ここ最近、世界のキッズ層ライダーがヤバいことになっている。アメリカや、ヨーロッパ、そして日本でも大人プロ顔負けの実力キッズが出て来ているのだ。
ここで言うキッズ層というのは、小学生から中学生までのジュニアのこと。世のスノーボーダーのパパやママは、きっと気になっているに違いない。どうしたら、そんなスーパー・キッズ・ライダーになれるのか?
元々運動神経が良かったのか?小さい時からの英才教育の賜物か?それとも日々の努力が功を奏したのか?などなど、気になる。
そこで、今回のインタビューでは、実際にスーパーキッズと言われ、日本のスノーボード界を背負っていきそうな角野友基のパパ、角野雅一さんにインタビューを試みた。
Interview: Fusaki Iida
雅一さん、まず最初の質問なのですが、友基くんは元々運動神経の良いお子さんだったのですか?
昔から、ズバ抜けて特に何かに長けてると言うことはありませんでしたが、どんな種目の運動でも、人並み以上にはできていました。中の上と言ったところでしょうか!?
ただ、できない運動と言うのがありませんでした。何でもできる子でした。
運動神経と言う点では、良かった、と言うことになると思います。
友基くんはどんなきっかけでスノーボードを始めたのですか?
始めたのは、私の影響です。
普通の親御さんなら、子供といっしょにキャッチボールがしたい!とかって思うじゃないですか。
それが私の場合、たまたまスノーボードだったんです。
息子といっしょに滑れたらいいなぁって思って、誘ったんです。
初めは、六甲山人工スキー場でレッスンを受けました。
そしたら、その日のうちに滑れるようになってしまって、親子共に、続けよう!って気になりました。
へえ、親子でいっしょにスノーボードってとても楽しい思い出になったと思います。
最初に始めたのは何歳ですか?始めた時のスノーボードというのは、どういう感じですか?まさか最初らパークはないですよね(笑)。
まさか、最初からパークはなかったですね(笑)。
始めたのは、8歳の時です。
六甲山人工スキー場でコーチをしてくれたインストラクターの方が、snowpark神戸(フリー区)と言う室内でもレッスンをしてると言うことで、そこでお世話になることにしました。
毎週一回、同じ世代の子供たちといっしょに滑ってました。
室内という短い距離ではありますが、まずはフリーランをしてました。
でも、すぐにキッカー飛んでみたい!って、大キッカー飛んでました(笑)。
当時からジャンプが好きなヤンチャのお子さんだったんですね。
よくお子さんによっては、せっかく雪山に行っても、「寒い」、転んで「痛い」、挙句の果てには「もうやりたくない!」って子もいますが、友基くんにはそのようなことはなかったのですか?
スノーボードに関することで、下向きな考え方は全くありませんでした。
なんせ、滑りたくて滑りたくて。寒くても、痛くても、滑れればOK!みたいな。
お父さんのスノーボードに賭ける情熱が、そのまま友基くんには乗り移ったようですね。
友基くんは、ジャンプが好きなようだし、もはや世界レベル級の原石を発していますが、上達する過程で恐怖感とかはなかったですか?
本当にジャンプが好きなようです!
恐怖感・・・どうなんでしょうか?
本人がどう思ってたかは定かではありませんが、見てる限りでは感じませんね(笑)
恐怖感より、楽しさの方が上回ってるんじゃないですか?
それは、凄い!やはりそのへんは天性のものを持っていると言えそうですね。
お父さんが、友基くんを指導するにあたり、気を付けていることは何ですか?
指導と言うか・・・、技術的なことを教えたことはありませんね。
ただ、滑る時には必ずビデオを撮るようにしてました。
子供って、良くても悪くても、自分が映ってるのって興味を示すもんです。
その興味が次第に自分の欠点や、長所を見つけるようになるんです。
自分で、良いところ悪いところを見つけ出すんです。
人に言われると嫌なこともありますしね。
あとは、私たちは雪のないところに住んでいますので、私が仕事休みの日にしかゲレンデに行けません。
ゲレンデまで何百キロもかけて行きます。
その、行けた一日を大切に滑るようにと教えました。
ちょっとでもだらだらしてたら、雷が落ちてましたね(笑)
楽しいのと、だらだらするのは違いますからね。
一生懸命楽しむのが一番かな?
