【フサキ日記】プロテクター

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朝一番、山に上がる前には、このニー・プロテクターが欠かせません。

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だけど、かなり傷んで来てしまったなあ。もう数百日とか使い続けて来たから。

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2つあるけど、両方ともかなり。


プロテクター職人であるキミツヤの佐藤栄一さんに出会ったのは、もうかれこれ20年も前のことだろう。
これまでの人生で様々な人にあったけど、あれほどモノづくりにこだわる人も見たことがなかった。
当時、世界でも初めてスノーボードのプロテクターを作るということを、僕は佐藤さんといっしょにやって来たのだが、ともかく妥協がないのだ。

「佐藤さん、もうこれほど強度があるプロテクターなら、十分ですよ。商品化にしましょう。」

佐藤さんは、まだまだという感じで、普段の生活にも開発中のプロテクターは付けていた。時にはスキー場でなくアイスリンク場でもテストを重ねていた。

佐藤さんは、元々はアイスホッケー、また競輪などの選手のプロテクターを作っていた職人。それがあるカナダの伝手から、スノーボードのプロテクターを作る話が出て、そこに自分が関わったのである。

凄い大袈裟のことを言わしてもらえば、世界で初めてスノーボードのプロテクターを作ったのは佐藤さんで、僕はその世界初の作業に関わらせてもらった。

その佐藤さんが作ったプロテクター、CCC Design、Hazakは今でも問い合わせが多くて困ってしまう。
僕はその度に「申し訳ありません。もう製作していません。佐藤さんは引退して作れないのです。」と返答している。

だから、もし今、あなたが佐藤さんが作ったプロテクターを持っていたら、大事にしてください。

ところで、初めてプロテクターを受け取った時のこと、覚えていませんか?
封を開けた時、ちょっとタバコの匂いがしたのでは?
佐藤さん、仕事の合間によくタバコを吸っていたからなあ。そして、僕が日本に帰る度に、飲みに連れて行ってもらい、人生の様々なこと、時には哲学的な話をよくされていた。

いつだったか、ウチで作った大根が、まずくてしょうがない、という話をしたら、
「肥料もなし、土もろくに耕していない。そんなところで育った野菜は、食われたくなくて、まずくなっちゃうんだよ。野菜だって、野生で育った奴は強い。」

佐藤さんとの会話はいつもこんな感じだった。スノーボードの話は、全体会話の1割から2割、残りは人生について語っていたような。
佐藤さんは、病気になってこんなことも言っていた。
「タバコが吸えない。お酒が飲めない。もう生きている価値がない。」と。

その時は、さらに改良したプロテクターを作りましょう!と励ましたけど、残念ながらそのパワーは残っていなかった。

でも、佐藤さんの作ったプロテクターは、今日もどこかのゲレンデで活躍していることは間違いない。そういった意味で、これからもずっと佐藤さんの力が多くのスノーボーダーをサポートし続けるのだろう。

 

 

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