでもあります。そういった意味では、高い買い物が安心感につながるでしょう。

しかし、GORE-TEXレベルになると、かなり価格はかなりアップする覚悟も必要です。
本当に有名な良いブランドのGORE-TEXのウェアになると、6万円とか7万円レベルのようなものがあります。

私が住むカナダには、​ARC’TERYX(アークテリクス)という高級なアウトウェア・ブランドがあるのですが、そこのジャケットは10万円するものもあります。この価格の高さには驚くばかりですが、この感覚は高級車や高級腕時計を買う感覚と同じではないでしょうか。
本来なら大衆車で全然ことは足りるわけですが、世の中には「高級」なものを求める人もいます。
もちろんあなたにある程度、お金に余裕があり、少しでもそうしたものを求める気持ちがあるなら、そのチョイスも否定しません。
むしろ、ウェアを販売している私の立場からしても、できる限り高いウェアを買ってほしいです(笑)。

ですが、これからスノーボードをはじめる初心者の方、あるいは初めてスノーボードのウェアを買う人なら、そこまでの高いウェアを選ぶことはないと思います。

あくまでも大事な点は、機能面に左右されずに、自分が「着たい!」という気持ちを優先し、ファッション面で満足できるウェアを買うべきでしょう。

ちなみにスノーボードのハード・グッズ、ボードやビンディング、ブーツなどは、ぜひ機能面を考慮してください。特にスノーボードのブーツは、最もパーソナルな大事なアイテムです。だけど、ウェアにそこまでの機能を求めるのは、「どうかな?」と思うのです。

耐水圧10,000mmという数値は大雨の中でも濡れないレインコートを着ているということ

ここまで聞いても、まだ高水準の耐水圧のウエア。つまり防水性が高いウェアをほしがる人もいると思います。
その気持ち、わかります。
具体的にその数値が、どれだけの効力を発揮するのかわかなければ、そもそも選ぶ指標になり得ません。
そこで、よく一般的なスノーボード・ウェアで多い耐水圧10,000mmという数値について、説明しましょう。

耐水圧10,000mmというのは、ウェア生地の上に1cm四方の柱を立てて、その柱の中に水を入れて10メートル(10,000mm)までの高さに入れた水の水圧に耐えられるということです。
耐えられるということは、そういう状況においてもそのウェアを着ていれば濡れずに快適に過ごせるということになります。

耐水圧の目安は、一般的には以下のようになっています。

20,000mm: 嵐
10,000mm: 大雨
2,000mm: 中雨
300mm: 小雨

基本的には、10,000mmのような大雨の日でも、耐えるウェアということになります。
ただし、耐水圧は人の動作にも左右されます。
例えば、体重75kgの人が濡れた場所に座った時にお尻に掛かる圧力は約2,000mm、濡れた場所へヒザを付けている時の圧力は約11,000mmと言われています。(以下、ユニネクマガジンのページを参照:https://www.uniformnext.com/blog/archives/7949

スノーボーダーの場合、よくヒザを付くようなことがあります。そんな時には、圧力が約11,000mm掛かるということです。
つまり状況化によっては、10,000mmはやや弱い印象もありますが、当然、大雨よりも大雪は濡れないので、耐水圧10,000mmというのは、ウェアとしては十分な数値ということも理解できます。

透湿性5000gは優秀過ぎる数値!

ウェア選びのもう1つの指標クオリティとなっている透湿性の数値も、紹介していきましょう。

透湿性とは、ウェア内の汗を外に出す度合いのことを指します。激しいスノーボードのライディングをすると、ウェア内で汗を掻きますが、そうした湿気を外に出してくれる力が、スノーボード専用ウェアにはあります。
具体的には、透湿性とは24時間に何グラムの水分を外に出すのか、ということを数値で表しています

現在売られているウェアの透湿性5000gは果たして、どんな数値を意味するのでしょうか?

