【コラム】遅咲きライダー万歳!

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文:飯田房貴 fusaki@dmksnowboard.com

最近、トミーがSunday In The Parkに出るようになって、良い意味で驚いています。

カリフォルニアにあるベアーマウンテンが制作している動画ですが、その配信は世界を代表するスノーボード・メディア、トランズ誌からリリースされているので、視聴者の数はとても多い。そんな世界中のスノーボーダーが見ている人気動画に、日本人であるトミーが出ているのです。(以下、最新のSunday In The Park動画。)

どんな経緯で出れるようになったかと聞くと、

「撮影に参加できたきっかけはローカルの奴らとスノーボードで仲良くなってって、フィルマーとも繋がれて。なんとなく撮影に混ざっていたら、使ってくれたんです。今ではフィルマーも、ライダーもかなり仲良くなってるんで、タイミング合った時にテキトーに撮って、日曜日に使われるって感じ。かなりオイシイですよね。(笑)」

とのこと。

さらに今、どんな生活環境か聞いてみると、

「今は一人でベアーマウンテンとロサンゼルスを行き来してて、いくつかの友達の家のカウチで寝ながら、ちょいちょいバイトしながら、ちょいちょい滑ってます!」

と、たくましい回答(笑)。

その行動力も凄いけど、この幸運に恵まれるのも凄い。
まさに行動力ナシに、幸運は訪れない!という感じ。

日本人はとかくつるんで行動してしまうのだけど、トミーは一人で行動できているところが幸運をつかんだきっかけだと思います。その場その場で仲間と合流するのだけど、自分で考え、一人で行動している。

よく自分のところにも、「フサキさんに相談したいことがあるんで、お邪魔していいですか?」と聞かれたので、そいつが来るのを待っていると、なぜかお友達も連れて来る人がいます。
「なんなんだ!」って思いますよね。相談ということで一人で来るのかと思えば、友達と来ちゃうんだから。こっちもちょっと泡喰っちゃったり。

「撮影に行こう!」なんて話していたら、「なになにちゃんも連れていいですか?」とか聞くライダーもいます。コイツやる気あるのか?ってあきれてしまいますね。

飯でもなんでもともかく友人を連れて来てしまう日本人ライダーの悪い癖というのかな。だいたいそういう奴は、自分の経験から言ってもチャンスは巡り難いですね。

一人で行動するから、「コイツ偉いな。面倒見なきゃ。応援しなきゃ。」となるわけだし。

僕自身一人で行動して、様々なきっかけをつかんで来ました。

最初にカナダに来た時、職場のスタッフアコモデーションに滞在していたけど、「このままではダメだ!」と思って、一人だけ出て行き、知り合ったカナダ人ライダーとシェアして住むようになりました。いっしょに住む奴が、部屋を汚したり、洗い物をしなかったり。まあここで書けないような様々な不都合も感じたけど、その後の自分のスノーボード人生の糧となったし、大きな出会いもありました。
その時に春に居候していたライダーが、後に世界を代表するプロ・ライダーに!
そのライダーは、ケビン・ヤングと言って、90年代にかなり影響力を与えたライダーです。

トミーもこうした行動力の強さで、Sunday In The Parkに出演できるきっかけをつかんだと思います。そして、実際に撮影しうまく自分のスノーボーディングが表現できて、その映像が使われたのでしょう。

そういえば、トミーは、以前にも突拍子もない行動で、幸運をつかんだことがありました。
それは、彼が21歳に挑んだ海外でのビッグエアー大会。
日本でも無名だったトミーが14位に入った快挙。以下にそのことが紹介されています。

ある無名の日本人ライダーが挑んだTTR 5 STAR大会
http://dmksnowboard.com/special/unknown-soldier-rider

 

あのビッグエアー大会で、大きな成果を上げたトミーだけど、その後のライダー活動は鳴かず飛ばず。
しかし、ここへ来て再びSunday In The Parkに出演できるようなライダーになって活躍を始めています。これまでたくさんのライダーたちを見て来たけど、こうして遅咲きというか、開花するパターンもあるんだな、と思い知らされました。

もう一人、遅咲きライダー万歳!の例としては、ユータを思い出します。

渡辺雄太も、DMKではかなり前から応援して来ているライダーの一人です。
現在は、アウトウェア・ブランドでトップの1つであるTHE NORTHFACEと契約していて、バックカントリーの世界で活躍しています。(以下、参考インタビュー記事。)

我が道行くプロ・ライダー/渡辺雄太
http://dmksnowboard.com/interview/going-my-way-yuta-watanabe

 

自分の足で山を上がり、ラインを刻むスタイル。これまで誰もが挑んでいないような斜面を挑む姿。
こうしたユータの活動は、今でこそ多くの人に認められて、業界からも高い評価を受けるようになったけど。今よりも彼が若かったい時、正直こうした活躍ができるとは思っていませんでした。

以前ユータは、自分のやっていきたい活動とは隔たるようなスポンサーからの要求があり、悩んでいたこともあったようです。
でも、彼はせっかくもらったスポンサーを外す覚悟してまでも、自分のやりたかったことをやって来た。様々なしがらみがある中で、自分の思うような生き様を目指すということは、ライダーにとってなかなかできることではありません。ライダーにとっては大きな決断だったと思います。

彼がプロ・ライダーとして成長する過程には、スイスで山岳ガイドをやるということもあったのだろうし。あえてモービルから離れて、自分の足で登れる斜面を攻めることを始めたということもあるでしょう。いつも自分の心に正直に行動し続けて今の成功があるのだと思います。

成功した要因は、決して言い訳がないということ。

「こう思っていたのに、スポンサーがこういうことを要求するのでできなかった。」とか、「こういう活動がしたいのに、生活費を稼ぐために、出世できなかった。」という類の言い訳なし。コツコツと、現在置かれた状況の中、冷静に未来を見つめ、未来を信じ行動し続けたのだろう、と思います。

今、スノーボード界では25歳を過ぎ、または30歳を過ぎてしまって、将来を不安視するライダーも少なくないか、と思います。
だけど、トミーやユータのように成功する遅咲き万歳!の例もあるわけです。じゃあ、そのためにはどうしたらいいか、ということで今回のコラムを書いてみました。

まとめ
1)夢や目標を持ち、あきらめないこと。
2)現状の不満を言う暇があったら、今できることをやってみること。
バイトしながらでも、働きながらでも、できることはある。いつかチャンスをつかめると信じ、考え続け、行動をし続ける。
3)一人で行動できること。

 

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