なめるなよポコジャン

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先週はブラッコムがクローズしたのだけど、クローズ直前にパークにとんでもない大きなヒップができた。長さで10メートルぐらいなのかな? ライダーの飛距離は、それ以上になるから、本当にデカい。そんな巨大ヒップをハウツーBBSではもうお馴染みのカンジが、540を決めている。本人も今まで、これほど大きいヒップにはチャレンジするケースは少なく決まった後は本当に嬉しそうな笑顔だった。

そんなカンジがフリーラン中にいつものようにポコジャンをする。カンジはいつも「キッカーでの回転技の基本はフリーラン中に存在する」と言っていて、1本のランに180を多様する。これはカンジだけでなく、今年、僕がいっしょに撮影して来たライダー、ドニー・エルスやマーク・アンドレ・ターテなども本当にうまくゲレンデを利用してクルクル回したり跳ねたりしていた。

ところが、この日のポコジャンはシャバ雪だったのでなかなか手ごわかった。多くの人に使われたアプローチ部分は、しゃくれ上がっていたり、微妙に片方のエッジ方向に傾いていたり、シャバって踏み込みしにくかったり。あんなに大きなヒップでカッコよく飛んでいたカンジが苦戦して転ぶ。一見、素人が見たら、こんなポコジャンで転んでいるカンジがとても大きなキッカーを飛ぶことなんて不可能に思えるかもしれない。

だけど、このことでもわかるように実際、自然にできたポコジャンは難しいのである。対して構造物であるキッカーやヒップなどは、大きいというプレッシャーはあるが、アプローチのきれいさで断然に飛びやすい。この飛びやすさが時には、素人のケガを生むのである。

というのもキッカーは飛びやすいものだから、誰でもチャレンジできる。だけど、実力以上に飛ぶことができてしまうので、多くの人のケガがストレート・ジャンプに存在するのだ。パイプやヒップなど体の軸の移動やエッジの操作が複雑になる場所では、実力がないと飛べない傾向にあるのでケガは比較的に少ない方なのだ。

そうそこでぜひやってほしいのがポコジャンである。
ポコジャンはうまくないと飛べないので、リスクが少ない。
自然にできたものであるから、侮れないし難しい。
その難しい環境でうまく飛べることで、実力がつくのである。

今年、ウィスラー・クラブ員になったハジメは、シーズンを通して、ほとんど上級者パークに行かなかった。それはフリーラン中のポコジャンが楽しかったからしだし、またその中でも特にポコジャンのアプローチの難しさにハマって、それを克服するのに夢中だったからだ。
そして、4月後半になって上級者パークに入り、いともカンタンに大きなエアーをこなした。しかも回転技も違和感なくこなしたのである。ハジメは言った。
「ポコジャンの方が難しい。キッカーはカンタンだ。」
そして、オレはハジメなどウィスラー・クラブ員にこんなことを言っていた。
「上級パークの本番は春だ。」

ハジメが今期一発目のダブルブラック・ダイヤモンドのキッカーで、スムースに飛んでいる姿を見て、自分が言っていることの正しさを実感できた。
そして、この年も多くの日本人スノーボーダーたちが上級パークで撃沈されケガをし、日本に帰ったことを聞いて、やはりすべての基本はポコジャンで、構造物ジャンプ台の怖さを感じたものである。なめるなよポコジャンである。
ポコジャンをもっと飛ぼう!とたくさんのスノーボーダーに伝えたい。

 

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