大人の安静時で1時間あたり:約50g(24時間で約1,200g)
軽い運動で1時間あたり:約500g(24時間で約12,000g)
ランニングなどの激しい運動で1時間あたり:約1,000g(24時間で約24,000g)

激しい運動で1時間あたり約1,000g。つまり、透湿性5,000gというのは、5時間ぶっ通しで走って汗を掻いた時にも対応するという数値なのです。一般のスノーボーダーには、「もう、これ以上いらないよ!」という感じですね。

だけど、メーカーはやはり高い数値を誇りたいので、不必要なまでの(?)透湿性のウェアを作ります。
実際、バックカントリーに行ったり、一日中ハーフパイプをハイクアップする競技者のような人には、重宝するでしょう。だけど、今、この記事を読んでくださる、おそらく9割以上の人は透湿性5,000gあれば充分ではないでしょうか。

この透湿性を理解しても、今、売られているウェアがどれもが優れたものであるということがわかります。


最強のウェア素材でも弱体化する

それでもやはり高機能のウェアを求める人に、申し訳ないけどさらなる悲しい事実を伝えます。
どんなに高級なウェアを買っても、月日と共にその能力は下がってしまうということです。

私は冬の間、イントトラクターという仕事で100日ほど山に上がるのですが、そこで支給されるウェアは高級なスリーレイヤーのGORE-TEX(ゴアテックス)素材で作られています。それでも、毎日使っていると、その耐水性能が落ちて来て、濡れて来てしまうんです。
特に雨の日は、最悪です。

ウィスラーは大きな山で、上のアルパイン・エリアでは雪でも、レッスンを行う初心者エリアの中間付近は雨になることがあります。
そんな時は、高性能ジャケットと知られるAKやTHE NORTH FACEウェアでも濡れてしまいます。それこそ、パンツから雨が沁み込み、財布の中に入れっぱなしにしていたレシートの印刷が滲んでしまうほどです。

もう、このような雨の日は、ポンチョを着るのが一番!
ウィスラーでは、雨の日にリフト売り窓口のところで、透明ビニールのポンチョを配るサービスを行っています。だから、それをもらって、ウェアの上から着るのです。

ここまでくれば、もはやウェアのクオリティとかほぼ関係ないですね。
GORE-TEX素材なら、こうした状況でも濡れ難いと言いたいところですが、僕はスノーボードを30年以上やって来た実体験として、雨の日に古いウェアを着れば、どんなハイクオリティのものでも濡れてしまうものです。安くても新しいウェアなら、撥水性を発揮します。

また、これも実体験ですが、古くなったウェアでもきちんと正しく洗濯すれば、ある程度は耐水圧が回復します。古くなったウェアは、汚れが付着します。だから、汚れを洗濯で取ってあげて、しっかりと乾かせばある程度の撥水効果は復活するのものです。

あと防水スプレーという方法もありますが、やらないよりはマシ程度です。
一度しっかりと洗濯した方がより撥水効果は高いと思います。洗濯した上で、防水スプレーすることにより、ウェアのパフォーマンスは維持しやすくなります。

薄手のシェル・ジャケット VS 厚めのインサレーション・ジャケット

ウエアを買う時、1つの分かれ道は薄手のシェル・ジャケットなのか、ちょっと厚めのインサレーション・ジャケットなのではないでしょうか。

インサレーション・ジャケットというのは海外ブランドに多いのですが、中綿が入っていて、温かいものです。個人的には、好きなジャケットなのですが、国内ではあまり支持がないようです。それよりも、もっとシャカシャカした薄っぺらい生地のジャケットの方が好まれていると思います。

そもそも中綿が入っていた方が温かく感じます。そして3レイヤーなど高級ジャケットは、高性能ながら薄手で意外に寒いのです。値段は高いのに!そこでセカンドレイヤーと言って中にフリースジャケットなどを着て温かく保つ必要があります。薄手の方は、寒ければセカンドレイヤーなどで調整できるので、温度調整はしやすいと言えます。一方、中綿が入ったインサレーション・ジャケットは、どうしても温かくなってしまう。だから、暑がりの方は敬遠した方がいいかもしれません。

