反復練習の怖さ

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スポーツの練習過程の流れで、大きく2つに分けれることができると思う。

1つは、相手ありきの動きを要求される複雑なタイプ。(複雑系)
もう1つは、相手に関係なく、自分の技術を磨くことに集中できるタイプ。(単純系)

例えば、柔道や相撲、サッカーなどは、相手の動きに応じて自分の要求される動きが変わるので、練習方法も己一人だけでできるのではなく、相手ありきの練習も必要。複雑なタイプになる。

逆に体操やフィギュアスケート、そしてスノーボードなどは、対戦する相手との勝負というよりは、ひたすら自分の技術の向上を求めていく単純なタイプだ。

このような単純系のスポーツの場合、物凄く上達することが可能だ。

その理由は、相手構わず一人黙々と反復練習ができるからである。
特に、近年、スノーボード・スタイルの大きな流れとなっているジブに関しては、滑るスペースも狭く、インドアなどどこでもできる類のもの。
また気軽なハイクアップでできるということから、飛躍的に上達するライダーが多い。

以前、ナショナルチームのコーチも務めた綿谷(直樹)くんが、「反復練習ほど上達するものはない。」と言っていた記憶があるが、まさに反復練習できような環境があれば、上達は躍進的だ。

最近、アキくん(平岡プロ)が、千葉キングスを始めたが、こうした環境も日本人スノーボーダーのレベルを上げることは間違いないだろう。

しかし、ここに落とし穴があることを今回のハウツー・コラムで指摘しておきたい。

というのも反復練習は、何度も何度も繰り返しできるだけに、誤ったことをすれば、それが悪い癖になって残るということ。

自分自身、スノーボードを27年前に始めて。
その時は、ライディング・スタイルなどないに等しい時代だったから、ともかく山を滑り切ることができれば良いという考えだった。
その結果、僕はお尻でターンを引っ張ってしまうような格好悪い癖が付いてしまった。

自分の滑った姿の写真を見ると、なんとなく滑りがカッコ悪いということは当時からわかっていたが、ともかく滑るのが楽しくて、そんな癖を治す暇がなかった。
そして、僕は余計にますますカッコ悪い滑りを繰り返し、その癖をさらに確固たるものにしてしまったのだ。
そのことに気づいて治すのは苦労したし、今でも急斜面など自分がプレッシャーが掛かる場面で、この癖が出てしまう。
まさに反復練習の怖さ。

普段、僕はスノーボードのレッスンをよくやるが、ベテランになったり、スノーボードは大好きな人ほど、悪い癖があったりする。
始めた当初、その人はセンスあって上達が早かったのだろうけど、ちゃんと滑りを見てもらわなかったツケが回ってそのような結果を招いたのだ。

逆に、カナダに来てスノーボードを始めちゃったというタイプの方が、最初からレッスンを受けていることから、基本がしっかり伴い、素直に耳を傾けて来た結果、きれいに滑る人が多い。

それでは、反復練習の怖さを知った上で、どのようにしたら良いか?
自分なりにアドバイスしたい。

まず、できる限り、普段から多くのスノーボード・ビデオを見るようにしたらいい。
自分がカッコ良いと思うスノーボーディングや、世界でトップと言われている存在の映像作品をたくさん見ること。
すると、何がカッコ良いのか、というセンスを補うことができる。
スノーボーダーとしての目を肥やすのだ。

次に、信頼できるコーチに滑りを見てもらうこと。
また、レッスンを受けるにしても、ドクターで2番目や3番目の意見を求めて、病院を回る人のように、一人だけの指導者からレッスンを受けるのではなく、様々なコーチからレッスンを受けること。そして、そこから何が正しいか、何がカッコ良いスタイルの滑りなのか、自分で考えてみる。
それで、これぞ信頼できるコーチ!という方に巡りあったら、とことんその方に付いていくのもいいだろう。

もちろんお友達の意見も参考になるけど、いろいろな意見を聞くようにしたらいい。
決して、一人の意見でジャッジメントしない。

できることなら自分の滑りをマメにビデオ撮影。
毎回、研究し修正点を探ること。

そして、同じ横乗りスポーツのサーフィンやスケートボードもやったらいい、と思う。
なぜなら、バインディングに頼れない、これら横乗りスポーツは、スノーボードのスタイルを上げるにはもって来いだと思うからだ。
横乗りの神は、バインに頼らないスタイルを発揮した時、宿るような気がする。

まあ、こうして自分の滑りを探求していったら、スノーボードの神様はあなたのライディング・スタイルを良い方向に導くと思うな。
もちろん、これが正解というスタイルはないのかもしれないが、スノーボードの業界に長年生きていると、グローバル的なレベルで、うまいライダーの共通認識があるのも事実だ。

ということで、今一度、あなたの反復練習を見直してみてください。

 

 

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