100%の力

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若いライダー、またこれから上達しようという意欲の高いスノーボーダーを見ていると、力を目一杯に出していることがある。

自分自身も覚えもあることだ。自分の背丈以上のことをやりたがったものである。当時、それは上達するために当然のことであるように思えた。それは時に無茶なことで、ケガの可能性も高かったのに、力を120%以上出すのは良いことだと考えていた。

しかし、最近、思うのは「大切なことは常に100%の力を出し続けること」。
自分ができることを一生懸命にやる。自分がやれることから、徐々にやることこそ、100%の力を出すことだと思うのだ。

例えばある若手ライダーのAくん。今日は気合充分に大きなキッカーに挑むことになった。まずはストレートジャンプで下見をして、次にフロント3をやった。徐々にテンションを上げて、今日のテーマに掲げているフロント7を敢行。しかし、なかなか決まらなかった。なぜなら、Aくんは元々フロント7はたまにしか決めることができないレベルだからだ。撮影では気合入ることで、実力が発揮できると思ってしまったAくん。Aくんは、自分の実力はフロント7を決められるレベルにあると考えている。だけど、その確立は低いので、本当のところAくんの実力はその手前のフロント5しかなかったのである。Aくんはフロント5なら、かなりの確立でメイクできるのだ。

残念ながらショボイ仕上がりのフロント7しかできなかったAくん。Aくんに必要なのは、フロント5の完成度を仕上げ、そしてフロント7の練習だろう。撮影中に練習するのではなく、事前に練習することなのだ。だから、明日も山に行かなくてはいけないのである。Aくんは山に篭っているのだから。

しかし、Aくんは翌朝の空模様を見て「今日は曇りか、休もう」とあっさり断念。練習できる環境が待っているのに、それを拒否してしまった。

以上の話から、僕が100%出していないな、と思う点は2つ。
1つは、ラッキーメイク・レベル以上の技、フロント7は100%でなく120%以上になっていること。
もう1つは、練習できる状況にありながら「撮影できないから休もう」と考えて山に上がらなかったこと。

この夏に出会ったライダーたち、自分が尊敬したのは常に100%の力を出そうとしていたライダーだ。
例えば、インタビューにも登場したトースタイン・ホグモ。フッドの大会終わった日に飛行機でカナダに戻り、真夜中にウィスラー入り。翌朝も元気に滑っていた。
田中幸ちゃんは、常に自分のできることを一生懸命にやってくれたライダーだ。できないことはやらない。無理しない。だけど、できることはもの凄くやってくれて。撮影していても多くの映像や写真を残してくれた。

あと若手では、ユウタくんが偉いな、と思った。彼はバックカントリー特集でも出た渡邉ユウタくん。キャンプに入るお金がないから、バックカントリーのエリアにあるウインドリップに通った。そこで、2、3日かけてキッカーを作ったらしい。それから何度もハイクして練習していた。できることはやる!まさにそのお手本だと思った。

こういうふうに100%出し続けるライダーは、上達し続ける。時に120%、時には0%というライダーはムラがあってダメダメなのだ。長い目で見ると、上達しない。またケガをしやすい。

だから何度も言うけど、100%出し続けることって大切だと思うのだ。 

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