薄手で高級な生地→寒い。だけど温度調整がしやすい。
中綿入った厚手の生地→温かい。だけど、温度調整がし難く暑がり屋さんは大変。

そして、これは私がイントラした経験でもわかるのですが、初心者の方はほぼ全員、暑がりです。片足スケーティングをしたり、また立ったり座ったりするけでも結構な運動量に感じてしまうからです。自分は、もう30年以上やって来て慣れているので、「なんでこんなにみんな暑がっているのか?」「これが運動なのか?」と思ってしまうのですが、雪山に慣れない初心者の方にとっては大きな運動になってしまうもの。レッスンの途中から、「うわあ、着過ぎちゃった」とか言って、中に来ていた服をどんどん脱いでいってしまう方も少なくありません。

あと暑がりか寒がりかというのは、年齢にも影響されます。自分もかつては寒さにはもっと強かったのですが、年齢を重ねると共にずいぶんと寒く感じるようになりました。今年の冬で55歳になります。スノースクールから支給されるジャケットはGORE-TEX(ゴアテックス)の薄手の良いものですが、それだと寒いのでセカンドレイヤーの上にダウンベストを着ています。そして、仕事がなく山に行く時には、インサレーション・ジャケットを着て行きます。ちなみにこのジャケットは、ほぼ毎日着ていて、朝の寒い日、犬の散歩でも活躍。参考までに、私が着ているウエアも以下にご紹介しましょう。以下のEndeavorのジャケットは、タウンから雪山まで幅広く着れて、しかも軽くて暖かい!本当、重宝しています。


ウェアの機能面チェックポイント6

ここまでは主に生地のことを伝えて来ました。高い生地のGORE-TEX(ゴアテックス)は価格も上がる。だけど、そこまで良いものを買わなくてもいいのではないか?という提案をしました。
また、生地には薄い生地、あるいは綿入りの暖かいものもあることもお伝えしました。
その他、生地に関して伝えていないことがあるとしたら着心地が良いストレッチ素材であること。あるいは、細かい点ですが生地をつなぐ部分に防水テープ加工がしているかなどもあります。
しかし、ウェア選びとしてはあまり大きなポイントではないかな、と思うので、ここではさらに進んで機能面のことをお伝えしましょう。そもそもスノーボードのウェアは、どんなファンクションがあるのか、ご紹介します。

以下のポイントは絶対ないといけないものではなく、あると便利だなという機能です。あなたの考えるウエアの使用用途をイメージして、それが必要であるのかどうか考慮してみてください。

1 パウダーガード

パウダーガードは、ほぼスノーボードジャケットにあります。雪の侵入を防ぐ役割。そして防寒対策にも。
個人的には、なくてもいいんだけどなあ。気になる方はチェックしてみてください。

2 ブーツゲーター

ブーツにかぶせるように付けて、雪の侵入を防ぐブーツゲーター。以下の写真ではブルーですが、大抵はブラック。これは絶対に付いています。もし付いていなかったら、スノボ用パンツではなく、防水性が高い登山用のパンツかもしれません。


ちなみに、このゲーターをブーツの中に入れる初心者が多いです。絶対止めましょう。このゲーターにはブーツのリーシュに付けておくピンがあったりするのですが、中に入れてしまうとピンが当たったりしてスネが痛くなったりします。何より、入れてしまうと圧迫してしまうので良くありません。何度も言いますが、このゲーターをブーツの中に入れてしまう初心者ボーダーは多いです。気を付けてください。

(写真左のようにピンがあったら、このようにブーツのリーシュに留めます。決してブーツの中に入れないように!写真右、そしてアウターの裾を下げるとこのように収まるのです。)

3 ハンドゲーター

この雪の侵入を防ぐハンドゲーターって必要ですかね? おそらく国産ブランドにはほぼほぼあって、海外ブランドにはなかったりします。個人的にはなくてもいいのだけど。良かったら実際に購入される時にチェックしてみてください。

それよりも私が気になるのは、袖にグローブが収まるかどうかです。以下の写真を見比べてみてください。袖でグローブを収めた右側の方がカッコいいと思いませんか? 

