【コラム】今季さらなるスロープスタイル進化はあるのか!前人未到の角野友基の神ランを振り返る

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Story: Fusaki IIDA

ニュージーランドではワールドカップが開幕し、オーストラリアでは世界のトップ・ライダーたちが集結したザ・マイル・ファイルが開催された。南半球では、一足早くスノーボード大会の戦線火蓋は切って落とされた。

現在のスノーボードのコンペティション・シーンにおいて、スロープスタイルほど熱い種目はないかもしれない。
同じフリースタイル競技であるハーフパイプも魅力的だし、トリック進化は見られるが、スロープスタイルの進化の方が激しく感じるのだ。
まして、スロープスタイルはビデオスターたちの宝庫で、映像で活躍するトップライダーがそのまま競技という面でも活躍するところが嬉しい。

例えば、ビデオと競技両方で活躍する選手となるとざっとこんな感じだ。

ステール・サンドベック
マーク・マクモリス
トースタイン・ホグモ
セバスチャン・トータント

など。

こういう傾向は、他のスノーボードの競技ではなくなって来ている特徴である。
(注:ここではスロープとビッグエアーに出ている選手がほぼ同じであり、また同じような環境であることもあるので、ビッグエアーもスロープという仲間で語らせていただく。)

さて、本題に入るが、昨シーズン3月のUS OPENで、角野友基は前人未到の神ランとも言うべき、とてつもないトリック&ルーティーンを行うことに成功している。
まずは、ルーティーンなどゴチャゴチャ語る前に、手っ取り早くその動画を見ていただこう。

前半のジブセクションは、
スイッチバックサイド270 in 270アウト→リップスライド to フェイキー→ハーフキャブ in 50-50 to 360アウト
危なげなく決めている。
ここでのインパクトは、そうでもないかもしれないが、一発目のスイッチバックサイド270のオンしたところの決めなど、随所にスタイリッシュさが溢れている。

しかし、ここまでは普通の世界のトップレベルと言えないもない。
だが、その後のジャンプ・セクションで凄いことが起きてしまう。

ファーストヒット:フロントサイド・ダブルコーク1080
セカンドヒット:バックサイド・トリプルコーク1620
ラスト・ヒット:スイッチバックサイド・トリプルコーク1620

という神技を披露したのだ。

現在、バックサイド・トリプルコーク1620というのは、X-Gamesでのビッグエアー大会(ストレートジャンプ種目)のトップ・レベルのトリック。それを、スロープスタイルという、ジャンプをつなぐ競技で見せることだけでも凄いのに、そこからスイッチでさらに連続で続けてしまったのだ。その結果、角野は前人未到のバック・トゥ・バック1620を完成させた最初のライダーになった。しかも、その舞台がスノーボード界で最も歴史を持つ、US OPENだったのである。

今でこそ、オリンピックの結果こそスノーボード競技の最高峰というイメージが定着してしまったが、長くスノーボードをやって来た方や、スノーボードという世界にどっぷり浸かった方なら、US Openこそ最高峰というイメージがあるのではないだろうか。それは、あたかもサッカーのワールドカップがオリンピックよりも盛り上がるように。
その大舞台での神ランは世界中のスノーボーダーに強烈なインパクトを残すことに成功したと言えよう。
ジブ・トリックのさらなる進化も見られるのは間違いないだろうが、ここではわかりやすく盛り上がりやすい、ストレート・ジャンプに焦点を当て、今後のトリック、ルーティーンの進化を考えてみよう。果たして、この「フロントサイド・ダブルコーク1080→バックサイド・トリプルコーク1620→スイッチバックサイド・トリプルコーク1620」を超えるルーティーンは、近い将来現れるのか?

答えは、YESだ!
実を言うと、もうその傾向が表れている。

まず、最初のジャンプ。
ここでは、通常、あとの2つのジャンプにつながるよう小さめの台になっている傾向があり、また後のトリックにつなげるように無難なトリックを選ばれる傾向が強い。しかし、すでに先のワールドカップで稲村奎汰が1260を狙ったのだ。今後、ファーストヒットから難易度が高いトリックを狙う選手がどんどん増えていくことだろう。もしかしたら、ファーストヒットからいきなり1620が飛び出すかもわからない。考えただけでも、恐ろしいけど。選手の練習は、さらに過酷な状況に入るだろう。

次にストレートジャンプの進化だが、ここでもこの春、とんでもないことが起きている。
改めて、この2つの動画を振り返ろう。

イギリスのビリー・モーガンが、世界初のバックサイド・クワッドコーク1800。

カナダのマックス・パロットは、世界初のスイッチ・クワッドコーク・アンダーフリップ1620

そう、すでにストレート・ジャンプだけなら進化を遂げているのだ。
これが、コンテスト・シーン出せるかどうか。

まずは、ビッグエアー競技で。
次にそれより難しいスロープスタイルで出せるかどうか。

どんどん進化をして選手のリスクが高まり、実のところ僕自身、怖さすら感じる。
ここまで進化して選手の安全面は?lこれ以上、キッカーを大きくしたらさらに進化してしまうだろう。

今、スノーボードのスロープスタイルは、進化を求め過ぎて歯止めが効かない状況にもあるように思える。
結局のところ、この進化を恐れぬ者だけが、さらに時代を進めるのだろう。

さらに一昨日、ニュージーランドのビッグエアー大会で、角野は新技!フロントサイド・トリプルコーク1440も決めている。最後にこの動画をご紹介したい。

このトリックがいかに難しいか、ということは以下リンク、トランスワールドの方でわかりやすく解説されているので、ぜひそちらを参考にしてほしい。
http://www.transworldweb.jp/snow/snownews/news/kadono-yukis-perfect-makeup-super-challenging-spin-fs-triple-cork-1440/

 

 

 

 

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