なるほど、自ら上達を託すような工夫をされているわけですね。
お父さんから見て、友基くんの優れた点はどこだと思いますか?
洞察力?努力でしょうか?
見かけによらず、研究熱心なんです。
自分の滑りや上手い人の滑りを研究して、次の滑りに生かすんです。
見たものを、そのまま自分のものにする。自分のものにしようと努力する。
そう、結構努力してるんですよ!
僕がよく知るスノーボード・コーチの一人に、カナダで高石周さんという方がいるのですが、彼曰く「意欲を持って取り組むと努力となり、これを早く、つまり若く始めるほど神経は急速に伸びるチャンスを持っている。始める年齢が遅れるほど神経の伸びはゆっくり、または効率が悪くなる。」と言っているのですが、そういった意味でまさに友基くんは、最適な年齢で最高の努力をしているライダーだと思います。
ここまで努力する友基くんのモチベーションとはどこから来たのでしょうか?様々なスポーツがある中で、彼がそこまでスノーボードに打ち込んだ理由というか。
やっぱりスノーボードが好きなんでしょう。
先にも話しましたが、始めは友基から「スノーボード」と言い出した訳ではありません。
たまたま、私がスノーボードをしていただけで・・・
それに、最近知ったのですが、最初は私にやらされてる感があったらしいです。
それがこんなにも打ち込むようになったのは、仲間の影響も大きいと思います。
スノーボードをやってる連中って、ホント楽しいヤツらばかりなんです。
楽しい仲間と楽しく滑る。
それで楽しく滑って、上手くなるために努力もして、どんどんのめり込んでいったと言うか・・・、もうそれしかないと言うか・・・。
スノーボードしか考えたことがなかったので。
ところで、普段の友基くんの学校生活とか、得意な授業は?
例えば、運動部に入っているとか、好きな科目とかはあるのでしょうか?冬場は遠征で、授業も遅れがちになりそうで心配ですが。
部活には入ってません。帰宅部なんです。
基本的には入らないといけないんですが、学校以外でスポーツなんかをしてる子は特別なんです。
実際、部活に入ってたら、他のメンバーに迷惑かけますよ。
得意な科目は、以外に社会とか国語らしいです。
好きなのは、もちろん体育ですよ。
遠征なんかは、先シーズンからですから。
それまでは、ほとんど休んでませんでした。
でも、最近は休む事も多く、やっぱり遅れがちです。
人以上に頑張らないといけないんですね。
今、このインタビューを読んでいる方の中には、自分の子供を友基くんのようなプロ・ライダーになってほしい、という方もいると思います。その方たちへ向けて、アドバイスやメッセージをいただきたいのですが。
自分の子供が、夢に向かって本気でやってるコトを応援しない親はいませんよね。
当り前のことをしてるだけです。
全力でぶつかってくるものに、全力で応える!
それだけです !!
体力的に辛い時はあるかも知れませんが、精神的に負けることはありません。だって、子供といっしょに同じ夢を見れるのですから、こんな幸せなことトはありませんよ。
みなさんも、ぜひ本気でぶつかってみてください。絶対楽しいですから。
最後に今季の目標、そして将来の夢をお聞かせください。
今季の目標は、世界進出!
世界に角野友基を知ってほしい。
それが日本のスノーボードの活性化につながれば、最高ですね。
将来の夢は、世界一 !
何年か前から口にするようになりました。
今季は、その第一歩ですね。
まだまだ、世界を口にするには未熟かも知れませんが、なんとか頑張ってみたいと思ってます。
みなさんも応援してやってください。
そして、少しでも自分の子にも・・・って思った方は、子供といっしょにチャレンジしてみてください。
行きつく先は、それぞれ違うかも知れませんが、絶対に後悔はしないと思います。
みんなでスノーボードを盛り上げましょう!