チューンナップ その5
ストラクチャー
今回はストラクチャーの話です。前回は買ったばかりのソールの状態からチューンナップに出す理由を説明しました。今回はさらに滑るためのチューンナップ項目、ストラクチャーについてです。
ストラクチャーって何?
ソールの表面はツルンツルンの状態よりもストラクチャーを入れた方が滑りが良いのです。ストラクチャーとは簡単に言えばソールに入れる溝のことです。なぜ、ソールに溝を入れると滑りが良くなるのか。それはいろんな理由があります。
・水はけがよくなる
滑走中に雪はソールの表面では小さな水の結晶に変わるのは以前説明したとおり。この水の結晶を効率よく転がすためにストラクチャーがあるのです。下敷きを二枚合わせて、間に少し水を入れるとぴったり張り付きますよね。これがストラクチャー無しの状態のソールと雪面の関係です。ストラクチャーは排水溝の役割を果たし、効果的に水を流します。真っ平らな地面では水は水たまりとなってしまいますが、排水溝のある地面では水は排水溝に沿って流れます。これと同じ理屈です。
・ソールの表面積が広くなる
ワックスをソールに浸透させるにはソールの表面積が広い方が効果的です。同じ分量のワックスを塗っても表面積が広い方がよけいに浸透するからです。ワックスが浸透すればするほどボードの滑走能力が上がるのですから、ストラクチャーによって表面積を広げてあげることは、滑走能力の向上につながります
具体的なストラクチャーの選び方
ストラクチャーには種類があります。エッジに平行に入れる「ストレート」交差させながら入れる「クロス」。ストレートは水が前から後ろにまっすぐに抜けていきます。ですが、ターンの最中などは、水は外方向に抜けようとする力が働くので、効果は半減します。クロスでは水は前から入ってきて左右後方に抜けます。直滑降時にはストレートの方が抜けがよいのですが、ターンの最中などはクロスの方が抜けが良いです。一般的にはストラクチャーはクロスで入れられます。これは総合的に見てクロスの方がオールラウンドに効果を発揮するからでしょう。
また、ストラクチャーには深さもあり、雪が締まっているハイシーズン中は浅め、水が浮き出てくる春先などには深めが効果的です。これは水分が少ないと水はけの効果よりも引っかかりの方が大きく影響し、水が多くなると引っかかりよりも水はけの効果が勝るからです。
普通、シーズン初めには浅めのクロスを入れ、春先などには深めのクロスを入れるのが効果的とされています。
ストラクチャーの効果は、はっきり言って体感できるほどの物にはなかなかなりません。ですが、その板の持っている100%の能力を発揮するためには必要と考えられます。今より少しでもレベルアップしたい人。持っている板を100%使い切りたい人はストラクチャーを入れると効果があります。最近では初めからメーカーでストラクチャー加工をして出荷するボードも増えてきました。それだけ、ストラクチャーは効果があるとメーカーサイドも認めてきたと言うことです。より快適に滑るためにストラクチャーを入れてみることをおすすめします。
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