概ねスノーボードのウエアは、グローブが納めるように袖のサイズ調整があります。大きなグローブでも納められるようになっているのです。しかし、グローブの方がシュンとしたデザインではなく写真のようなゆったり型であるため、袖に収めるのがちょっと大変だったりします。そのグローブは、「袖の中、外、どちらでも付けられますよ」というデザインのある種、優秀なデザインだとは思うのですが。

ちなみにこの袖を留める部分のことを、リストゲーターというのですが、そこも一応チェックポイント。おそらくこれもほぼほぼどのジャケットでも付いていると思いますが。

4 ベンチレーション

ウエア内の温度を調整するベンチレーションは、あった方がいいでしょう。
ジャケットなら脇の下、パンツなら太もものサイドにあるか確かめてください。
個人的にはあまり使わない機能ですが、多くのスノーボーダーは必要としているように思います。スキー場は寒いところというイメージがあると思いますが、実際にスノーボードをすると結構、汗をかくほどの運動になったりします。また雪山は、朝と日中の温度の差が激しくなったりするので、ベンチレーションは付いている方がいいでしょう。もしかしたら、一見するとカッコ良いデザインでも、ベンチレーションがないウエアもあるかもしれないので、チェックしてみてください。

(こんな風に脇の下が開くようなベンチレーションが付いているものです)

(こちらは私が使用しているビブパンツのベンチレーション。春の暖かい日にも重宝します)

5 カードポケット

リフトチケットやシーズンパスのようなものを仕舞っておけるカードポケットは必需ファンクション!
以下の写真のように、袖付近にあると便利です。
このようなパスケースが、ジャケットの裏側に付いているケースもありますが、個人的には袖にあるのが使いやすいと思います。

6 サイドポケット

ところで、みなさんは大事な車の鍵、あるいはスマートフォンなどどこに仕舞っておく予定ですか?
自分の経験では、車の鍵は極力、雪上に持ち込まずロッカーに入れるようにします。またスマートフォン、財布に関しては太ももにあるサイドポケットに入れるようにします。
理由は、胸ポケットに入れると、正面に転倒した際、衝撃からアバラを傷めたり、最悪のケースでは骨折・ひびという怪我につながるからです。実際、過去に初心者レッスン最中にアバラを負傷する生徒さんがいました。経験者でもわかると思います。胸付近は、転倒の際に衝撃を受けるケースが少なくありません。
そこで、ジャケットのサイドポケット、あるいはパンツのサイドポケットにスマートフォンを入れると良いと思います。

だけど、一番私が好きなポケットは、パンツのサイドポケットです。それも、通常のジーンズなどにある太ももの上部にあるタイプではなく、もっとヒザに近いような太もも下部にあるサイドポケットです。このようなサイドポケットを持つスノーボードのパンツは、多くはないですが、探せばすぐに見つかります。
私は普段、このポケットにレッスンで度々必要になる携帯用のドライバーを仕舞っておきます。なぜなら、最も安全でかさばらない感覚のポケットだからです。このポケットにスマートフォンを仕舞っておくのも良い手だと思います。
事前にスキー場に行く前に、ゲレンデに持ち込むものは何なのか?スマートフォン、財布…。じゃあ、それらをどこに仕舞っておくのか。そのために必要なジャケット、パンツを探すのもウエア選び方の目安になるかと思います。かなりマニアックな視点かもしれませんが。




23-24シーズンのトレンドは大きなパンツとパステルカラー

23-24シーズンのウエアのトレンドは?
最も今季象徴的に現れたなあ、と思うのは大きなパンツに小さなジャケットです。
あとは昨シーズンからの継続でパステルカラーも人気!

パンツはXL、ジャケットはSでOK!

