【コラム】起きて破り!?全米トランズ誌のeコマース事業

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文:飯田房貴

世界のスノーボード・メディアで最も影響力を持つと言っていいだろう、全米で発売されているTransworld Snowboarding誌。そのトランズ誌のwebサイトは、ここ一年間の間に最新のイベントや大会の模様を動画でリリースしたり、またハウツー動画のアップの頻度も高まっている。まさに、インターネットの特性を活かしたコンテンツが充実して来た。

そしてここへ来て、さらに大きな動きとして、webサイトのショッピングであるeコマース事業が拡大している。(以下ページ参照)
http://snowboarding.activemailorder.com/Catalog/category.aspx?j~&cp=1&ct=13&sc=92&sm=-1&br=0&bx=1&at=-1&bi=0

どうやら北米で最も販売力チェーンを持つショップのActive(注:西海岸に20店舗を持つ横乗り系ショップ)が絡んで行っているビジネスのようだ。(注釈1)

コンテンツ発信者のネット販売において日本では、SBN STOREが有名だ。しかし、全米トランズの販売展開とは大きな違いがある。というのも、トランズの方には、僕たちがよく知っている有名なブランドがズラーっと並んでいるのだ。

例えばボードなら、Burton、Forum、Nitro、Romeなど。ほとんどの有名ブランドのモデルが購入できてしまう。ボードだけでなく、バインディングもブーツも。もちろんアパレルやアクセサリーまで、すべて!
一方のSBN STOREは、Burtonなどの有名ブランドの取り扱いはあるが、ボードなどのハードグッズは、あまりない。(注釈2)
というのも、日本ではまだまだホームページ上での直売はタブーだからだ。メーカーがこのようなビジネスに同意できかね、という面がある。

もし、このようにリアル店舗を持たないコンテンツ事業者がネット販売すれば、ショップの存在は薄れてしまう!?

確かに、そのような面もあるだろう。しかし、購入代金が高いボードやバイン、ブーツなどのハードグッズを実際の商品を見ないで、購入するとは考え難い。特にブーツは試着して購入するものだろう。また、見たところトランズで販売している商品は、定価のようなので、リアル店舗の被害は少ないかもしれない。

しかし、近くに充実した商品を置いてあるショップがない地方の方、もしくは忙しくてなかなかショップに行けない方、すでに商品を決めていてショップに行く必要がいない方などは、このようなトランズ上のシッピングを利用することも考えられる。

このような販売方法が徐々に浸透して来れば、将来、メーカーがショップを通さずにネットを通して直売するという動きが加速することになる、というのは考え過ぎだろうか。
メーカーは、ショップに卸すための中間マージン分、安くすることができるので、これをやられたらショップの立場がないだろう。Activeというショップが絡んでやっているにせよ、影響力の高いコンテンツサイトで行っているeコマース事業は、将来、ショップの存在を薄れさえてしまう禁断の扉かもしれない。だから、やはりこれは起きて破りの動きと言えるのではないだろうか?

とは言うものの世の中、どんどんネット・ビジネス化される中で、往来あったビジネスが津波が来た時のように急になくなってしまう、という動きは誰にも止められないのかもしれない。

 
しかし、このコラムを執筆してきて、そもそもショップのアイデンティティ(存在価値、存在意義)はどこにあるのだろうか?と、考えずにはいられなかった。
というのもお客さんは、ただショップに商品を購入しているだけではないからだ。きっと現在、成功しているショップなら、その答えわかっているに違いない。そして、お客さんである立場の方も、きっとその答えを見つけていることだろう。

だから新しい動きは出るにせよ、これからもスノーボード・ショップは、ユーザーにとって大切な存在だ、と思うのだ。

注釈1・・・トランズの販売サイトに行くとActiveのマークが出ているので、絡んでいるのは間違いない。しかし、どのようなビジネス形態か。トランズのwebサイトから発生された売り上げ分に、Active側からマージン料を支払っているのか。もしくはトランズに年間販売ページ利用料として支払っているとか。

 
注釈2・・・SBN STOREの場合には、単に有名ブランドものを持つというだけではなく、どこよりも早く流行になる商品を見つけて販売しているという側面もある。ネットから新しいブランドを発掘するという考えだ。
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