シンパシー

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近所に住む大河の友達のカンタくんが誕生日パーティを開いた。カンタくんは5歳になり、大河よりも半年ほど上だ。近所では唯一の日本人ファミリーで、仲がいい。また、このファミリーの方たちは、みんないい方でお付き合いさせてもらって、とてもありがたく思う。
最初、大河はもう1つ居心地が良くなさそうな感じでもあったが、徐々にいろいろな友達が来て楽しそうに遊んでいた。
ウィスラーには日本人ファミリーも多く、そこには一体感とか仲の良さがあるが、ウチはそれほど仲良く付き合っているわけでもない。逆にシャーリーの友達関係のファミリーの方がより深い付き合い方をしている傾向だ。やはり、ファミリー付き合いというのは、どちらかというとカミさん主導型になるようだ。
そんなワケもあって、大河はこうして日本人ファミリーの中に入ると、やや躊躇するというか照れる部分もあるようだ。他の子供たちは常にいっしょに遊んでいるので、お互いとても仲がよく、大河は頼みのカンタくんが他の子供と夢中になって遊ばれてしまうと、もう1つ入っていけないところもあるようだ。
まあ、そのへんは子供たち同士、ということですぐに仲良くなってしまうのだけど。
自分の場合も、お母さんばかりの席なので、やや溶け込みづらさは感じるけど、みんなとても話していても楽しい方たちなので、居心地もすぐに良くなった。
実を言うと、オレは子供の頃からいろいろ預けられていた関係で、どこに一人でいてもそれほど寂しいと思わないところもあるし、またどこに行っても適度に馴染めるというところがある。保育園も赤ちゃん保育園と言ってどこの子よりも小さい時から行っていたし、帰る時間も誰よりも遅かったし。確か当時は「居残りさん」なんて、呼ばれていたような気がする。
それと、常に他人の家にお世話になっていたので、他人が何を考えどんな思いでいるか、ということも敏感に察知できるような気もするのだ。逆に言うと、20代の時には他人の感情を関係なしに行動することもあったが、それはある種、自分の持っている性格からの反発のようなところがあり、結局、自分は他人が何を考え、どんな行動を欲しているのが見てしまうクセがあるというか。
例えば、自分が一番気になるのは、ある集まりの中で一人ポツンと寂しそうにしている人。こういう人を見ているとほっておけない。だから、キャンプでもそういう人がいたら積極的に話しかけるし、逆にみんながハッピーだと変に安心して何もしない、というところもある。
あと、他人の考えを想像する力は、スノーボードを教える時にも役立っている。例えば、あの子はどこでどんな恐さを体験しているか?ということを考えるから。自分のような同じ職業に医者というものがあるが、ある医者が人の思いを受け止めていない風だと、メッチャ頭に来てしまう。それでも医者かよ!それでもお前はプロフェッショナルなのかよ!と。
まあ、医者とかに限らず、学校の先生など教える立場の人は、きちんと社会で何年か勉強して、ある程度人の痛みなどわかっておいてなっておいた方がいい、と常々思う。
そう言えば、前こちらのインスラクターのプロフェッショナルな定義を話していた時、シンパシー(思いやり)というのがあったけど、あれは本当にいい教え方だなあ、と関心した。インストラクターは思いやりが大切だと。思いやりというのは、他人がどう考えているか想像を巡らす作業である。とてもとても大切なことで、ぜひ日本のインストラクター講習にも、こういう精神的な部分を教えてほしい、と思う。まあ、あるのかもしれないけど、あまり教程本とか読んでもそういった一番大切なこと書いてないから、「ない」と思うのだ。まあ、こういったことはどんな仕事に就いても大切なことだし、基本なことでしょ?

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