今回は、すべてのスノーボーダーの方に捧げたい『ダイナミック・ストレッチング』をご紹介します。
滑る前にやると絶好調になる!魔法のストレッチング。
スノーボードをもっとうまくなりたい!だけど、ケガはしたくない。
そんな人は、今回の特集、必チェック!!
Photo: Fusaki Iida
講師:高石 周 http://sportscoaching.blog72.fc2.com/
カナダ(ウィスラー)でスノーボード・コーチとして活動。 主な資格 スノーボード スポーツ心理 ジムナスティック(体操) NCCP(ナショナルコーチングサーティフィケイトプログラム) |
ダイナミック・ストレッチングとは?
ストレッチングという言葉は、みんな聞いたことがあると思うけど、ダイナミック・ストレッチングというのは、あまり聞いたことがないのでは?
ですからみなさんにはぜひ全部やってほしいのですが、シーズン中、何度も山に足を運べない方にとっては、短い時間で行わなければならないものかもしれません。
そこで、dmkでは、「お手軽コース」と、「本気コース」を提案し、周コーチにメニューを組んでいただきました。
ダイナミック・ストレッチングは、みんなが良く知っている静的ストレッチングとは違って、動きの中で腕や足を回して関節の可動域を広げていくこと。これから、行うスポーツの運動を模した動作をすることで、それぞれの動きの柔軟性を向上させることができます。すると、今からやろうとするそのスポーツのパフォーマンス向上につながり、またケガをも防ぎます。
みんながよく知っている静的なストレッチングは、疲労回復の促進やリラクセーションに効果があるので、スノーボードをした後、お風呂で身体を温めてから行うことをオススメします。
また、静的なストレッチングを多用し過ぎると、筋が伸びきってしまい、瞬発的な動きや筋力が落ちてしまう可能性がある、と言われています。
だから、ダイナミックストレッチングをスノーボードをする前に行い、静的ストレッチを運動後に行うと良いのです。
今回は、カナダでコーチング学を学び、今、スノーボード界のコーチングで最も先を行っている一人と言われている、高石 周コーチがスノーボーダーのみなさんに最適なダイナミック・ストレッチングの内容を提案していただきました。
また、単に筋力の柔軟性を高めるいう観点のストレッチング説明だけでなく、スノーボードのウォーミングアップを兼ねたエキササイズ要素の説明も加えました。
ここで周コーチが紹介するダイナミック・ストレッチングの内容は、数あるダイナミック・ストレッチの一部です。
お手軽コース | 本気コース | |
1 ジャンピングジャック 2 サイドステップ&腕回し 3 サイドランジ 4 足振り 5 上半身回旋+下半身上下動 6 スピン 7 ジブトリック
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1 ジョギング 2 腕立てからジャンプ 3 バック走 4 スキップ 5 サイドステップ&腕回し 6 モモ上げ(または「タックジャンプ」) 7 バムキック 8 フロントランジ 9 サイドランジ 10 斜めランジ&上体捻り 11 股関節回し 12 足振り 13 上半身の回旋 14 上半身の回旋+下半身上下動 15 ヒザ引き付け 16 肩関節の回旋 17 スノーボードイメージトレーニング(スピン&ジブ)
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ダイナミック・ストレッチ注意点
1)身体が冷えた状態で急激に行うと、痛みが出るかもしれません。
ジョギングなどで身体を温めて行いましょう。
2)偏った部分だけのストレッチは、身体のゆがみを生む元。
必ず、左右のストレッチングを行い、バランスを考えて、一見スノーボーディングで使わないと思われる部分もやっておきましょう。
身体全身をバランスよくストレッチングすることが大きなポイントです。
3)過度な反動を使ってはいけません。
まして、いっしょにストレッチングを行なっている仲間と競争することはご法度です。
身体の柔らかさは人それぞれなので、自分のペースで気持ち良く楽しんでできるところで行いましょう。
4)動かしている関節を強く意識することで、より効果が上がります。
集中が大切です。
お手軽コース
(普段あまり体を動かさない人)
1.ジャンピングジャック
全身運動で体を一気に温めましょう。
できるだけ大きく速く動いてみましょう。
回数は、20回以上行うこと。
これからダイナミックストレッチで関節等を伸ばしていきますが、身体が冷えていると筋を痛めるかも。
だから、ウォーミングアップという目的も持つといいでしょう。
2.サイドステップ&腕回し
腕を大きく振りましょう!
肩の関節など、しっかりと回しておくことで、転倒時のケガを防ぐことにもつながります。
上半身を気持ちよくほぐしていきましょう。
普段デスクワークしているお父さんは肩周りが固くなっているので、ぜひそういう方にもオススメです。
3.サイドランジ
背筋を真っ直ぐに保って。大きく左右に足を踏み出し、深く腰を落とします。
左右合わせて10回程度。
サイドランジは中臀筋への刺激を得られる数少ないエクササイズ。中臀筋が弱いと片足でアンバランスになると言われていて、バランスを保つスノーボーダーには、大事な要素です。
4.足振り
何かにつかまりながらやりましょう。
まずは無理なく小さく振ります。
急に足を振ると痛める可能性があるので、徐々に可動域(振り幅)を広げていきましょう。
左右各15回を2種類。
足振りを行うと、バランスのとれた腹筋と背筋になり、腰痛になり難い身体になりますよ。
また、股関節が大きく動くようになり、腰、ヒザ、足首の負担が減ると言われています。
まさに、スノーボーダーには欠かせないエクササイズ。
5.上半身回旋+下半身上下動
その場で飛んでスピンするように、ヒザをしっかりと曲げて小さくなったところから腕を振り上げます。
下半身の上下動に合わせて、上半身をタイミングよく回転方向に振り回すりょうにしましょう。
顔も回転方向に回すことを忘れずに。
一方向に10回ずつ。
今日のスピン・トリックの調子が、良くなりますように!
6.スピン
実際に回ってみましょう。
スノーボードでジャンプ台で回ることをイメージします。
180、360、540、720。
できる範囲で回してください。着地もしっかりとできていないと練習意図が弱くなりますよ。
左右に5回ずつ。
7.ジブトリック
実際にジブアイテムが目の前にあるかのように、ジブトリック模擬練習。
正しいイメージなしに、実際にトリックが決まるわけがありません。
どんなトリックでも良いですよ。
ストレッチング効果を考えて、できるだけ強く上半身と下半身を捻りましょう。
片足だけでバランスを取りながら強く踏み、スピンも組み込みましょう。
3分間ほど行なってください。
次回の「本気コース」に向けてメッセージ
実を言うと、今回、ご紹介した「お手軽コース」は、まだまだ序の口なんです。
だけど、これまでやったことがない方にとっては、ぜひともやってほしかったので、簡単メニューを紹介しました。
普段あまり運動習慣がない方にもオススメな軽めのメニューにしてあります。
最低限、これだけはやってほしいという気持ちで、周コーチに無理を言って、7つに絞ってもらいました。周コーチは、7つだけに絞ることを苦労していましたが、
なるべく全身バランス良く、ストレッチングできるように組んでくれました。
今回の企画を通して、ぜひともダイナミック・ストレッチングを行う、習慣を身に付けてほしい!その取っ掛かりに、軽めのコースをご用意したワケです。
だけど、実際にはもっと多くのダイナミック・ストレッチングを行うことで、その効果は高まっていきます。
そこで、次回の「本気コース」では、さらに多くのストレッチ項目を紹介していきます。「本気」というと大げさかもしれないけど、本当は次回のメニューをすべての方にやってほしいのです。
どうぞ、お楽しみに!
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