高石周の教えてコーチ!「バックサイド720でうまくアプローチ②」

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世界の舞台でコーチとして活躍する高石周さんが、スノーボードの上達に関する悩みから、環境の提案など、様々な角度からスノーボーダーの相談に乗ります。
今回は、前回質問してくれたバックサイド720でうまくトゥサイドでアプローチするにはどうしたら良いか、ということのアドバイスに対して、さらに質問が来たので、その回答になります。

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前回の内容は以下のアドレスから確認。
https://dmksnowboard.com/?p=33678

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質問者: ゆうさく

丁寧な説明ありがとうございます。勉強になります。低回転と高回転では上半身の先行動作に差はあります。360まではほとんど何もせず、540はアプローチの最後のトゥにのった時に前肩を軽く開く感じです。720からは出来るだけ前肩を開きます。今日1.2.3を一応試してみたんですが、

1.上半身を強く開く先行動作は最後の一瞬だけ できるだけ不安定な時間を無くす作戦で、実際にトップライダーもやってます。

1が一番良い感じでしたが、あまり肩を開くことができませんでした。

2.540と同じ先行動作で、540より強く蹴る 「捻り」よりも「蹴り」による筋の伸張反射を回転力に応用します。

2はいまいち効果がわかりませんでした。

3.前の腕で回す意識を捨て、後ろの腕で引っ張る回し方に変更する。上半身はほとんど先行動作を入れずに、抜けの際に後ろヒジを強く早く引きます。

3は軸がおかしくなりました。とりあえず意識してやり続けようと思います。

あと、質問があるんですが、アプローチの最後に肩を開く時に腰は開かないほうがいいんですか?ちなみに、高回転のコツとかはありますか?

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1で良い感じがあったのであれば、おそらく肩を前に開くことが原因だったと思われますね。
720までなら大きく肩を開かなくても回るはずですので、今後は540でやっている程度の先行動作までで抑えて練習すれば、足場はしっかりしたままBS720を回せると思います。
先行動作を抑えるということは、腕の回転力をあまり利用しないということになります。ということは胴体そのもので回転力を作らないといけません。

ここでのポイントは「腰」です。
回転は下半身のみ、上半身のみでは回っていきませんが、上半身と下半身をつないでいる「腰」を回せば体全体を一気に回すことが可能ですし、回転は結局「腰」にどのくらい動力が伝わったかが回転力の強さとなります。

「上半身にどれだけ勢いをつけられるか」で回すと考えがちですが、これも結局「腰」を回すために上半身を使うわけです。

ここでBS720で腕を使わないことを考えてみます。
先行動作を強く入れて肩を前に開く動作は、「腰」を回すために腕の回転力を利用しようとする動作です。
では腕を使わずとも、直接「腰」を強く回せないか?とは考えられないでしょうか。

足場が安定しないながらも先行動作を入れればBS720は回せる、しかし先行動作を抑えると540で止まるという場合、上半身の運動にかなり頼って回転力を作り、そしてその回転力が十分「腰」に伝わっていないことが考えられます。
先行動作がほとんどないのに上手に720を回す人を見たことありませんか?
こういう人は抜けで「腰」を回していて、「腰」に十分回転力が伝わっているんですね。抜け&空中で「腰」を回す。これが先行動作を抑えながらも720を回すポイント1です。

質問いただいた、「腰」と「肩」を一緒に前に開くか?という質問ですが、非常にするどい着眼点です!
腰も前に開くと上半身を開きやすくする効果はあります。
しかし腰自体を前に開いたからといって腰自体に回転力を加えることにはなりません。腕を回すことはより多く遠心力を得るためであって、腰自体を回しても回転半径が小さい腰には遠心力は作れません。
さらに腰を前に開くほどトーエッジ上でのバランスは難しくなります。

足場が作れないことが当初の問題でしたから、肩は開いても腰の回転はできるだけ足場が安定する範囲内で収めておくことをお勧めします。

次に「蹴る」ことで先行動作を必要としない回し方です。
これは試された結果、効果を感じなかったということですが、おそらく蹴ることで回転運動が抑えられたか、十分蹴ることができなかったかもしれません。

以下を再確認ください。

1.高めの姿勢でアプローチ
2.ひざが伸びきるまで蹴る
3.足が自然と引き上がっている(伸張反射が起こった証拠となります)

伸張反射が自然と起こった場合、下半身は非常に軽く感じ、下半身の重さがない分回転を邪魔しません。
この下半身の軽さに加え540程度の回転力があった場合、軽く720近くまで回っていきます。540で目線が止まらぬように最後の360~540の間で目線は一気に720まで回しましょう。
ご自身のスピンは動画で撮影し、何度も分析してください。

次に後ろの腕を引くように回したら軸がおかしくなったという症状について。

強い回転力を作ろうとすると、回転運動をしながら腹筋が縮もうとします。
その結果頭がトーエッジ側に倒れてコークスピンになるということがよく起こります。
見た目は前の肩がトーエッジ側に入って柔道の「前回り受身」をやっているように見えます。
しかし腕を後ろに引くことで腰にかなり強い回転力を与えることができます。
この方法を上手に利用するには以下も平行して注意しないといけません。

●ナックルが見えるまで抜けを待つ(左右前後上下、すべてでじっと動かない)
●背筋が真っ直ぐ起きた状態を保つ(背筋に力を入れる、肩はリラックス)
●頭を重力と平行に保つ(視界が垂直を保つとバランスが保てる)

当然ですが以上もかなり練習しないと体が覚えてくれませんので、根気よく続けてください。
まとめです。

1.上半身がトーエッジ側に倒れないように背筋にしっかり力を入れておく
2.肩を開いても腰は開き過ぎない
3.ナックルが見えるまで抜けをしっかり待つ(動かない)
4.高い姿勢を保つ
5.抜けでしっかり蹴る
6.蹴りながら一気に腰を回す(腕を回転の補助して利用する)

また実験結果を聞かせてください!
高回転のコツについては以下のページに書いていますので一読していただき、再度ご質問ください!
http://6218.teacup.com/snbw/bbs/140

下記URLから投稿を確認できます。
http://6218.teacup.com/snbw/bbs

 

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