この着こなし、若い方に多いです。
パンツがXLでジャケットがSなんて、とてもオジサンには考えられないけど(笑)。
ただ、誰もが参考にできるのは、意外にパンツは大きくても良いということ。パンツが大きいと動きやすいし、何しろ「ちょっと大きかったかな」と思うようなパンツでも、実際にゲレンデに行くと、もっと袴のように大きなサイズのパンツを履いているスノーボーダーが結構いたりします。だから、サイズで迷ったらちょっと大きめのパンツでもいいと思うのです。
もっともバランスが良いかな、と思うのは以下のBeyond Medalsの着こなし。パンツのサイズ感、ジャケットのサイズ感がぴったりな感じ。
しかし、実際には今季のスキー場にはもっとパンツをドカーンと履く女子ライダーとか増えているように思います。



爽やかさを演出するパステルカラー

パステルカラーは、近年人気の傾向があります。印象としてはピースフルで爽やかさを演出してくれます。
様々な着こなし例を見ると、ジャケットかパンツだけにパステルカラーを取り入れている。または、以下のように上下共にパステルカラーという着こなしもあります。特にこの着こなしは女性ライダーに多いかな。
ぜひあなたもパステルカラーを考慮してみてください。


参考にしたい!着こなし術

今季の人気傾向を掴んだところで、さらにもっと具体的な着こなし術をご紹介。参考にしたい例をご紹介していきましょう。

セットアップでやる気を見せる

上下のカラーなどを揃えるセットアップは、特にライダーやインフルエンサーに多い着こなしで、スノーボードに対するやる気が漲っているようでもあります。セットアップ姿を見ているだけで「うまい!」と思ってしまいそう。近年のトレンドでもあります。
あまりやる気を見せたくない(?)初心者ボーダーには、ちょっと背伸びした着こなしかもしれません。

組み合わせが多彩なビブパンツでゲレンデを快適に過ごす

ビブパンツというのは、実際に着てみると快適なものだ。
普通のパンツよりもゆったり感があり、また温かく快適にも感じる。ジャケットとパンツの隙間がないので、転倒した時に雪が入って来ることもない。
何より着こなし方法が多彩で、例えばビブパンツの上にそのままジャケットを着れば、通常の上下パンツの組み合わせに見えるし、またビプパンツの中にトレーナーを入れて春に軽快ライディングしたり、もちろん上からパーカーなどを羽織ることも可能なのだ。
ちょっとトイレの時だけ面倒に感じるかもしれないが、近年、多くのスノーボーダーがビブパンを利用して来た理由もわかる。

(こちらのビブパンツは、ENDEAVORの3L Shelter Bib Pantです)

パンツのブラックは万能!

最も世に出回っているパンツのカラーは、ブラックです。どのブランドのどのモデルにも必ず採用されているカラーと言っていいでしょう。
どんなジャケットのカラーに合わすことができて万能!
今季購入したら、「もうしばらくずっとパンツを買いたくない」という節約されたい方には、ぜひブラックをオススメします。特に飽きが来ないようなクラッシックなシェイプなら、なおずっと長く使うことができるでしょう。

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上、メンズ Burton [ak] サイクリック GORE-TEX 2L パンツ。


ウエアの3大ブランド BURTON、VOLCOM、686の特徴

ネットでスノーボードのウエアなどを検索すると様々なウエアが出て来ます。購入する方は迷ってしまいますね。特に初心者の方は何を買っていいのか、わからないと思います。カッコいいウェアを買いたい。だけど、そもそもそのセンスを磨くには、実際にカッコいいと言われているウエアがどんなものなのか知らないといけません。だけど、極論なことを言えば、自分が着たいウエアを着ればいいわけです。お父さんが昔来ていたスキーウエアを押し入れの奥から引っ張って来たら、意外に80年代のネオンカラーが、今の時代に新しい感覚を与えるかもしれません。

