リアルを味わう努力

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もしもタイムマシーンに乗って、過去の自分を褒めることができるのなら。
よくぞ海外に出る決心をしたな!と褒めてあげたいな、と思う。

スノーボードを始めたのは、高校2年生の時。
当時から僕はスノーボードに熱中していて、海外に行くことを親に希望したのだけど、断られた。
「ちゃんと高校ぐらい出てからにしろ!」と。

それから高校を卒業し、なんだかんだで親を困らせないために就職し、いつの間にか僕は、日本のサラリーマン生活に染まった感があった。
当時は、バブルで仕事もたんまりある時期だったから、毎日残業の嵐。泊り込みも3日間続くこともあった。

しかし、僕の心の奥底で何かが弾けた。
それは就職2年目の夏休みを利用して、ニュージーランドへスノボ旅行に行った時のこと。
現地で滑っている日本人スキーヤーや、現地で知り合った地元のスノーボーダーに感化され、
僕は、日本に帰るなり、辞表を叩きつけていたのだ。

でも、当時は人材難だったから、なかなか辞めることができなかった。僕自身、会社に忠誠を尽くし、一生懸命仕事していたし、上司の方に気に入ってもらえたことも要因だった。
課長は、僕の働くお袋の八百屋まで来て、辞めることのないように説得を始めた。
係長にも何度も食事に誘われ、説得された。

1989年、今から20年も前だったら、「スノーボードって何だ?」という時代だ。
「そんなもので喰っているわけないだろ!」って、ほぼすべての人に言われたものだ。

だけど、僕は「このスポーツはいつか必ず人気が出ると思います。今、人気がないからこそ、海外に行って本番のスノーボードを学び、日本にこのスポーツの魅力を伝えたいんです。」
と答えたのだ。

そして、たった一人だけ、肯定してくれたのは、幼かった頃から片親で僕を育ててくれたお袋だった。
「人に迷惑かけないんだったら、何をやってもいいよ」と、言ってくれたのだ。
だから、僕はニュージーランドに行って、その後、カナダにも行くことになった。

その時、まさかスキー以上にスノーボードの人気が出るスポーツだとはしっかりと認識していたわけでなかったけど、
「よくぞ、その決心したものだ!」と褒めてあげたい。
つまり、当時の僕の直感、「リアルなものを味合わないと、人は成長しない」ってことを実行できたことが良かったと思うんだ。

僕は、毎年、スノーボードの本場と言えるカナダ・ウィスラーに行くようになった。
その頃、僕のスポンサー環境などを考えて、心配されている方は、
「フサキ、日本でシーズン過ごすのも良いことなのでは?」
というアドバイスも受けた。

だけど、僕はむしろコロラドなど、当時もっとスノーボードが盛んなところ。僕が考えるリアルなところに行かないといけない、と考えていた。
残念ながら、そこまでは実現できなかったけど、ある程度、リアルなものに触れようと思い努力した結果は出たかな、と思う。

料理人なら、リアルな料理を食べないと始まらないだろうし、語学勉強にしても日本に留まって英会話をやっているよりも、英語を話す国で勉強した方が、身につく。

スノーボードでも同じでしょ?

すべての人が、海外に行けるわけには行かないだろうけど、自分が憧れるプロのスノーボーダーがイベントなどに来るのなら、例えそこに雪がなくても、行って会ってみるといいだろう。

例えば、テリエ・ハーコンセンを神のように思っている人。
バートンのイベントなどで、テリエが来るようなことがあったら、積極的に行って話してみるといい。
事前に用意していた英語で、何を言っているのかわからなくてもともかく話してみるのだ。

すると、そこには何かしらのスノーボードのヒントがあるかもしれないし、何しろ本物のプロ・ライダーと接することで、オーラを感じるというか、影響を受ける可能性はある。

例えば、有名なカメラマンとかでもいいと思うんだ。

自分が尊敬するところでは、今、同じウィスラーにいるけど、マルくん(Dice K Maru)。興味ある撮影シーンのことなど、聞いたら何か感じるものがあると思うよ。実際、僕はマルくんのアドバイスで「なるほど」と思うことがあるし、マルくんが物怖じなしにJPウォーカーのような大物とやりあっているところを見て、自分も自然にそうなれるようになりたいな、と思った。実際にそういうふうに自分を変えて、ステージを上げなきゃ、と。

じゃあ、どうしたら自分が憧れるようなプロの人たちに会えるのかな?なんて、思うかもしれないけど、ちょっと考えれば何かしらわかることが出て来るように思う。
まずは、念じることが大切だと思うんだ。
あのプロに会いたい!あんなリアルな世界に行って見たい!って。

そうすれば、何かしらヒントは見つかると思うよ。不思議な話だけど。

例えばシモンなら、大会で日本に来るし、サマーキャンプでもコーチもやっているし、こないだは神田にも来たでしょ?

実際に憧れの人に会うと、上がってしまうかもしれないけど、素直に自分の知りたいことを聞いてみたらいいと思うんだ。
一流の人は、きっとあなたがどれだけ真剣に聞いているか、察知するものだ。何か、大切なヒントを授けてくれるのではないだろうか。

だから、リアルを味わう努力。
大切だね!

 

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