一歩前進

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最近レールに入っているんだけど、いやあ難しいねえ。スノーボードを18年間やって来たけど、これほど往来のスノーボードのテクニックに関係ないものもなかったように思える。例えばハーフパイプなら基本的なライディング・スキル、そしてカービング・テクニックがなければ入ることは難しいというセオリーがあったけど、レールというのはスノーボードの種目の中でも何か1つ別物のような気がする。極端な話、カービング・ターンができなくてもレールがうまい!という人がこれからたくさん出て来ると思うのだ。レールが苦手なのは、ただ単に今までの自分のスノーボードのスタイルがスケートチックなものからかけ離れていたということも言えるのも事実。だけど自分はスノーボーダーだから、いろいろなものをやっていきたいという欲望が強い。最近、多くの人が好んで入るレールとはどんなものなのか?ということを知りたい。「武士の嗜み」という言葉があるけど、スノーボーダーと呼ばれたからには、フリーランなら自由自在にどこにでも行けて、パイプならリップから出てベーシック技ができ、ワンメイクなら360度、そしてレールならロックンロールまでやりたいぞ!と思うのである。まあ、これはハウツー天使の使命(?)でもあるのかもしれない。

僕が初めてレールに入ったのは2年前の春である。この時にはステッカー師匠であるツヨシから教わったのだ。その時に初めて目線を出口に固定することを意識して、50/50(注:レールに対してボードを真っ直ぐに滑らす)ができるようになったのである。これは嬉しかったなあ。だけど、昨年はレールよりもヒップに目移りしてしまってレールはあまりやらずにいた。別段嫌いじゃなかったけど、レールよりはヒップをやりたかった。というのもヒップの技術はパイプにつながり、僕はパイプの方に熱中していたので。だけど、今年は雪不足のためにヒップがない。そこでボックスやらレールをやっているのである。

今年の僕はまたまたラッキー年だ。というのも10年来の仲間である周くんなる友達がウィスラーに帰って来たからだ。そして、今年はまだ2回だけど、いっしょに滑りかなりいい刺激もらった。ついでと言ったら失礼だけど、周くんが働く日本料理屋にカズなる若者がいて、こいつも最高のスノーボード仲間となっている。そう、僕たちはトリオを組んでいっしょに滑っているのである。そして、このカズと周くんが僕にとっては最高のレールの師匠になった。

初日の僕は意気込んでしまった。まだシーズン初めできれいに50/50を決められない状態のまま、ロック(注:レールに対してボードを真横にする)に挑戦! いやあ、そしたらやられたやられた。ケツやら腰などを強かに打って、その日は4度も大転倒。打ち身ぐらいで終わってよかったというほどの転び方だった。33歳ハウツー天使、まだまだチャレンジ精神旺盛です!(笑)

違う日に改めて滑った時には、周くんのアドバイスを忠実に守り、レールでボードをいきなり横にするのではなくほんのわずかだけ斜めにする作業を行った。その行動によりボードを横にする感覚をつかんだ。そして、レールやボックス上でコントールするという積極的な感覚をつかみ始めていた。調子に乗って低いレールで一気にボードを横、つまりロックンロール状態に持って行き、もうちょっとでメイクというところまで行ったのだが、最後に油断(?)してレールにエッジングをしてしまいスッテンコロリン。またまたレールの洗礼なるケツ打ち「イテテッ」である。その時。リフトに乗りながら周くんやカズがアドバイスしてくれた。

「フサキさん、あれで頭を上げないければいいんですよ。最後まで決して頭を上げないこと」
「レールを抜ける時に戻そうした時にエッジが掛かったからあのまま行っちゃった方がいいですよ」

周くんというのは実のところスーパー凄いライダー(注:いつかグローバル・インタビューでも登場願おうと思っている)で、まっ、いいアドバイスしてくれるのは当然というところもある。だが、つい最近レールを始めたカズもまた良いことを言う。特にカズは最近、今、僕が通って来た道を克服したばかりでアドバイスもひじょうに的確だ。そして、この日に一番いい言葉をいただいた、と思ったのは、

「一歩前進。二歩はダメですよ。ケガの元だから」

うーん、シンプルながら奥深い言葉だ。
そう、欲張らずに一歩上達するよう心がけチャレンジする。二歩以上前進しようとすると、ケガをする確立がひじょうに高くなるので危険なのである。ゆっくりだけと一歩一歩前進して、確実に上達して行けばいいのである。なーんだ、これって今まで自分で散々アドバイスして来たことなのに、新しい環境に来てどうやら僕は舞い上がってしまったようだ。そう言えば、最初の日にロックに挑戦した時は、「イエー、フサキさん凄え、いきなりメイクかよー!」なる言葉がほしくて憤ってしまったのだ。本当にアホな自分である。

そうだ。どんなに怖いことでも一歩一歩前進することで必ず克服できるのだ! 今、このコラムを読んでもらっている多くの人も僕と同じような気持ちだろう。今年はこの「一歩前進」の気持ちを持って、みなさん良いシーズンを迎えましょう!

一歩ずつ前進して行けば、いつかはお山の頂上だ。一気に二歩進もうとすれば踏み外して山から転落する可能性がある。だけど、あれだけ高いと思ったお山も一歩ずつ前進することで確実に頂上に近づけるのだ。「迷わず行けよ、行けばわかるさ」byアントン。ありがとう! 1、2、3ダー!!

 

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