そうかと言って、やはりトレンドを抑えときたいという方は、まずこのスノーボード市場で最も売れているだろう、3大ブランドを見てみましょう。それは、BURTON(バートン)、VOLCOM(ボルコム)、686(シックス・エイト・シックス)です。これらのブランドを3大ブランドと呼ぶのは、ちょっと語弊があり、他のウエアブランドから叱られるかもしれませんが…。大抵の中型から大型のスノーボードの専門ショップでは、このブランドが置いてあり、またラインナップも充実してます。そして、流行りとかあまり関係なく、常に高い支持率を誇っているのではないでしょうか。

この3大ブランドの特徴は、ともかく品数が豊富。高性能からエントリー層向け。あるいはスタイルにしても、ポンチョ系からビブパンのようなものまで様々な感じで、より取り見取り。

ウェアのメーカーというのは、通常、生地を生地会社から購入し、それを自社と契約している工場のラインに乗せて製作するという過程を踏みます。つまり、大手ほど、様々な生地をオーダーする力があるので、カラーも豊富になる傾向があります。一方、小さいカンパニーというのは、生地をオーダーする力が弱いので、カラーも自ずと減ってしまうのです。そんな中、BURTON、VOLCOM、686のさすがのカラーバリエーション。しかし、よくよく見ると、あのモデルとこのモデルの生地(カラー)がいっしょということに気づくでしょう。つまり先ほど伝えた「メーカーは生地を買っている」という話に繋がっているのです。

そんなわけで、この3大ブランドでも傾向とか出るわけですが、バートンを拝見すると全体的にパステルカラーなど明るいカラーを揃えて来たな、という印象があります。一方、ボルコムの方はシックというか、ニューヨークというか、なんかダークでシティな印象のカラーも多いですね。かつてボルコムは3Sブランドの流れで、バートン以上にヤンチャなラインとかあったのですが、現在はひじょうに大人っぽくなったというか。いい意味でも悪い意味でも万人受けするようなデザインに収まって来たなあ、と思います。まあ、ロゴ自体にも惹かれてしまうし、もちろんカッコいいことには変わりはないですが…。ゴアテックスのやたらに高性能の高いウエアをハイエンドで揃え、シルエットもスマートなところなど、どこのトップブランドも同じような印象があります。

686の方が、もっとはっちゃけた攻めた印象がありますね。よりフリースタイルというか、西海岸の明るいティストを感じるというか。
ただ、バートンとボルコムと比べると、商品ラインというのは、やや少ないのでしょうか。選びがいがあって、迷ってしまいそうなのでよりバートンとボルコムかな、とも思います。

ともかく、こうして3大ブランドと呼ばれているウエアを眺めていると、なんとなく自分のウエア選びのセンスというものが磨かれて来るのかな、と思います。良い料理人はおいしい食事をいただいて、料理を磨くのと同じように、まずは何を持ってかっこいいのか、ということをよく売れているアウトウエア・ブランドを眺めていくといいと思います。そんなわけで、まずはぜひお近くのスノーボードショップに出向いて、ウエアコーナーをチェックしてみてください。

ちなみにウエア売り場というのは、どちらかというとスノーボード、ビンディング、ブーツなどのハードギアに比べると、追いやられているというか、ショップのメインの1階ではなく2階、さらにはその上の階だったりします。そして店員さんも自ずとエース級ではなく、ちょっとサブ的な新人さんがいたりするかもしれません。そういった意味では、知識もややないのかもしれませんが、間違いなく現場で最前線で働いている私よりは知識が上!ぜひ今季のトレンドなど聞いてみてください。そして、実際に着てみることが大切です。じゃないと本当、イメージつかみ難いものです。また、意外なほど明るい目立つウエアでも、雪上ではそうでもなかった、というケースが多々あります。勇気を持って、自分はカッコ良いと思うウエアを選ぶようにしましょう。


オススメのスノーボードウエア・ブランド9選

ボードブランド同様にウェアというのも本当にブランド数が多い。だから、迷ってしまうのですが…。
先に伝えた3ブランド以外にもこんなところが有名ですよ、ということであと9選してご紹介しましょう。もちろん、このブランド以外にも、もっともっとたくさんあるのですが、切りがないのでこのへんまで!

国産高機能ウエアのアールイーダブリュー(REW)


サーフブランドからやって来た海外本格派!ビラボン(BILLABONG)


北米の太平洋岸北西部という過酷な環境で育てられて来たボンファイア(BONFIRE)


登山ブランドから発生した高級路線!品質に間違いないしのザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)

究極の全天候型アウターウェアジョーンズ(JONES)



トレンドをしっかりと掴んだオシャレな国産ウエア!ダブルエーハードウェア(AA HARDWEAR)



國母和宏のこだわりが詰まった高品質なノマディック(NOMADIK)

長年大人気のアクションスポーツブランド!クイックシルバー(QUIKSILVER)

女性ライダーならマストチェック!ロキシー(ROXY)

新しく買ったウェアは何日着れる?

そもそも新しく買ったウェアは、どれくらい持つものでしょうか?
それは、使用用途に委ねられるので、ズバリ何日というのは難しい回答です。とは言え、目安を考えたいと思います。

おそらく、買ってから50日くらい経つと、どんなウェアでもある程度の劣化が感じます。それが、GORE-TEXのような撥水性が高いウェアならもうちょっと頑張れるか、というところ。ともかく、それくらい日が経つと、ウェアの本来持っていた性能は下がるので、シーズンを通して20日~30日くらい山に行くヘビー・ユーザーさんは、シーズン終わりにクリーニング屋に出すといいでしょう。
ただ、クリーニング屋さんにウェアを出すと、結構な額が掛かります。おそらく上下ウェア洗濯代で3000円~5000円の料金が掛かります。

だから、自分で洗濯した方がいいと思います。
ウェアを洗う時にの洗剤には、専用のNIKWAX(ニクワックス)というものがあります。この特別な洗剤は、耐久撥水加工生地の撥水性を落とすことなく、汚れだけを落とすと言われています。

だけど、私はそんな専用の洗剤も使わらずに手洗いしています。
手洗いする時には、しっかりと濯(すす)ぎをするようにしましょう。洗剤をしっかりと落とせないと、そこから撥水性が失われることになりますので。

こうして、洗濯することで、改めて撥水性が高まり、あなたの買ったウェアは頑張って引っ張って90日間ほどは使用できるかな、と思います。
また、高いウェアを買えば、やはり専門のクリーニング屋さんに出したくて、よけいに出費しまうことになります。だから、それほど高いウェアは買わないで、より安くてカッコいいウェアを選んで、買い替え頻度を上げる方法も良いです。

まとめるとウェアの買い替えの周期は?

山に篭るようなヘビーユーザーさんで毎年買い替え。
スノーボードが大好きでシーズンで30日行くような人なら2シーズンから3シーズン。
それ以外の方なら、3シーズン~5シーズンほどで買い替え、というところではないでしょうか。購入される際には、どれだけ長く使用するかということをイメージして買われた方がいいかな、と思います。特に個性的なデザインは、2シーズン後には廃れてしまうかもしれません。

もちろん何度も言いますが、使い方にもよります。
春先のウェアが汚れやすい日は、劣化を早めます。ウェアを着ている時間が長くても、過酷な天気で使用しても、汗をたくさん掻いても、ウェアの寿命を短くすることになります。


ENDEAVORのウェアは程よい上級思考

最後にちょっと宣伝させてください。私が働いているENDEAVOR SNOWBOARDSは、そもそもスノーボードのメーカーなのですが、最近はウェアの評判が高いです。ターゲットは、ハイエンドからちょっと下め。高級ウェア・ブランドの雰囲気を持ちつつも、ゴアテックスを使用せずに高めの耐水圧、透湿性があります。
とても軽いので、来た瞬間スノーボードをしたくなるような軽快さ!何より色使いとシルエットが超カッコいいのです。


以下のBEEFIVEから購入できますので、ぜひこの機会にチェックしていただければありがたいです。ちなみにジェンダーレスなので、男女関係なく選ぶことができます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

記事を書いた人・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Endeavor Snowboards、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。最新執筆書『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は38年。

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